
建売の売買契約の日が決まりました。契約書に印紙を貼ると聞いたのですが、いくらの印紙を用意すればいいのでしょうか。
契約の日が近づくと、持ち物や費用の細かいことが気になりますよね。
先に結論を言います。
1,000万円を超え5,000万円以下の建売なら、売買契約書の印紙は1通1万円です。
関西の建売の多くはこの区分に入ります。
ただし、契約書の作り方によっては、
売主用と買主用の2通に印紙が要って倍になったり、5,000万円を少し超えると3万円になったりすることがあります。
避け方は、契約書の案をもらった段階で、金額の書き方と通数と負担の条項を確かめることです。
この記事では、国税庁の案内と印紙税法の条文をもとに、建売の売買契約書の印紙をまとめます。
この記事で分かること
売買契約書の印紙税の金額と、2027年3月31日までの軽減
土地と建物の合計額で決まる理由と、消費税の書き方で変わる例
2通作ると2通分かかる理由と、写しにする方法
印紙代を誰が払うかと、電子契約なら要らない理由
貼り忘れたときの過怠税と、貼りすぎたときの還付
売買契約書の印紙は契約金額で決まり建売の多くは1万円


売買契約書に貼る印紙は、印紙税という税金を納めるためのものです。
印紙税法の別表第一では、土地や建物の売買契約書は「不動産の譲渡に関する契約書」(第1号文書)にあたります。
税額は、契約書に書かれた契約金額の区分で決まります。
関西の建売の94.6%は1万円の区分に入る
当社の物件データで、関西の建売1,340件の販売価格を区分に当てはめました(2026年10月22日時点)。
| 販売価格の区分 | 件数 | 割合 | 軽減後の印紙 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 0件 | 0% | 5千円以下 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1,268件 | 94.6% | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 72件 | 5.4% | 3万円 |
価格の中央値は3,390万円で、ほとんどの建売は1万円の印紙で足りる計算です。
データの95%が飯田グループの物件なので、関西の建売全体の割合ではありません。
重要事項説明書には印紙は要らない
印紙が要るのは、契約の成立を証明する目的で作る文書です(国税庁 No.7100)。
重要事項説明書は、契約の前に物件の説明をするための書面なので、印紙税の課税文書には当たらないものです。
建売を買うときに印紙がかかる書類の例
不動産売買契約書(1,000万円超5,000万円以下なら軽減後1万円)
売買の金額を変える変更契約書
住宅ローンの金銭消費貸借契約書(借入1,000万円超5,000万円以下なら2万円)
手付金や代金の領収書(作るのは受け取る売主)



売買契約書に印紙を貼らないと、契約は無効になりますか。



無効にはなりません。印紙は税金を納める方法なので、貼らなくても契約は成り立ちます。ただし、あとで過怠税がかかります。
売買契約書の印紙税は2027年3月31日まで軽減されている


不動産の売買契約書には、租税特別措置法91条で印紙税を軽くする特例があります。
対象は、2014年4月1日から2027年3月31日までに作成され、契約金額が10万円を超える契約書です(国税庁 No.7108)。
| 契約金額 | 本則の税額 | 軽減後の税額 |
|---|---|---|
| 100万円を超え500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 | 5千円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
建売の価格帯では、どの区分でも軽減後の税額は本則のほぼ半分です。
不動産売買契約書の印紙は軽減がなければ2万円になる
3,000万円台の建売なら、本則の税額は2万円です。
軽減があるので、今は1通1万円で済み、1通あたり1万円安い状態です。
軽減の期限は契約書を作った日で判断する
特例は「作成される」契約書が対象なので、引渡しの日ではなく、契約書に署名押印した日で見ます。
2027年4月以降の契約が軽減されるかは、今後の税制改正しだいです。
値段を変えた変更契約書にも印紙がかかる
国税庁の質疑応答では、売買の金額を変える変更契約書や補充契約書も軽減の対象になると書かれています。
値引きで価格を変えて契約書を作り直すときは、変更の契約書にも印紙が要ると考えておきます。
建売の売買契約書は土地と建物の合計額で決まり消費税の書き方で変わる


