
気になる建売の資料に「市街化調整区域」と書いてありました。家を建ててはいけない場所だと聞いたのですが、買っても大丈夫でしょうか。
「建てられない区域」と聞くと、不安になりますよね。
先に結論を言います。市街化調整区域でも、開発許可や建築許可を受けた建売なら家は建っていて、住むことはできます。
ただ、許可の中身を知らずに買うと、
建て替えや用途の変更が思うようにできず、売るときに買主が限られることがあります。
避け方は、重要事項説明書の都市計画法の欄と許可書の写しで、どの許可で建ったかを契約の前に確かめることです。
この記事では、都市計画法の条文と大阪府・京都府の公式の基準、国の都市計画の統計、当社の物件データを使って、市街化調整区域の建売で確かめることをまとめます。
この記事で分かること
市街化調整区域と市街化区域の違い
市街化調整区域で家が建つ主な場合(大阪府の案内)
京都府の条例で決まっている区域の基準
関西の建売で市街化調整区域の物件がどれくらいあるか
買ったあとの建て替え・用途の変更・売却の制限と、買う前に確かめる4つのこと
市街化調整区域とは|市街化を抑制すべき区域


都市計画区域の中は、市街化区域と市街化調整区域に線を引くことができます(都市計画法7条1項)。この線を引くことを区域区分、または線引きと呼びます。
7条2項は、市街化区域を「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」としています。
一方で7条3項は、市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と定めています。街を広げる場所と、広げない場所を分けているのです。
| 区分 | 目的 | 家を建てるとき |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 市街化を進める | 用途地域に合えば建てられる |
| 市街化調整区域 | 市街化を抑える | 原則として許可が要る |
| 非線引き区域 | 線を引いていない | 用途地域があれば合わせて建てる |
都市計画区域の外や非線引き区域の違いは、都市計画区域外とは?家を建てるときの決まりと確認申請と非線引き区域との違いを関西の割合と建売で解説で詳しく解説しています。
市街化調整区域で家を建てるには許可が要る
市街化調整区域で土地の区画や形を変えて家を建てることを、開発行為といいます。開発行為には、都道府県知事(政令市などは市長)の開発許可が要ります(29条1項)。
開発許可を受けていない土地で家を建てる場合も、43条1項で知事の許可が要ります。大阪府は公式の案内で、市街化調整区域では規模に関わらず都市計画法の許可が必要と説明しています。
市街化調整区域で家が建つ主な場合|大阪府の案内


許可は、どんな建物でも出るわけではありません。34条は、各号のどれかに当たる場合でなければ知事は開発許可をしてはならない、と定めています。
大阪府の公式の案内は、自分が住む家を建てられる場合を次のように挙げています。
| 場合 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 建て替え | 線引きの前から建っている家や、その後に適法に建てた家の建て替え | 同じ用途で同じ規模程度なら許可が要らない場合がある |
| 農家住宅 | 農業・林業・漁業を営む人の住宅 | 29条1項2号(許可は不要) |
| 条例の区域 | 府や市の条例で指定した区域 | 34条11号 |
| 分家住宅 | 調整区域に住み続けてきた世帯が分かれて建てる家 | 34条14号(提案基準3) |
| 既存の宅地 | 線引きの前から建物の敷地だった土地(既存宅地と呼ばれる) | 34条14号(提案基準10) |
| 連たんの区域 | 50以上の建物が続いている地域など | 34条14号(提案基準5・11) |
つまり、どの場合に当たるかで、建てられる人と建てられる家が決まります。分家住宅のように、建てられる人が限られるものもあります。
府県や市で基準が違う
大阪府の案内は、大阪府が許可の権限を持つ区域についてのもの
政令市や中核市などは、市が許可をしていて基準も市が決める
同じ「調整区域」でも、隣の市では扱いが違うことがある
建売が建つのは開発許可を受けた分譲地が中心
売主が開発許可を受けて区画を造った分譲地なら、許可を受けた区域の中で予定の建物を建てられます。
ただし42条1項は、許可を受けた区域では、予定の建物以外を建てたり、用途を変えたりしてはならないと定めています。この決まりは、買ったあとも続きます。
京都府の条例で決まる区域の基準|34条11号


