
気になる建売があるのですが、まだ建築中です。「建築計画概要書を見れば計画が分かる」と聞きました。どこで見られて、何が書いてあるのでしょうか。
名前が長くて、何の書類なのかつかみにくいですよね。
先に結論を言います。建築計画概要書は、建築確認を受けた建物の計画の概要を、役所で誰でも閲覧できる書類です。
配置図と、道路の幅・敷地面積・延べ面積・高さが載っています。
ただ、概要書だけを見て安心すると、
完了検査を受けていない建物だと気づかないまま契約してしまうことがあります。
概要書には、検査済証の番号が載らないからです。
避け方は、概要書と一緒に「処分等概要書」を閲覧し、完了検査の欄まで見ることです。
この記事では、国の様式と関西の市の公式の案内をもとに、見方と取り方と手数料をまとめます。
この記事で分かること
建築計画概要書に書かれていることと、書かれていないこと
検査の履歴が分かる処分等概要書との違い
大阪市・堺市・神戸市・京都市・大阪府の窓口と手数料
窓口に持っていく情報と、オンラインで取る方法
建売の買主が概要書を使う3つの場面
建築計画概要書とは建築確認の計画を誰でも閲覧できる書類


建築計画概要書は、建築確認の申請のときに、申請書と一緒に出される書類です。確認を受けると、役所(特定行政庁)が保管して閲覧に出します。
根拠は建築基準法93条の2です。確認などの処分に関する書類のうち、国の省令で決めたものは閲覧の請求があれば閲覧させなければならないと定めています。
閲覧の対象は、建築基準法施行規則11条の3で8種類に決まっています。建売の買主に関係するのは、次の2つです。
| 書類 | 中身 | 保管の期間 |
|---|---|---|
| 建築計画概要書 | 建築主・敷地・建物の概要と配置図 | 建物がなくなるまで |
| 処分等概要書 | 建築確認と中間検査と完了検査の番号と日付 | 建物がなくなるまで |
施行規則11条の3第2項は、建築物が滅失し、又は除却されるまで閲覧に供すると定めています。建物が建っている限り、役所が保存を始めたあとに確認を受けた分は残っているということです。
建築計画概要書は国の様式で3つの面に分かれている
様式は施行規則の別記第三号様式で決まっています。全国どこの役所でも、概要書に書いてある項目は同じです。
| 面 | 書いてあること |
|---|---|
| 第一面 | 建築主・設計者・工事監理者・工事施工者の氏名と住所 |
| 第二面 | 地名地番・道路・敷地面積・用途地域・建築面積・延べ面積・高さ・階数・構造・工事の予定日 |
| 第三面 | 付近見取図と配置図 |
建築計画概要書には平面図や立面図は載っていない
誤解しやすいのがここです。間取りが分かる平面図や、外観の立面図は概要書に載っていません。
堺市も公式の案内で、平面図・立面図・断面図などの詳しい内容は記載されていない、と書いています。間取りは、売主から確認申請の図面を見せてもらって確かめます。
建築計画概要書に載っていないもの
間取りが分かる平面図
外観の立面図と断面図
検査済証の番号と日付(処分等概要書に載る)



誰でも見られるなら、他人の家の情報も見られてしまうのですか。



見られるのは計画の概要と配置図だけです。制度の目的は違反建築の防止と、知らずに違反建築を買う人を守ることで、神戸市や堺市は営利目的の閲覧を断っています。
建築計画概要書の見方|第二面の数字と第三面の配置図


