
気になる建売の住所を重ねるハザードマップで調べたら、薄い赤の色がかかっていました。この家は買わないほうがいいのでしょうか。
地図に色がつくと、不安になりますよね。
先に結論を言います。重ねるハザードマップの色は、浸水するかもしれない深さの想定です。買ってよいかどうかは、深さと家の作りで決まります。
色の有無だけで判断すると、
問題の小さい家を見送ったり、逆に色がないから安全だと思い込んで水害の備えを外したりすることがあります。
避け方は、浸水深の区分を読み、市町村のハザードマップと現地の高さの2つで確かめることです。
この記事では、国土地理院の公式の説明と、当社が関西の建売1,347件を同じ国のデータで判定した結果を使って、重ねるハザードマップの見方をまとめます。
この記事で分かること
重ねるハザードマップとわがまちハザードマップの違い
建売の住所で見る5つの手順
洪水の浸水深の色と想定最大規模の意味
地図で分からないことと重要事項説明の地図の違い
関西の建売1,347件の浸水想定の割合
重ねるハザードマップとは|国の災害リスク情報を1枚の地図に重ねるサイト


重ねるハザードマップは、国土地理院が運営する「ハザードマップポータルサイト」の地図です。料金はかからず、パソコンでもスマートフォンでも使えます。
洪水・土砂災害・高潮・津波などの情報を、災害の種類ごとに選んで1枚の地図に重ねて見られるのが重ねるハザードマップの特徴です。データは国や府県などの関係機関が作ったものを集めています。
重ねるハザードマップとわがまちハザードマップは作った人が違う
同じサイトに「わがまちハザードマップ」もあります。こちらは、市町村が作ったハザードマップを探して開くための入口です。
| 項目 | 重ねるハザードマップ | わがまちハザードマップ |
|---|---|---|
| 作った人 | 国や府県などの関係機関 | 市町村 |
| 見え方 | 全国が同じ表現の1枚の地図 | 市町村ごとの冊子やPDF |
| 載っているもの | 浸水想定・土砂・高潮・津波・道路など | 避難所・避難の方法なども含む |
建売を探すときは、まず重ねるハザードマップで周りの傾向を見て、気になったら市町村の地図で確かめる、という順番が効率的です。
重ねるハザードマップの使い方|建売の住所で見る5つの手順


国土地理院の操作マニュアル(令和7年3月)に沿って、建売の買主が見る順番に並べました。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 住所を入れる | トップページの「住所入力」に建売の住所を番地まで入れる |
| 2 災害の種類を選ぶ | 「災害種別で選択」の洪水アイコンを押す(想定最大規模の浸水が表示される) |
| 3 重ねて透過度を上げる | 高潮や土砂も選び、詳細のつまみで透過度を上げて重なりを見る |
| 4 凡例を見る | 右下の浸水深の凡例で、色と深さを照らし合わせる |
| 5 まとめて印刷する | 「リスク検索」で地点を押し、表示された内容を印刷して持っていく |
重ねるハザードマップの透過度は最初0%なので重ねると背景が見えなくなる
マニュアルには、透過度は初期設定で0%なので、重なると背景の地図も見えなくなると書かれています。色を重ねたら、つまみを動かして下の道路や建物が見える程度にします。
表示の順番は、クリックした順に上に乗ります。後から選んだ情報が上に来るので、見たい情報を最後に選ぶと分かりやすくなります。
重ねるハザードマップのポップアップは白から赤の順に危険が高い
住所を入れると、その付近で想定される災害リスクが文字で表示されます。公式の説明では、ポップアップの背景色は白・黄色・橙色・桃色・赤色の5色で、赤に近いほど災害リスクが高いとされています。
洪水と高潮の両方が当てはまる場所では、浸水が最も深くなる種類だけが表示されます。種類ごとの深さは、それぞれのアイコンを押して確かめます。



重ねるハザードマップはスマホでも使えますか。内見の帰りに見たいです。



使えます。現在地から探す機能もあるので、分譲地の前でそのまま周りの色を確かめられます。画面を保存しておくと、あとで売主や仲介に質問するときに便利です。
洪水浸水想定区域の見方|想定最大規模と計画規模と浸水深の色