34条11号は、市街化区域に近く、建物が続いている地域を、府県や市が条例で指定できるとしています。指定された区域では、条例の基準に合う家を建てられます。
京都府の条例は、市街化区域から300m以内で、50以上の建物が続いていることなどを、知事が区域を指定する条件にしています。
| 条件 | 京都府の条例の基準 |
|---|---|
| 市街化区域との距離 | 区域の全部又は一部に、市街化区域から300m以内の土地を含む |
| 建物の連たん | 敷地の間隔が50m以内で、50以上の建物が続いている(市街化区域の建物を含む場合は25以上が調整区域) |
| 道路 | 規則で定める幅の道路が区域内に配置され、区域外の道路に接続している |
| 排水と給水 | 排水施設と給水施設が適当に配置されている |
建てられる用途も決まっています。3条は、建築基準法別表第2(ろ)項に掲げる用途以外の用途を、環境の保全上支障がある用途としています。
(ろ)項は、第二種低層住居専用地域で建てられる建物の一覧です。つまり、京都府の11号区域では、第二種低層と同じ範囲の建物が基本ということです。第二種低層の決まりは第二種低層住居専用地域とは?第一種低層との違いと建てられる店150㎡と住むメリットデメリットを関西の建売の実数で解説で解説しています。



11号の区域は「市街化区域の続き」として家を認める仕組みです。府県や市で距離や戸数の基準が違うので、窓口で区域の図を見せてもらうのが確実です。
関西6府県で市街化調整区域はどれくらいの広さか


国の都市計画現況調査(2025年3月31日現在)から、都市計画区域に占める市街化調整区域の割合を当社で計算しました。
| 府県 | 都市計画区域 | 市街化調整区域 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 奈良 | 115,862ha | 94,558ha | 81.6% |
| 滋賀 | 197,275ha | 115,614.8ha | 58.6% |
| 京都 | 196,018ha | 108,354.9ha | 55.3% |
| 大阪 | 189,585ha | 93,581.5ha | 49.4% |
| 兵庫 | 517,374ha | 195,516ha | 37.8% |
| 和歌山 | 92,365ha | 13,469.6ha | 14.6% |
| 6府県計 | 1,308,479ha | 621,095ha | 47.5% |
関西の都市計画区域のうち、47.5%が市街化調整区域です。奈良県は8割を超えます。
和歌山県が低いのは、都市計画区域の多くが線を引いていない非線引き区域だからです。線を引いていない区域は、市街化調整区域には入りません。
関西の建売の物件データで見る市街化調整区域


当社の物件データで、関西の新築建売1,340件(2026年10月22日時点)の「都市計画」の欄を数えました。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 市街化調整区域の建売 | 51件(3.8%) |
| 府県別 | 奈良27・京都7・滋賀5・和歌山5・兵庫4・大阪3 |
| 府県の中の割合 | 和歌山20.8%・奈良9.7%・京都6.9%・滋賀3.0%・兵庫1.0%・大阪0.8% |
| 多い市町 | 田原本町10・葛城市5・和歌山市5・京都市西京区3・亀岡市3 |
| 用途地域の欄 | 51件すべて「指定なし」 |
| 価格の中央値 | 3,380万円(全体は3,390万円) |
| 土地の中央値 | 200.04㎡(全体は133.7㎡) |
価格はほぼ同じでも、土地の中央値は全体より約66㎡広い結果でした。同じ予算で広い土地が手に入りやすい、という見方もできます。
建蔽率は60%が40件、容積率は200%が42件で、用途地域がなくても数字は決まっています。
データの見方の注意
当社の物件データは飯田グループの建売が中心で、関西のすべての建売ではない
「都市計画」の欄の書き方に基づく集計で、記載の誤りがあり得る
1件ずつの扱いは、重要事項説明書と許可書で確かめる
市街化調整区域の建売を買ったあとの制限