買主がいちばん使うのは第二面と第三面です。販売図面や重要事項説明書の数字と照らし合わせると、計画の中身を確かめられます。
| 第二面の欄 | 照らし合わせる書類 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 6 道路の幅員と接している長さ | 重要事項説明書 | 幅員4m以上・接道2m以上か |
| 7 敷地面積 | 登記事項証明書・地積測量図 | 登記の地積と大きくずれていないか |
| 10 建築面積と建蔽率 | 販売図面 | 上限の中に収まっているか |
| 11 延べ面積と容積率 | 販売図面 | 図面の延床と合っているか |
| 13 高さ・階数・構造 | 販売図面 | 木造2階建てなどが一致するか |
| 16 工事完了予定年月日 | 売買契約書 | 引渡し予定日と食い違わないか |
敷地面積は、登記の面積と概要書の面積が違うことがあるので注意します。登記の面積の読み方は地積測量図とは?見方と取り方と公図との違いと作られた年で変わる信頼度を建売の買主向けに解説で解説しています。
第二面で数字が合わないときに確かめること
計画変更の確認を受けていないか(処分等概要書の1欄)
販売図面の面積が壁芯か内法か
敷地の一部が道路の後退部分になっていないか
第三面の配置図で道路の幅と建物の位置が分かる
配置図の書き方も様式の注意書きで決まっています。縮尺・方位・敷地境界線・建物の位置・接する道路の位置と幅員を明示する決まりです。
つまり配置図を見ると、道路から建物までの距離と、隣地との離れがおおよそ分かります。駐車場の奥行きや、隣の家との間隔を想像するのに役立ちます。
道路の幅員が4m未満なら、セットバックの有無も見ておきます。下がる面積の計算はセットバックとは?42条2項道路と位置指定道路の違いとセットバック幅の計算を解説にまとめています。
延べ面積の欄は車庫や宅配ボックスの不算入も分かる
第二面の延べ面積の欄は、車庫・備蓄倉庫・宅配ボックスなど、容積率に入れない部分を分けて書く作りです。
販売図面の延床面積と容積率の計算が合わないときは、延べ面積の欄で不算入の部分を確かめると理由が分かります。容積率の計算は容積率の計算方法は?前面道路で上限が下がる式と大阪市の0.6と車庫やロフトが延床に入らない条件を建売で解説で詳しく書いています。
処分等概要書を一緒に取ると完了検査を受けたかが分かる


建築計画概要書は、確認を受けた計画の書類です。その建物が工事のあとに検査を受けたかどうかは、別の書類に載ります。
それが処分等概要書です。様式は施行規則の別記第三十七号様式で、次の欄があります。
| 欄 | 書いてあること |
|---|---|
| 1 建築確認 | 確認済証の交付者・番号・交付年月日、計画変更の確認 |
| 2 中間検査 | 特定工程・検査日・中間検査合格証の番号と交付年月日 |
| 3 完了検査 | 検査日・検査済証の交付者・番号・交付年月日 |
| 4 その他の処分 | 是正の命令など |
神戸市は公式の案内で、建築計画概要書には検査済証の番号・日付は記載されないとはっきり書いています。
大阪府は、概要書等を「完了検査等の履歴が記載された書面」と説明しています。窓口では、建築計画概要書と処分等概要書の両方を閲覧したいと伝えると確実です。
台帳記載事項証明書は確認と検査の履歴を証明する書面
もう1つ似た書類に、台帳記載事項証明書があります。役所の台帳に記録された確認済証の番号や検査の履歴を、役所が証明する書面です。
| 書類 | 分かること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 建築計画概要書 | 計画の概要と配置図 | 計画の中身を確かめたい |
| 処分等概要書 | 確認・中間検査・完了検査の番号と日付 | 検査を受けたか見たい |
| 台帳記載事項証明書 | 台帳に記録された確認と検査の履歴の証明 | 検査済証をなくした・ローンや売却で証明が要る |
台帳記載事項証明書で証明される項目と、確認済証をなくしたときの使い方は建築確認済証とは?見方と副本と図面の受け取り方と紛失したときの代わりの書類を建売の買主向けに解説で解説しています。
処分等概要書で必ず見る3つの欄
1 建築確認:確認済証の番号が販売図面と同じか
2 中間検査:特定工程の検査を受けているか
3 完了検査:検査済証の番号と交付年月日が入っているか



処分等概要書の完了検査の欄が空いている建物は、検査済証が出ていない可能性があります。住宅ローンや将来の売却に響くので、契約の前に理由を聞いてください。
建築計画概要書の閲覧と写しの取り方|関西の窓口と手数料