洪水のアイコンを押すと、最初に表示されるのは「想定最大規模」の浸水です。公式のよくある質問は、2つの規模を次のように説明しています。
| 規模 | 前提の雨 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 想定最大規模 | 年超過確率おおむね1/1000の、その地域で想定し得る最大規模の雨 | 避難や住まい選びで最悪を知る |
| 計画規模 | 河川整備の目標の雨で、年超過確率おおむね1/10〜1/200 | 川の整備が想定している範囲を知る |
年超過確率は、何年に1回必ず来るという意味ではありません。たとえば1/100なら、1年の間にその規模を超える雨が降る確率が1%という意味です。
重ねるハザードマップの浸水深は0.5mと3mと5mが家の高さの目安
浸水深の区切りには根拠があります。国土交通省のマニュアルは、0.5mを1階の床の高さ、3mを2階の床下、5mを一般的な家の2階が水没する深さとして区切ると定めています。
| 浸水深の区分 | 家に当てはめた目安 |
|---|---|
| 0.5m未満 | 1階の床より下までの浸水 |
| 0.5〜3.0m未満 | 1階の床より上で、2階の床より下まで |
| 3.0〜5.0m未満 | 2階の床より上まで |
| 5.0〜10.0m未満 | 一般的な家の2階が水没する |
| 10.0m以上 | 10m・20mの区分がある |
深さは、その場所のおおよその地面の高さから測った深さです。同じ色でも、基礎が高い家と低い家では床上に来る水の量が違います。
重ねるハザードマップの浸水深の読み方
0.5m以上なら1階の床より上まで来る想定
3m以上なら2階の床より上まで来る想定
深さは地面からなので、基礎や敷地の高さで実際の影響は変わる
重ねるハザードマップでは複数の川がある場所はいちばん深い想定が出る
近くに川がいくつもある場所では、川の大きさに関係なく、浸水が最も深くなる1本の川の想定が表示されます。浸水深の具体的な数字を知りたいときは、同じ国のサイトの「浸水ナビ」か、川を管理する河川事務所に問い合わせます。浸水ナビとは掲載している川が違うこともあると、公式は注意しています。
高潮と津波と土砂災害と道路冠水のレイヤーの見方


洪水のほかにも、建売を選ぶときに見ておきたい情報があります。
| 情報 | 見るポイント |
|---|---|
| 高潮浸水想定区域 | 台風で海面が上がったときの浸水。大阪湾沿いと河口の近くで出る |
| 津波浸水想定 | 凡例が洪水と違い、0.3m未満などもっと細かく分かれている |
| 土砂災害警戒区域など | 崖や沢の近く。区域外でも崖地や小さな沢があれば注意 |
| 道路冠水想定箇所 | アンダーパスなど、大雨で通れなくなる道 |
| 大規模盛土造成地 | 谷や斜面を盛土で造成した広い宅地 |
| 明治前期の低湿地 | 昔の湿地や水田だった場所 |
重ねるハザードマップで見落としやすい3つ
洪水だけ見て、高潮や土砂を重ねていない
透過度0%のまま重ねて、下の道路や建物が見えていない
計画規模の表示だけを見て、想定最大規模を見ていない
土砂災害警戒区域でない場所でも崖や沢があれば注意する
公式のよくある質問は、土砂災害警戒区域でない区域でも土砂災害が発生する場合があると書いています。区域は、人家がある場所や今後建つ見込みの場所を対象に指定されるからです。
レッドゾーンの規制と、住宅ローンや税金への影響は土砂災害特別警戒区域とは?レッドゾーンの規制と住宅ローン減税とフラット35と建売で確かめる書類を関西の実数で解説で解説しています。
大規模盛土造成地と昔の湿地は地盤の目安になる
大規模盛土造成地と明治前期の低湿地は、浸水ではなく土地の成り立ちの情報です。造成前の地形の調べ方は切土と盛土の違いとは?地盤の強さと境目の不同沈下と大規模盛土造成地の調べ方を関西の建売で解説で、液状化の傾向の見方は地盤サポートマップの見方|地耐力の4区分と液状化5段階の意味と分からないことを建売の買主向けに解説でまとめています。
重ねるハザードマップで分からない4つのこと|色がない場所も安全とは限らない


