
買おうとしている建売が欠陥住宅だったらどうしようと不安です。素人が見て分かるものなんでしょうか。
新築の家は、どれもきれいに見えます。だからこそ、見えない部分に問題がないかが気になりますよね。
先に結論を言います。新築の戸建てで相談が多い不具合は、ひび割れ・性能不足・雨漏りの3つです。そして新築の建売なら、構造と雨漏りは法律で10年守られます。
ただ、守られ方を知らないまま住み始めると、
不具合に気づいてから1年以上放っておき、直してもらう権利を失うことがあります。
避け方は、契約前に書類を3枚確かめ、引渡し後は見つけたらすぐ書面で伝えることです。
この記事では、国の指定を受けた相談窓口に寄せられた新築戸建ての相談5,331件の内訳と、国の告示の数字を使って、欠陥住宅の見分け方と対処の手順をまとめます。
この記事で分かること
新築の戸建てで相談が多い不具合の順位と割合
欠陥住宅の典型5つと、国の告示が示す数字の目安
新築の建売が法律で守られる期間と通知の期限
契約前に見る3つの書類と内見で見る場所
引渡し後に欠陥を見つけたときの5つの手順
欠陥住宅とは|法律では「瑕疵」と「契約不適合」と呼ぶ


欠陥住宅という言葉は、実は法律には出てきません。欠陥住宅の範囲が人によって違うのはそのためです。法律では「瑕疵(かし)」や「契約の内容に適合しない」という言葉を使います。
欠陥住宅かどうかは不具合が出た部分で守られ方が変わる
新築の家の不具合は、出た部分によって法律の扱いが分かれます。まず3つに分けて考えると整理できます。
| 部分 | 具体的な場所 | 主な法律 | 守られる期間 |
|---|---|---|---|
| 構造耐力上主要な部分 | 基礎・柱・梁・壁・床・屋根の骨組み | 住宅品質確保法 | 引渡しから10年 |
| 雨水の浸入を防止する部分 | 屋根・外壁・窓などの開口部 | 住宅品質確保法 | 引渡しから10年 |
| それ以外 | 設備・内装・建具・外構など | 民法・宅建業法・契約書 | 契約で決める(建売は2年が多い) |
欠陥住宅かどうかで売主と話すときは、まずこの3つのどこに当たるかをはっきりさせます。欠陥住宅という言葉のまま伝えると、話がかみ合わないことが多いからです。
つまり「欠陥住宅」と一口に言っても、骨組みと雨漏りは10年、それ以外は契約で決まるという2段構えです。クロスのはがれや建具の不具合は、多くの建売で2年が区切りになります。
クロスの隙間が欠陥かどうかの見分け方と、2年点検の前に見る場所は新築のクロスの隙間は何年まで無料で直る?壁紙のひび割れの原因と2年点検のチェックリストと補修費用にまとめています。
欠陥住宅と施工のばらつきは分けて考える
新築でも、クロスの継ぎ目が少し開く、床がきしむといった小さな不具合は起こります。木は乾燥すると縮むので、ある程度は避けられません。
問題になるのは、構造の強さや雨を防ぐ働きが足りていない状態です。こちらは見た目が小さくても、放っておくと家の寿命を縮めます。
欠陥住宅かどうかを考えるときの順番
どの部分に出た不具合か(骨組み・雨・それ以外)
いつ気づいたか(引渡しから何年目か)
売主にいつ伝えたか(知ってから1年以内か)
新築の戸建てで多い不具合はひび割れ・性能不足・雨漏り


欠陥住宅で何が多いのかは、国の指定を受けた住宅専門の電話相談窓口の統計で分かります。住宅リフォーム・紛争処理支援センターが毎年まとめている統計年報です。
欠陥住宅の相談のうち新築の65.7%は実際に不具合が出ている
2025年度にこの窓口が受けた新規の相談は30,414件でした。そのうち新築住宅に関する相談は11,707件です。
新築の相談のうち、住宅のトラブルの相談は9,356件でした。さらにその65.7%にあたる6,146件で、実際に不具合が出ていたと集計されています。
「なんとなく不安」ではなく、具体的な不具合を抱えての相談が3件に2件ということです。