建売は土地と建物を一緒に買うので、契約金額は土地の代金と建物の代金の合計です。
国税庁の例でも、建物4,000万円と定期借地権2,000万円の契約書は、合計6,000万円で3万円とされています。
消費税額が分けて書かれていれば税抜の金額で判定する
建売の価格のうち、消費税がかかるのは建物の代金だけです。
国税庁 No.7124 では、消費税額が区分して書かれていれば、その額は契約金額に含めないとしています。
一方で、「税込」や「消費税10%を含む」とだけ書いた場合は、税込の金額で判定します。
| 契約書の書き方(5,200万円の建売の例) | 判定する金額 | 印紙 |
|---|---|---|
| 土地2,670万円・建物2,300万円・消費税230万円と分けて書く | 4,970万円 | 1万円 |
| 代金5,200万円(税込)とだけ書く | 5,200万円 | 3万円 |
この例では、書き方だけで1通あたり2万円の差が出ます。
当社の物件データでも、5,000万円を超え5,600万円以下の建売が34件ありました。
この価格帯の物件は、契約書の案で消費税の書き方を見ておく価値があります。
契約書の案で見る金額の欄
土地の代金と建物の代金が分けて書かれているか
建物の消費税額が数字で書かれているか
合計が5,000万円の境目をまたいでいないか
値引きをしたときに、どの金額が契約金額になるか



売主が消費税の免税事業者なら、消費税額を分けて書いても契約金額に含めます(国税庁 No.7124)。どちらに当たるかは、契約書の案の金額の書き方で確かめてください。
売買契約書を2通作ると2通分の印紙がかかり写しにすると1通分で済む


売買契約書は、売主と買主が1通ずつ持つ形で2通作ることがあります。
国税庁の質疑応答では、2通とも契約の成立を証明する目的で作れば、2通とも課税されるとされています。
| 作り方(3,980万円の建売の例) | 印紙 |
|---|---|
| 正本を2通作り、両方に署名押印する | 1万円×2通=2万円 |
| 正本1通を作り、もう一方はコピーを持つ | 1万円(コピーは課税されない) |
写しでも相手の署名か押印があると課税される
「写し」「副本」と書いてあっても、相手の署名や押印、正本と同じという証明があれば課税文書です(国税庁 No.7120)。
コピーしただけのものや、自分だけの印を押したものは課税されません。
どちらの形にするかは売主の書式で決まるので、契約書の案で通数を確かめます。



買主の分をコピーにすると、困ることはありませんか。



原本は売主が持つことになります。原本が必要な手続きがあるかは、契約の前に売主と仲介会社に確かめておくと安心です。
売買契約書の印紙代を誰が払うかは契約の条項で決める


印紙税法3条2項は、共同で作った契約書は、作った人が連帯して印紙税を納めると定めています。
売買契約書は売主と買主が一緒に作るので、法律の上では売主と買主のどちらが負担しても納める義務は両方にあるということです。
実際の負担の分け方は、売買契約書の条項で決めるものです。
決め方の例として、2通作る場合にそれぞれが自分の持つ1通分を負担する形があります。
手付金の領収書の印紙は売主が負担する
手付金を払うと、売主から領収書を受け取ります。
この領収書の印紙は、受け取った側である売主が作る文書にかかるもので、買主は払いません。
国税庁 No.7105 では、300万円を超え500万円以下の売上代金の領収書は1,000円です。
手付金の決め方は、建売の手付金はローンに組み込める?払えないときの対処と相場を宅建業法で解説にまとめています。
印紙代を含めた契約の日の費用を出しておく
3,980万円の建売を、3,500万円の住宅ローンで買う例で、引き渡しまでにかかる印紙代を足しました。
| 書類 | 印紙 |
|---|---|
| 売買契約書(買主の1通分) | 1万円 |
| 金消契約書(借入3,500万円) | 2万円 |
| 合計 | 3万円 |
住宅ローンの金消契約の印紙は軽減されないので、売買契約書の2倍の2万円です。
詳しくは住宅ローンの金消契約とは?日程と持ち物と印紙税2万円と電子契約と金利が決まる日を建売の決済から逆算して解説で解説しています。
ほかの諸費用は建売の諸費用はいくら?内訳と現金で用意するお金にまとめています。
売買契約を電子契約にすれば印紙は要らない