公式のよくある質問には、地図の限界もはっきり書かれています。建売の判断に効く4つを並べます。
| 分からないこと | 公式の説明 |
|---|---|
| 色がない場所の安全 | 危険が想定されていないか、データが未整備のどちらか |
| 隣の家との差 | 地盤高と計算の誤差で、隣どうしで2m以上違って表示されることがある |
| 最新の想定 | 新しい浸水想定区域図が出てから反映までに期間がかかる |
| 住所の正確な地点 | 住所検索や現在地検索に誤差がある |
重ねるハザードマップで色がない場所はデータが未整備のこともある
公式は、表示されない場所は、危険が想定されていない場所か、現時点でデータが未整備の場所と説明しています。浸水想定区域図は作成途上で、これから情報が増える予定とも書いています。
周りより低い土地や崖のそばなら、色がなくても注意が必要です。また、リスクをまとめて表示する機能の洪水(想定最大規模)は、いまは国が管理する川だけに対応しています。
隣どうしで浸水深が2m以上違って見えることがある
地図の浸水深は、地面の高さのデータと計算の両方に誤差を含みます。そのため隣の土地と2m以上違う深さで表示されることがあると公式は書いています。



地図の色の境目にある建売は、色だけで判断せず、市町村のハザードマップと現地の高さで確かめてください。公式も、最新で詳しい情報は市町村のハザードマップで確認するよう求めています。
重要事項説明で使うのは市町村の水害ハザードマップ|重ねるハザードマップとの違い


建売を買うときは、契約の前に宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。2020年8月28日から、水害ハザードマップでの物件の位置の説明が加わりました。
宅地建物取引業法施行規則16条の4の3第3号の2は、市町村の長が提供する水害の図面に物件の位置が表示されているときは、その所在地を説明すると定めています。
このため、2020年8月28日以降の重要事項説明では、市町村の水害ハザードマップ上の位置が示されるということです。
重ねるハザードマップは重要事項説明の地図には使えない
ここが大事な違いです。ハザードマップポータルサイトは、重ねるハザードマップの情報は水防法に基づき市町村が作成した水害ハザードマップではないとし、重要事項説明には市町村の地図を使うよう案内しています。
つまり、自分で重ねるハザードマップを見た結果と、重要事項説明で示される地図は別のものです。2つの地図で物件の位置と浸水深が食い違っていないかを、説明のときに確かめてください。
重要事項説明のときに聞きたい3つのこと
どの市町村のどの水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)を使ったか
物件の位置の浸水深はいくつか
重ねるハザードマップで見た深さと違うなら、その理由
関西の建売1,347件を重ねるハザードマップのデータで調べた結果|洪水の想定は44.5%


当社が掲載している関西の新築建売1,347件の住所に、重ねるハザードマップと同じ国のデータを当てました。洪水は想定最大規模の浸水深です。
| 洪水の浸水深 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| かからない | 747件 | 55.5% |
| 0.5m未満 | 124件 | 9.2% |
| 0.5〜3.0m未満 | 334件 | 24.8% |
| 3.0〜5.0m未満 | 104件 | 7.7% |
| 5.0〜10.0m未満 | 38件 | 2.8% |
洪水の想定がかかる建売は600件、44.5%でした。そのうち2階の床より上まで来る3m以上の想定は142件、10.5%です。
府県で見ると京都府と和歌山県で洪水の想定がかかる割合が高い
| 府県 | 洪水がかかる件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 京都府 | 70件/103件 | 68.0% |
| 和歌山県 | 16件/25件 | 64.0% |
| 滋賀県 | 77件/165件 | 46.7% |
| 兵庫県 | 186件/407件 | 45.7% |
| 大阪府 | 148件/370件 | 40.0% |
| 奈良県 | 103件/277件 | 37.2% |
高潮の想定がかかる建売は131件、9.7%で、すべて大阪府と兵庫県でした。兵庫県は100件で、県内の建売の24.6%にあたります。津波の想定がかかる建売は33件、2.4%でした。
この集計の読み方
住所の代表点で判定しているので、実際の敷地とずれることがある
想定最大規模の浸水で、いつか必ず起きるという意味ではない
色がかかるかより、浸水深と家の作りで判断する
当社の物件データは、飯田グループ6社の物件が大半を占めています。ほかの売主の物件では傾向が違うこともあるので、目安として見てください。
浸水深から考える建売の選び方と火災保険の水災