欠陥住宅って、やっぱり家が傾くようなものが多いんですか。



実は傾きは新築戸建ての相談の4.0%です。多いのはひび割れと性能不足と雨漏りなので、まずこの3つを見てください。
欠陥住宅の不具合の1位はひび割れで新築戸建ての20.1%
新築の戸建住宅で不具合が出ていた相談5,331件について、どんな不具合だったかの内訳が出ています。1件で複数の不具合を数えているので、合計は100%になりません。
| 順位 | 不具合 | 件数 | 割合 | 多い部位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ひび割れ | 1,073件 | 20.1% | 外壁・基礎 |
| 2 | 性能不足 | 893件 | 16.8% | 設備機器・外構 |
| 3 | 雨漏り | 675件 | 12.7% | 屋根・外壁 |
| 4 | 変形 | 649件 | 12.2% | 開口部・建具・床 |
| 5 | はがれ | 628件 | 11.8% | 外壁・内装 |
| 6 | 汚れ | 574件 | 10.8% | 内装・床 |
| 7 | 漏水 | 320件 | 6.0% | 排水配管・給水給湯配管 |
| 8 | 作動不良 | 301件 | 5.6% | 開口部・建具・設備機器 |
| 9 | 傾斜 | 214件 | 4.0% | 床 |
| 10 | 排水不良 | 203件 | 3.8% | 排水配管・外構 |
ひび割れが最も多く、外壁と基礎のひび割れだけで5件に1件です。雨漏りも8件に1件あり、屋根と外壁から入っています。
一方で、よく話題になる床の傾きは4.0%、床鳴りは2.4%でした。欠陥住宅と聞いて思い浮かべる「家が傾く」は、相談の中では少数派です。
床鳴りの原因6つと、無償で直せる期限、引渡し前の立会いでの見つけ方は新築の床鳴りの原因は?パキッとミシミシの違いと保証で直せる期間と床の傷を引渡し前に見る方法で解説しています。
性能不足は住み始めて1年以内に半分以上が見つかる
統計年報には、不具合がいつ出たかも載っています。性能不足は築1年未満までに5割超、床鳴りは1年未満までに5割弱でした。
性能不足とは、設備がカタログどおりに動かない、断熱が効いていないといった不具合です。最初の夏と冬を越すまでに気づくことが多いということです。
ひび割れや雨漏りは、もっと後から出るものも含まれます。だから最初の1年と、2年目の点検の前が、家をよく見ておく時期になります。
欠陥住宅の紛争にまで進んだ戸建ても争点の1位はひび割れ
話し合いで決着がつかず、弁護士会の住宅紛争審査会に持ち込まれた事件の統計もあります。制度が始まってから終わった事件は2,472件で、このうち戸建分譲は402件(16.3%)でした。
| 争点になった不具合 | 割合 | 多い部位 |
|---|---|---|
| ひび割れ | 32.9% | 基礎・外壁・内壁 |
| 変形 | 21.6% | 床・開口部・建具・内壁 |
| 汚れ | 17.4% | 床・外壁・内壁 |
| 雨漏り | 15.5% | 屋根・外壁・開口部・建具 |
| はがれ | 10.9% | 内壁・外壁・床 |
| 作動不良 | 7.6% | 開口部・建具・設備機器 |
相談でも紛争でも、ひび割れと雨漏りが上位に入ります。建売を見るときも、まずこの2つに目を向けると効率がよいです。
雨漏りが起きやすい6つの場所と、見つけたときの手順、火災保険が使える場合は新築の雨漏りの原因は?建売で多い6つの場所と10年保証で直せる範囲と火災保険が使えるかで解説しています。



建売と注文住宅のどちらが欠陥が多いかを示す公的な数字はありません。紛争で注文住宅が67.0%と多いのは、そもそも注文住宅の数が多く、請負契約で揉めやすいことも影響しています。
欠陥住宅の典型5つ|雨漏り・基礎のひび・床の傾き・断熱の欠損・給排水