閲覧の窓口は、建物がある市町村で決まります。建築主事を置く市は市の窓口、それ以外は府県の窓口です。
| 窓口 | 写しの手数料 | 閲覧 | 概要書がある期間 |
|---|---|---|---|
| 大阪市(市役所3階 建築企画課) | 250円/件 | 無料 | 1973年4月1日以降の受付分 |
| 堺市(高層館13階 建築安全課) | 200円/通 | 無料 | 1971年1月以降の受付分 |
| 神戸市(建築調整課・三宮国際ビル5階) | 300円/通 | 無料 | 1971年以降の確認分 |
| 京都市(都市計画局建築指導部) | 300円/件(複写) | 閲覧システム | — |
| 大阪府(咲洲庁舎27階・府が所管する26市町村) | 400円/通 | 無料 | 1971年1月以降の受付分 |
閲覧だけなら無料で、写しを取るときだけ200〜400円かかります。大阪府内でも、豊中市や東大阪市など17の市町村は府ではなく市の窓口です。
京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県の市町村も、同じく建物の所在地で窓口が分かれます。府県の建築指導の担当課に、どこで閲覧できるかを聞くのが早道です。
建築計画概要書は確認番号か建築当時の地番で探す


窓口でいちばん困るのが、建物の特定です。大阪市は確認済証番号が特定できない場合は申請できないと案内しています。
| 持っていくもの | 使い道 |
|---|---|
| 確認済証の番号と交付年月日 | これがあれば一度で特定できる |
| 建築当時の地名地番 | 住所(住居表示)ではなく地番で探す市が多い |
| 建物と土地の登記事項証明書 | 建てられた時期と地番が分かる |
| 場所が分かる地図 | 窓口の検索システムで場所を確かめる |
堺市は住所では検索できず、地番で探すと明記しています。神戸市は、建築主名は建築確認を申請した人で、今の持ち主とは違うことがあると注意しています。
どの市も、職員が代わりに建物を特定することはしていません。神戸市と堺市は、概要書の有無を電話では答えないとしています。
確認番号が分かればオンラインで写しを取れる
確認番号が分かっていれば、窓口に行かずに取れる市が増えています。
| 窓口 | オンラインの方法 | 条件 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 大阪市行政オンラインシステムで申請し郵送で受け取る | 確認番号が分かる物件・250円+送料140円〜 |
| 堺市 | 堺市電子申請システム | 確認番号・確認年月日・地番がすべて分かる場合 |
| 神戸市 | e-KOBE(スマート申請システム) | 確認済証の番号が分かる場合 |
| 大阪府 | インターネット申請(電子データで交付) | 府が所管する市町村の物件 |
建売なら、売主から確認済証の番号を聞けば、オンラインで写しを取れることが多いです。大阪市はマップナビおおさかで、令和4・5年度に交付された確認の番号を地図から調べることもできます。
建売の買主が建築計画概要書を使う3つの場面


新築の建売は、売主が確認済証も図面も持っています。それでも概要書が役に立つ場面が3つあります。
建築中の建売は概要書で計画を先に確かめられる
当社の物件データで、関西の新築建売1,347件の現況を数えました。
| 現況 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 完成済・空家 | 910件 | 67.6% |
| 建築中 | 435件 | 32.3% |
| 未着工 | 2件 | 0.1% |
関西の建売の32.4%は建築中か未着工でした。完成前の物件は、建物を見て確かめることができません。
それでも確認を受けていれば、概要書で配置と面積と高さは完成前でも確かめられるのです。販売図面の数字と食い違いがないかを、契約の前に見ておけます。
当社の物件データは、飯田グループ6社の物件が9割以上を占めています。ほかの売主では傾向が違うこともあるので、目安として見てください。
完成前に買うときの注意点は建売は完成前に買うべき?建つ前に購入する値引きと未完成物件の確かめ方を解説で解説しています。
築浅の中古や築後未入居は検査の有無を処分等概要書で見る
新築から時間がたった建売や、築浅の中古を買うときは、書類がそろっていないことがあります。前の持ち主が検査済証をなくしている場合です。
このときは処分等概要書の完了検査の欄で、検査済証の番号と日付を確かめます。検査済証がない家のリスクは検査済証とは?ない家のリスクと義務化はいつからか建売で確かめる方法を解説に、1年たった建売の扱いは新築の建売が1年経過で築後未入居になる理由|新築プレミアムと売れ残りにまとめています。
隣の空き地に何が建つかは工事現場の表示と概要書で調べる
建売の隣が空き地のときは、何が建つかが気になります。工事が始まると、現場に建築確認の番号と日付を書いた表示板が出ます。
その番号で概要書を閲覧すれば、隣の建物の高さ・階数・配置が着工の段階で分かるということです。日当たりへの影響を考えるときの日影規制は日影規制とは?用途地域ごとの規制時間と測定面と建売の2階建てが対象外になる理由を関西の条例で解説で解説しています。