浸水の想定がかかる建売でも、深さと家の作りによって備え方は変わります。
| 浸水深の想定 | 建売で確かめたいこと |
|---|---|
| 0.5m未満 | 基礎の高さと、敷地が前の道路より高いか |
| 0.5〜3.0m未満 | 寝室が2階にあるか、給湯器や分電盤の位置、火災保険の水災 |
| 3.0m以上 | 2階の床より上まで来る想定。避難の方法と水災の補償は必ず確かめる |
火災保険の水災の料率は市区町村ごとに1等地から5等地に分かれた
損害保険料率算出機構は2023年6月に、水災の料率を市区町村ごとに1等地から5等地の5区分に分けたと公表しました。最も高い地域と低い地域の差は、約1.2倍です。
保険料の差は小さいので、浸水の想定がかかる建売なら、水災の補償を外さないほうが安心です。保険の選び方は新築一戸建ての火災保険の相場は?木造の10年一括が5年になった理由と耐震等級割引でまとめています。
敷地の高さは内見で道路と比べて確かめる
重ねるハザードマップの深さは地面の高さから測ったものです。敷地が道路より数十cm高いだけでも、床上に来る水の量は変わります。建売の敷地が前の道路より高いか、駐車場が道路に向かって下がっているかは、内見で目で見て分かります。駐車場の勾配の見方は駐車場の勾配は何%がいい?水勾配の目安と車の底を擦らない角度と歩道の切り下げの決まりを建売で解説で解説しています。
重ねるハザードマップのよくある質問


- 重ねるハザードマップは無料ですか。
-
無料です。国土地理院のハザードマップポータルサイトで、パソコンとスマートフォンから使えます。
- 浸水深はどこから測った深さですか。
-
その場所のおおよその地面の高さからの深さです。海面からの高さではありません。
- 近くに川が2つある場所ではどちらの想定が出ますか。
-
浸水が最も深くなる川の想定が表示されます。
- 浸水深の正確な数字は分かりますか。
-
地図は6または8段階の表示です。数字は浸水ナビか、川を管理する河川事務所で確かめます。
- 色がない場所は安全ですか。
-
危険が想定されていないか、データが未整備のどちらかです。周りより低い土地なら注意してください。
- 重要事項説明で重ねるハザードマップを使ってもらえますか。
-
使われません。重要事項説明は市町村が作成した水害ハザードマップで行うことになっています。
- 建売の内見の前に何を見ておけばよいですか。
-
洪水の浸水深、高潮と土砂の有無、市町村のハザードマップの3つです。内見で見る場所は建売の内覧チェックポイント|見る順番と持っていくものでも紹介しています。
重ねるハザードマップは入口|建売の水害リスクは深さと家の作りで決める


最後にまとめます。重ねるハザードマップは地域の傾向を見る地図で、家ごとの答えは市町村の地図と現地と書類にあるというのが結論です。
- 洪水は想定最大規模が最初に表示され、年超過確率おおむね1/1000の雨の想定
- 浸水深は0.5m・3m・5mが1階の床・2階の床下・2階の水没の目安
- 透過度は0%から始まるので、重ねたら上げて背景を見る
- 色がない場所もデータが未整備のことがあり、安全とは限らない
- 重要事項説明は市町村の水害ハザードマップで行われる
- 関西の建売の44.5%に洪水の想定がかかり、3m以上は10.5%
地図を見て気になった点は、そのまま質問にして売主や仲介に聞けば大丈夫です。
当社は新築の建売を仲介手数料0円でご案内しています。物件の良いところも気になるところも、買主の側に立ってそのままお伝えします。ご希望があれば、市町村のハザードマップと物件の位置を一緒に確かめることもご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
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