統計の順位を、建売の買主が欠陥住宅を避けるために気をつける形に置き換えます。典型は5つで、どれも壁や床の中で起きるのが共通点です。
欠陥住宅の雨漏りはサッシまわりとバルコニーから入りやすい
雨漏りは、屋根より窓のまわりやバルコニー、外壁の継ぎ目から入ることが多い不具合です。防水シートの重ね方やテープの貼り忘れといった、工事中の小さなミスが原因になります。
国土技術政策総合研究所は、瑕疵保険の事故のうち防水の事故が9割を超えると公表しています。新築の家の保険で実際にお金が出ている不具合の大半は、雨水の浸入だということです。
基礎のひび割れは幅で危なさが分かれる
基礎のひび割れは、すべてが欠陥ではありません。コンクリートは乾くときに縮むので、髪の毛ほどの細いひびはよく出ます。
基礎のひびが何ミリから危ないかの国の目安と、クラックスケールでの測り方は新築の基礎のひび割れは何ミリから危ない?ヘアークラックと構造クラックの見分け方と保証と補修方法で解説しています。
国の告示は、ひび割れの幅で目安を示しています。幅0.5ミリ以上のひび割れ、またはさび汁が出ているひび割れは、構造に瑕疵がある可能性が「高い」とされています。
| レベル | ひび割れの状態 | 構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性 |
|---|---|---|
| 1 | レベル2・3に当たらないひび割れ | 低い |
| 2 | 幅0.3ミリ以上0.5ミリ未満 | 一定程度存する |
| 3 | 幅0.5ミリ以上、またはさび汁を伴う | 高い |
0.5ミリは、シャープペンシルの芯(0.5ミリ)とほぼ同じ太さです。ひびの幅を測る「クラックスケール」というカード型の定規も、安く手に入ります。
床の傾きは3メートルで18ミリが目安になる
床や壁の傾きも、同じ告示に目安があります。1000分の6以上の傾きは、構造に瑕疵がある可能性が「高い」とされています。
| レベル | 傾き | 可能性 |
|---|---|---|
| 1 | 1000分の3未満 | 低い |
| 2 | 1000分の3以上1000分の6未満 | 一定程度存する |
| 3 | 1000分の6以上 | 高い |
1000分の6は、3メートル離れた2点で18ミリの高さの差です。ビー玉が転がる程度では判断できないので、気になるときは水平器か専門家の計測で確かめます。
欠陥住宅の特徴は手抜き工事より工程の抜けから生まれる
欠陥住宅と聞くと、わざと材料を減らす手抜き工事を想像するかもしれません。ただ実際の不具合の多くは、防水テープ1本の貼り忘れや金物の締め忘れといった工程の抜けから生まれます。
建売は同じ現場で何棟も同時に建てるので、職人が入れ替わる境目で確認が抜けることがあります。欠陥住宅に共通する特徴は、悪意よりも「誰も確かめていない工程」があることです。
欠陥住宅に共通する3つの特徴
壁や床で隠れる前の工程を、売主以外の誰も見ていない
完成後の点検口の中や基礎の表面に、症状がすでに出ている
売主に聞いても検査の記録や書類がすぐに出てこない
逆に言えば、隠れる前の工程を第三者が見ていて、その記録が書類で残っている家は欠陥住宅になりにくいということです。次の章以降で、その確かめ方を具体的に書きます。
断熱の欠損と給排水の漏れは完成後に隠れる
断熱材の隙間や入れ忘れは、壁の中なので完成後には見えません。冬に一部の壁だけ結露する、部屋の一角だけ寒いといった形で表に出ます。
窓の結露と壁の中の結露の見分け方と、保証の扱いの違いは新築の結露がひどいのはなぜ?1年目に多い原因とカビと建売の窓の対策を解説にまとめています。
給排水の漏れは、床下の配管のつなぎ目から起きます。統計年報でも漏水は6.0%あり、排水配管と給水・給湯配管に多いと集計されています。
欠陥住宅のサインになりやすい症状
窓枠の下やクロスに茶色いシミが出ている
基礎にシャープペンの芯が入るほどのひびや、さびの筋がある
ドアや引き戸が勝手に動く、閉まりにくい
一部の壁だけ結露する、カビが出る
床下点検口から見て、配管の下が濡れている
新築の建売の欠陥は法律で10年守られる|通知は知ってから1年以内