買うときより気をつけたいのは、住んでから建て替えたり、店や事務所に用途を変えたりするときです。
建て替えは同じ用途で同じ規模程度が基本
大阪府の案内では、線引き以後に適法に建てた家の建て替えは、同じ用途で同じ規模程度なら認められる場合があります。それ以外は43条1項の建築許可が要り、基準に合う必要があります。
2階を増やすような大きな増築や、店や事務所に変える用途の変更は、許可が要る場合があります。42条1項と43条1項は、予定の建物以外に用途を変えることを制限しています。
売るときは許可の条件も次の持ち主に引き継がれる
許可の条件によっては、次に住む人や使い方が限られることがあるため、買主の範囲が狭くなることがあります。
住宅ローンは、金融機関が担保の評価をして決めます。市街化調整区域の物件の扱いは金融機関で違うので、申込みの前に聞いておきます。



建売を買った自分が、将来その家を建て替えることはできますか。



適法に建てた家の建て替えは、同じ用途と規模程度なら認められる場合があります。ただ条件は府や市で違うので、許可書の写しを残し、建て替えの前に窓口へ相談してください。
市街化調整区域のお金と暮らしの違い


| 項目 | 市街化調整区域 | 市街化区域 |
|---|---|---|
| 都市計画税 | 原則かからない | かかる(地方税法702条) |
| 固定資産税 | かかる | かかる |
| 下水道 | 浄化槽の家もある | 下水道が中心 |
| 土地の広さ | 広めのことがある | 区画は小さめのことがある |
| 住宅ローン | 担保の評価しだい | 一般的な扱い |
都市計画税は、原則として市街化区域の土地と家だけにかかる税です(地方税法702条)。市街化調整区域では原則としてかかりません。
当社の物件データでも、設備欄に下水の記載がある建売が10件、浄化槽が5件ありました。浄化槽の家の費用と持ち主の義務は、浄化槽と下水道の違いは?デメリットと年間の費用と建売を買う前に確かめる排水の欄と持ち主の義務を解説で解説しています。
ラクチン不動産は新築一戸建て・建売の仲介手数料0円で対応しています。3,000万円の物件なら、本来かかる105万6,000円(税込)が0円です。
値引きでもキャンペーンでもありません。売主が不動産会社である新築の建売は、売主から報酬を受け取れるため、買主からいただく必要がないという仕組みです。
- 対象:売主が不動産会社の新築一戸建て・建売
- 対象外:中古住宅、個人が売主の物件、売主から報酬が出ない物件
- 他社のチラシやポータルサイトで見つけた物件でも、多くの場合ご案内できます
- 0円の対象かどうかは、物件名と所在地だけで無料判定します
気になっている物件があれば、契約前にセカンドオピニオンを。販売図面のURLか写真をLINEで送っていただければ、その物件の弱い部分と、価格が妥当かどうかをお伝えします。
- 物件のURLか写真を送るだけ。入力フォームはありません
- 売主側では言いにくい弱点も、買主の立場でお伝えします
- 新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています
- しつこい営業のお電話はしません
市街化調整区域の建売を買う前に確かめる4つのこと