国税庁の質疑応答は、電磁的記録は印紙税の文書に含まれず、課税されないと答えています。
売買契約書を紙ではなく電子で結べば、印紙税は0円です。
宅建業法35条8項と37条4項は、買主の承諾があれば、重要事項説明書と契約の書面を電磁的方法で渡せると定めています。
電子契約に対応しているかは売主に聞く
電子契約にするかは、売主と仲介会社の対応で決まります。
2通の正本を作る書式なら、電子にすると2万円の印紙がまるごと要らなくなる計算です。
電子契約を選ぶ前に確かめること
売主と仲介会社が電子契約に対応しているか
買主の承諾の方法と、使うサービス
紙の控えが要る手続きがないか
住宅ローンの金消契約も電子にできるか
売買契約書の印紙の貼り忘れは過怠税で3倍になり貼りすぎは還付される


印紙は、契約書を作る時までに貼り、契約書と印紙にかけて消す決まりです(印紙税法8条)。
貼らなかった場合は、印紙税法20条で本来の税額の3倍の過怠税がかかります。
| 1万円の印紙の場合 | 過怠税 |
|---|---|
| 貼らなかった | 3万円(3倍) |
| 調査の前に自分で申し出た | 1.1万円(1.1倍) |
| 貼ったが消印しなかった | 1万円(消していない印紙の額面) |
偽りなど不正な方法で免れた場合は、印紙税法21条で罰則もあります。
消印は契約した人のどちらか1人の印か署名でよい
国税庁の質疑応答では、共同で作った契約書の印紙は、作った人のうち1人が消せばよいとされています。
単に「印」と書いたり、斜線を引いたりするのは消印になりません。
貼りすぎた印紙は税務署に申請すれば戻る
所定の額より多く貼った印紙は、税務署に申請すると還付されます(国税庁 No.7130)。
作成から5年を過ぎると戻らないので、気づいたら早めに申請します。
売買契約書の印紙に関するよくある質問


- 印紙はどこで買えますか。
-
郵便局などで買えます。汚れていない収入印紙は、郵便局で1枚5円の手数料で別の額面と交換できます(国税庁 No.7130)。
- 値引きで価格を変えたら、印紙を貼り直しますか。
-
金額を変える変更契約書を作る場合は、その変更契約書にも印紙が要ります。国税庁の質疑応答では、変更契約書や補充契約書も軽減の対象とされています。
- 契約をキャンセルしたら印紙代は戻りますか。
-
契約書を作った時点で印紙税は納めたことになるので、キャンセルしても戻りません。手付解除とローン特約は建売の契約はキャンセルできる?手付解除とローン特約の違いで解説しています。
- 消費税を分けて書けば、いつも印紙が安くなりますか。
-
区分の境目をまたぐときだけ変わります。3,980万円の建売のように、税込でも税抜でも1,000万円超5,000万円以下なら、印紙は1万円で同じです。
- 仲介会社が印紙を用意してくれますか。
-
当日に用意する形もあれば、買主が持参する形もあります。契約の前に、印紙の額と誰が用意するかを確かめてください。
売買契約書の印紙は契約書の案で金額と通数と負担を確かめる


最後にまとめます。建売の売買契約書の印紙は、1,000万円超5,000万円以下なら1通1万円です。
- 2027年3月31日までに作る売買契約書は、印紙税が本則のほぼ半分に軽減される
- 建売は土地と建物の合計額で決まり、消費税額を分けて書けば税抜で判定する
- 2通とも署名押印すれば2通分、片方をコピーにすれば1通分
- 負担の分け方は契約の条項で決まり、手付金の領収書の印紙は売主が負担する
- 電子契約なら印紙は要らず、貼り忘れると過怠税は3倍
契約書の案は、契約の日より前にもらえるよう、仲介会社に頼んでおくと確かめやすくなります。
契約の当日の流れは建売住宅の引渡しまでの流れ|契約から鍵を受け取るまでの期間、登記の費用は新築建売の登記費用はいくら?保存登記と表題登記と抵当権の登録免許税を試算、契約のあとの売主の責任は契約不適合責任の免責と期間は?建売で特約が無効になる理由と知ってから1年の通知と新築10年の違いを解説でまとめています。
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- 国税庁|No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
- 国税庁|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
- 国税庁|No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額
- 国税庁|No.7120 契約書の写し、副本、謄本等
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- 国税庁|質疑応答事例 印紙の消印の方法
- 国税庁|No.7131 印紙税を納めなかったとき
- 国税庁|No.7130 誤って納付した印紙税の還付
- e-Gov法令検索|印紙税法(3条・8条・20条・21条・別表第一)
- e-Gov法令検索|租税特別措置法(91条)
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|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
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