欠陥住宅の不安を小さくしてくれるのが、住宅品質確保法です。新築の建売なら、骨組みと雨漏りは引渡しから10年、売主が責任を負うと決まっています。
欠陥住宅の10年の責任は売主が特約で外すことができない
住宅品質確保法95条は、新築住宅の売主に10年の責任を負わせています。これより買主に不利な特約は無効です。
「この物件は保証3年です」と契約書に書かれていても、骨組みと雨漏りについては10年が残ります。売主と買主が合意すれば、20年まで延ばすこともできます。
保証の年数そのものや、アフターサービスとの違いは建売の保証期間は何年?新築の瑕疵担保責任10年とアフターサービスと最長60年保証の条件で詳しく書いています。
完成から1年を過ぎた売れ残りは新築に入らない
欠陥住宅の保証でここで注意したいのが「新築住宅」の定義です。住宅品質確保法2条2項は、完成から1年を過ぎたものは新築住宅に含めないとしています。
完成から1年以上たった未入居の建売は、広告では「未入居」と書かれることがあります。この場合は10年の責任が法律上当然には付かないので、契約書の保証の欄を必ず確かめます。
不具合を知ったら1年以内に売主へ伝える
10年守られるといっても、いつ言ってもよいわけではありません。民法566条は、買主が不具合を知った時から1年以内に売主へ通知することを求めています。
| 期限 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 知ってから1年 | 売主に不具合を通知する | 民法566条(品確法95条3項で準用) |
| 知ってから5年 | 請求する権利の消滅時効 | 民法166条1項1号 |
| 引渡しから10年 | 骨組みと雨漏りの責任期間 | 住宅品質確保法95条 |
| 引渡しから2年以上 | それ以外の部分で有効な特約の下限 | 宅地建物取引業法40条 |
通知は、不具合の種類と場所を伝えれば足ります。ただ「言った・言わない」にならないよう、日付の入った書面かメールで残すのが確実です。



売主が宅建業者の建売では、それ以外の部分の期間を「引渡しから2年」とする契約が多いです。契約書の「契約不適合責任」の条文は、契約前に一緒に読み合わせましょう。
売主が倒産しても欠陥住宅は保険か供託で直せる


欠陥住宅の10年の責任があっても、売主が倒産したら意味がないと思うかもしれません。そこで住宅瑕疵担保履行法が、新築住宅の売主に10年分の保険か供託を義務づけているのです。
欠陥住宅の保険は倒産時に買主が直接100%を請求できる
多くの建売の売主は、住宅瑕疵担保責任保険に入っています。国土交通省が示す保険の主な条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保険期間 | 引渡しから10年 |
| 保険金額 | 2,000万円以上 |
| 免責金額 | 10万円 |
| 支払われる割合 | 売主へは80%/売主が倒産したときは買主へ100% |
| 対象の費用 | 修補費用・調査費用・仮住まいや転居の費用など |
売主が倒産して直せないときは、買主が保険法人に直接請求できます。引渡しのときに受け取る保険付保証明書は、10年間なくさないようにしてください。
欠陥住宅でも保険が出ないのは骨組みと雨漏り以外の不具合
保険の対象は、10年の責任と同じく骨組みと雨水の浸入を防ぐ部分です。クロスのはがれや設備の故障は、10年の保険の対象外になります。
欠陥住宅の相談で多い性能不足(16.8%)も、設備の不具合なら保険では直せません。こちらは売主のアフターサービスと、契約書の2年の期間で対応することになります。
供託の家は住宅紛争処理を使えないことがある
一部の大手の売主は、保険ではなく法務局にお金を預ける供託を選んでいます。供託の場合は、売主が契約の前に供託所の所在地などを書面で説明する決まりです。
見落としやすいのは、後で説明する1万円の住宅紛争処理は、保険付き住宅か評価住宅が対象という点です。供託の家で建設住宅性能評価書もなければ、この手続きは使えません。
契約前に聞いておくこと
資力確保は保険か供託か(重要事項説明書に書かれている)
保険なら保険法人の名前
建設住宅性能評価書を取得しているか
ラクチン不動産は新築一戸建て・建売の仲介手数料0円で対応しています。3,000万円の物件なら、本来かかる105万6,000円(税込)が0円です。
値引きでもキャンペーンでもありません。売主が不動産会社である新築の建売は、売主から報酬を受け取れるため、買主からいただく必要がないという仕組みです。
- 対象:売主が不動産会社の新築一戸建て・建売
- 対象外:中古住宅、個人が売主の物件、売主から報酬が出ない物件
- 他社のチラシやポータルサイトで見つけた物件でも、多くの場合ご案内できます
- 0円の対象かどうかは、物件名と所在地だけで無料判定します
気になっている物件があれば、契約前にセカンドオピニオンを。販売図面のURLか写真をLINEで送っていただければ、その物件の弱い部分と、価格が妥当かどうかをお伝えします。
- 物件のURLか写真を送るだけ。入力フォームはありません
- 売主側では言いにくい弱点も、買主の立場でお伝えします
- 新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています
- しつこい営業のお電話はしません
欠陥住宅の見分け方|契約前に書類を3枚確かめる