隣の空き地に3階建てが建つかもしれません。契約の前に分かりますか。



まだ確認を受けていなければ概要書はありません。その場合は用途地域と高さの制限から、建てられる建物の上限を一緒に確かめるのが現実的です。
建築計画概要書がない建物と古い家の注意点


概要書は、制度ができたあとに確認を受けた建物にしかありません。
| ケース | 概要書の有無 |
|---|---|
| 1970年12月以前に確認を受けた建物 | ない(制度の前) |
| 大阪市で1973年3月以前に受付された建物 | 保存されていない |
| 国・府県・市やURなどが建てた建物 | 大阪府は2007年6月20日以降・大阪市は2005年4月以降 |
| 建築確認を受けずに建てた建物 | ない |
新築の建売なら、まず心配はいりません。気をつけたいのは、建売を買って古い家を建て替える予定の土地や、中古住宅を比べるときです。
概要書がない古い建物は、台帳記載事項証明書で確認と検査の履歴を確かめるのが次の手です。神戸市は、確認と完了検査の履歴を1957年以降の分まで閲覧できるとしています。
地番が変わっていることもあります。分筆や住居表示の変更があった土地は、登記の閉鎖事項証明書で建築当時の地番を調べてから窓口に行きます。
建築計画概要書に関するよくある質問


- 建築計画概要書は誰でも閲覧できますか。
-
できます。建築基準法93条の2で、閲覧の請求があれば閲覧させなければならないと定められています。大阪府は委任状も不要としています。ただし営利目的や物件を特定しない閲覧は断られます。
- 建築計画概要書の手数料はいくらですか。
-
閲覧は無料で、写しだけに手数料がかかります。大阪市250円、堺市200円、神戸市300円、京都市300円(複写)、大阪府が所管する市町村は400円です。
- 建築計画概要書で間取りは分かりますか。
-
分かりません。載っているのは付近見取図と配置図で、平面図や立面図は含まれません。
- 建築計画概要書で検査済証の有無は分かりますか。
-
概要書には検査済証の番号は載りません。処分等概要書の完了検査の欄か、台帳記載事項証明書で確かめます。
- 確認番号が分からないときはどうしますか。
-
建築当時の地番と建築の時期を、登記事項証明書で調べて窓口に行きます。大阪市や神戸市は窓口の検索システムで物件を特定できます。
- 電話で概要書があるか教えてもらえますか。
-
神戸市や堺市は、電話では答えないとしています。堺市は、確認番号・確認年月日・地番がすべて分かる場合だけ問い合わせに応じています。
- 建築中の建売でも概要書は見られますか。
-
建築確認を受けていれば閲覧できます。大阪市のセルフプリントは検査済証が出ていない直近の分を除くので、窓口で相談してください。
建築計画概要書は処分等概要書とセットで見る|押さえる5つのこと


最後にまとめます。建築計画概要書で計画を、処分等概要書で検査の履歴を確かめるのが基本です。
- 建築確認を受けた建物の計画の概要と配置図を、誰でも閲覧できる
- 平面図や立面図、検査済証の番号は載っていない
- 処分等概要書を一緒に閲覧すると、完了検査を受けたかが分かる
- 関西の写しの手数料は200〜400円で、閲覧だけなら無料
- 確認番号が分かればオンラインで取れる市もある
建築計画概要書を取る前に用意するもの
確認済証の番号と交付年月日(売主に聞く)
建物と土地の登記事項証明書
写しの手数料200〜400円(閲覧だけなら無料)
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|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
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