1.重要事項説明書の都市計画法の欄でどの許可かを見る
宅地建物取引業法施行令3条1項1号は、都市計画法29条・42条・43条などの制限を重要事項説明の対象にしています。開発許可か建築許可か、許可の番号と日付が書かれているかを見ます。
2.許可書と予定建築物の写しを売主にもらう
許可書の写しと、許可の条件に書かれた予定の建物を売主に見せてもらいます。建て替えや売却のときに、この書類が手がかりになります。
確認済証と検査済証の見方は、建築確認済証とは?見方と副本と図面の受け取り方と紛失したときの代わりの書類を建売の買主向けに解説と検査済証とは?ない家のリスクと義務化はいつからか建売で確かめる方法を解説で解説しています。
3.建て替えと用途の変更の条件を聞く
将来の建て替えで、同じ規模で建てられるか、2世帯や店舗にできるかを、売主と府や市の窓口に聞いておきます。
窓口で聞くときに持っていくもの
物件の地番が分かる資料(重要事項説明書や登記の写し)
許可書の写しと、許可の番号・日付
建て替えたい家の大きさと用途の案
4.道と下水と災害の区域を現地と地図で見る
郊外の土地では、道の幅や下水道の有無を現地で見ておきます。浸水や土砂の区域は重ねるハザードマップの見方|使い方と浸水深の色の意味と想定最大規模と重要事項説明の地図との違いを建売で解説の方法で調べられます。
なお、宅地建物取引業法施行令2条の5は、43条1項の許可などを広告と契約の時期の制限の対象にしています。許可が下りる前の建売は、広告も契約もできない決まりです。
市街化調整区域に関するよくある質問


- 市街化調整区域には家を建てられないのですか。
-
原則として許可が要り、許可がなければ建てられません。開発許可や建築許可を受けた建売なら家は建っていて、住むことができます。
- 市街化調整区域の家は建て替えできますか。
-
大阪府の案内では、適法に建てた家の建て替えは、同じ用途で同じ規模程度なら認められる場合があります。それ以外は43条1項の建築許可が要ります。条件は府や市で違います。
- 都市計画税はかかりますか。
-
都市計画税は原則として市街化区域の土地と家にかかる税なので、市街化調整区域では原則かかりません(地方税法702条)。固定資産税はかかります。
- 市街化調整区域の建売は誰でも買えますか。
-
開発許可を受けた分譲地の建売なら、一般に誰でも買えます。ただし分家住宅のように住む人が限られる許可もあるので、許可の内容を確かめてください。
- 用途地域はありますか。
-
市街化調整区域には、原則として用途地域は定められません。当社の物件データでも、51件すべてが「指定なし」でした。用途地域の調べ方は用途地域の調べ方は?市の地図の使い方と13種類の一覧と境目の土地と関西の建売の内訳を解説で解説しています。
- どこで区域を調べられますか。
-
重要事項説明書の都市計画法の欄に書かれています。契約の前なら、府や市の都市計画のWeb地図や、開発許可の担当窓口で確かめられます。
市街化調整区域の建売で押さえる4つのこと|まとめ


最後にまとめます。市街化調整区域は市街化を抑える区域で、許可を受けた建売なら住むことはできるという点が基本です。
- 市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」で、家を建てるには原則として許可が要る
- 建売は開発許可を受けた分譲地が中心で、予定の建物以外への変更は制限される
- 京都府の条例の区域では、第二種低層と同じ範囲の建物が基本
- 関西の都市計画区域の47.5%が市街化調整区域で、当社データの建売では3.8%
- 買う前に、重要事項説明書の都市計画法の欄と許可書の写しを確かめる
区域の外や非線引き区域との違いは都市計画区域外とは?家を建てるときの決まりと確認申請と非線引き区域との違いを関西の割合と建売で解説、建築条件付きの土地を検討しているなら建築条件付き土地とは?建売との違いとデメリットと売建で後悔しない契約の順番もあわせて読んでみてください。
当社は新築の建売を仲介手数料0円でご案内しています。物件の良いところも気になるところも、買主の側に立ってそのままお伝えします。ご希望があれば、許可の内容や建て替えの条件を、書類で一緒に確かめることもご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
- しつこい営業のお電話はしません


ラクチン不動産では、住宅ローンの相談(審査や無理のない計画)や物件探し・検討中の物件に関するセカンドオピニオンをLINEで対応しています。買主の味方に立って一緒にマイホーム実現をサポートします。
新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています。
お電話の受付は10:00〜19:00(水曜・日曜は定休)。時間外のご相談はLINEかメールをご利用ください。翌営業日にお返事します。