完成した建売は、壁の中を見ることができません。欠陥住宅を外から見抜くには限界があります。だから工事中に誰が何回検査したかを、3枚の書類で確かめるのが一番確実な見分け方です。
1枚目は役所か検査機関の完了検査を受けた検査済証
検査済証は、建物が建築確認の図面どおりに建ったことを、完了検査で確かめた証明書です。建築基準法の最低限を満たしているかの確認なので、まずこれがあることが前提になります。
検査済証の見方や、ない家のリスクは検査済証とは?ない家のリスクと義務化はいつからか建売で確かめる方法を解説にまとめています。
2枚目は第三者が工事中に検査する建設住宅性能評価書
建設住宅性能評価書は、第三者の評価機関が基礎の配筋から完成まで、工事中に原則4回現場を検査して交付するものです。壁で隠れる前の段階を、第三者が見ているのが最大の違いです。
国土交通省によると、2025年度に建設住宅性能評価書が交付された一戸建ては83,750戸でした。すべての建売に付いているわけではありません。
当社がレインズで集めた関西の新築戸建ての販売図面224枚のうち、性能評価の記載があったのは10枚(4%)でした。図面に書かれていなくても取得している物件はあるので、売主に直接聞くのが確実です。
評価書の等級の読み方は住宅性能評価書の見方|建売で見る6つの等級と設計・建設の違いで解説しています。
3枚目は10年の備えを示す保険の書類
3枚目は、前の章で書いた住宅瑕疵担保責任保険の書類です。保険に入るには、保険法人の検査員による現場検査を受ける必要があります。戸建てなら基礎の配筋のときと、骨組みや屋根ができたときの原則2回です。
つまり保険付きの家は、少なくとも基礎と骨組みの2回は第三者が見ているということになります。
| 書類 | 誰が見るか | 何を見るか | いつもらうか |
|---|---|---|---|
| 検査済証 | 役所か指定確認検査機関 | 建築確認の図面どおりか | 完成後 |
| 建設住宅性能評価書 | 登録住宅性能評価機関 | 等級どおりの施工か(原則4回) | 完成後 |
| 保険付保証明書 | 保険法人の検査員 | 基礎の配筋と骨組み(原則2回) | 引渡し時 |
欠陥住宅を避けやすいのは書類をすぐ出せる売主
3枚の書類は、どれも工事の途中で作られるものです。きちんと検査を受けている売主なら、聞けば数日以内に写しを出せるはずです。
反対に「引渡しのときに渡します」「どこも同じです」と言って出てこない場合は、注意が必要です。欠陥住宅かどうかを決めつける理由にはなりませんが、なぜ出せないのかを書面で確かめる価値はあります。



売主に書類を見せてくださいと言うのは、気が引けます。



買主から直接言いにくいことは、仲介会社が代わりに聞く役目です。当社でも契約前に書類の写しをそろえてお見せしています。
未完成の建売は検査の予定を書面でもらう
建売は完成前に売り出されることが多く、当社の物件データでも1,349件のうち31.5%は建築中か未着工でした。この場合は、3枚の書類がまだありません。
未完成なら、検査の予定日を書面でもらい、基礎と骨組みの2回は現場を見に行くのが有効です。完成前に買うときの考え方は建売は完成前に買うべき?建つ前に購入する値引きと未完成物件の確かめ方を解説に書いています。
欠陥住宅の見分け方|内見で見る6つの場所


書類の次は、自分の目で欠陥住宅のサインがないかを見る番です。完成済みの建売なら、基礎・床・サッシ・建具・床下・小屋裏の6か所を順に見ます。
外回りは基礎のひびとサッシまわりのシミを見る
家の周りを一周して、基礎の表面を見ます。シャープペンの芯が入るほどの幅のひびや、さびの筋がないかが確かめるところです。
次に外壁の窓のまわりです。サッシの角から下に向かって汚れの筋やシミがあれば、雨水が回っているサインのことがあります。
室内は床の傾きと建具の閉まり方を見る
室内では、ドアや引き戸を全部開け閉めします。途中で止まらず勝手に動く、閉めると隙間が上下で違うときは、枠か床が傾いている可能性があります。
床の傾きはスマートフォンの水平器のアプリでもおおまかに見られます。ただ告示の目安は3メートル離れた2点で測るものなので、アプリの数字だけで判断しないでください。
床下と小屋裏は点検口から懐中電灯で覗く
建売には、床下と天井裏にそれぞれ点検口があります。売主の許可を取って、懐中電灯で覗かせてもらいます。
点検口から見るところ
床下:配管の下や地面が濡れていないか
床下:断熱材が垂れ下がったり落ちたりしていないか
小屋裏:断熱材に隙間や偏りがないか
小屋裏:屋根の下地に雨染みがないか
内見で見る場所の全体は建売の内覧チェックポイント|見る順番と持っていくものにまとめています。
自分で判断できないときは第三者の住宅診断を入れる
床下や小屋裏まで自分で見るのは、正直なところ難しいです。そのときは4万〜7万円の第三者のホームインスペクション(住宅診断)を契約前に入れるのが確実です。
新築の建売の診断費用は、4万〜7万円が目安です。3,000万円の家を買う前の確認として、検討する価値は十分あります。
診断で見る場所や依頼のタイミングはホームインスペクションとは?費用相場と新築の建売で見る場所を解説で解説しています。
引渡し後に欠陥住宅だと気づいたときの5つの手順


住み始めてから欠陥住宅だと気づくこともあります。欠陥住宅への対応は、最初の数週間の動き方で結果が変わります。慌てずに記録・通知・点検・相談・紛争処理の5段階で進めます。
手順1:欠陥住宅の証拠を写真と日付で記録する
まず不具合の場所を、日付が分かる形で写真に撮ります。ひびならメジャーや定規を当てて幅が分かるように、雨漏りなら雨の日と晴れの日の両方を撮ります。
いつ気づいたかのメモも残します。通知の期限は「知った時から1年」なので、気づいた日がそのまま期限の起点になります。
手順2:売主に書面で通知する
売主のアフターサービスの窓口に連絡します。電話で伝えたあとも、メールか書面で、場所と症状と気づいた日を送っておくと確実です。
このとき、自分で補修業者を呼んで直してしまうのは避けます。先に直すと、売主の責任かどうかを確かめられなくなるからです。
手順3:売主の調査と補修の内容を書面で受け取る
売主が調査に来たら、原因と補修の方法を書面でもらいます。「様子を見ましょう」と言われたときは、いつまで様子を見て、そのあと何をするかを書いてもらいます。
売主に出してもらう書面
調査の日付と、見た場所
不具合の原因の見立て
補修の方法と工事の予定日
補修後にもう一度確かめる日



補修が終わったあとに同じ場所で再発することもあります。補修の報告書は、10年間なくさないよう保険の書類と一緒にしまっておきましょう。
手順4:欠陥住宅の相談は住まいるダイヤルにする
売主の説明に納得できないときは、国の指定を受けた住宅専門の相談窓口「住まいるダイヤル」に電話で相談できます。相談員は建築士の資格を持ち、相談料は無料です(通話料はかかります)。
保険付き住宅か評価住宅なら、弁護士と建築士に対面で相談できる専門家相談も使えます。2025年度に紛争処理を申請した人の83.8%は、その前に専門家相談を受けていました。
手順5:住宅紛争審査会の紛争処理を申請する
話し合いで解決しないときは、弁護士会の住宅紛争審査会に紛争処理を申請します。申請手数料は1万円で、紛争処理委員への謝金や通常の鑑定費用は原則かからないと国土交通省は説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 保険付き住宅・評価住宅 |
| 手続き | あっせん・調停・仲裁 |
| 申請手数料 | 1万円 |
| 終結した事件 | 2,472件(制度開始から) |
| 成立した割合 | 53.8%(1,331件) |
| 成立した事件の解決内容 | 修補33.9%・損害賠償33.1%・修補と損害賠償15.7% |
裁判よりはるかに安く、半分以上が話し合いでまとまっています。売主が倒産しているときは、手順2の代わりに保険法人へ直接連絡します。
やってはいけないこと
不具合に気づいてから1年以上、売主に伝えずに放っておく
売主に伝える前に、自分で別の業者に補修させる
口頭だけで伝えて、記録を残さない
欠陥住宅に関するよくある質問


- 建売は注文住宅より欠陥住宅が多いのですか。
-
どちらが多いかを示す公的な数字はありません。紛争処理の事件は戸建注文が67.0%、戸建分譲が16.3%ですが、注文住宅のほうが数が多く、請負契約で揉めやすい事情もあります。
- 欠陥住宅の相談はどこにすればいいですか。
-
まず売主のアフターサービスの窓口に伝えます。納得できないときは、国の指定を受けた住宅専門の相談窓口「住まいるダイヤル」に無料で電話相談できます。
- 新築の欠陥は何年まで直してもらえますか。
-
骨組みと雨漏りは引渡しから10年です(住宅品質確保法95条)。それ以外の部分は契約で決まり、建売では引渡しから2年とする契約が多いです。
- 不具合に気づいたら、いつまでに伝えればいいですか。
-
民法566条で、不具合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。日付の分かるメールや書面で伝えておくと確実です。
- 基礎のひび割れはすべて欠陥ですか。
-
いいえ。細いひびは乾燥で出ます。国の告示では、幅0.5ミリ以上かさび汁を伴うひび割れを、構造に瑕疵がある可能性が高いと区分しています。
- 売主が倒産したら欠陥は直してもらえませんか。
-
新築住宅の売主には保険か供託が義務づけられています。保険なら、買主が保険法人に直接請求でき、修補費用などの100%が支払われます。
- 完成から1年以上たった未入居の建売でも10年守られますか。
-
住宅品質確保法では完成から1年を過ぎると新築住宅に含まれません。10年の責任が当然には付かないので、契約書の保証の欄で期間を確かめてください。
- ホームインスペクションの費用はいくらですか。
-
新築の建売で4万〜7万円が目安です。床下や小屋裏まで見てもらえるか、報告書が付くかを依頼前に確かめます。
欠陥住宅は書類と記録で守る|建売で押さえる6つのこと


最後にまとめます。欠陥住宅は契約前に書類3枚で見分け、引渡し後は1年以内の通知で守るのが基本です。
- 新築戸建ての不具合はひび割れ20.1%・性能不足16.8%・雨漏り12.7%の順
- 新築の建売の骨組みと雨漏りは引渡しから10年守られる
- 不具合を知ったら1年以内に売主へ書面で伝える
- 売主が倒産しても保険なら買主が直接請求できる
- 契約前に検査済証・建設住宅性能評価書・保険の書類を確かめる
- 内見では基礎のひびの幅と床の傾きと点検口の中を見る
欠陥住宅かどうかを、買主が一人で見抜くのは難しいです。欠陥住宅の多くは、症状が出る前の段階では見た目に表れないからです。だからこそ、契約の前にどの書類があるかを聞ける相手がいるかどうかで、安心の度合いが変わります。
当社は新築の建売を仲介手数料0円でご案内しています。書類の確認や内見の立ち会いも、買主の側に立って物件の良いところも気になるところもそのままお伝えします。ご希望があれば、ホームインスペクションの手配もご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
- しつこい営業のお電話はしません


ラクチン不動産では、住宅ローンの相談(審査や無理のない計画)や物件探し・検討中の物件に関するセカンドオピニオンをLINEで対応しています。買主の味方に立って一緒にマイホーム実現をサポートします。
新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています。
お電話の受付は10:00〜19:00(水曜・日曜は定休)。時間外のご相談はLINEかメールをご利用ください。翌営業日にお返事します。













