
気になる建売の前の道が、少し狭く感じます。不動産屋さんに「道路台帳で確認しますね」と言われたのですが、道路台帳とは何ですか。
前の道の広さは、毎日の車の出し入れにも、家の資産価値にも関わります。気になって当然です。
先に結論を言います。道路台帳は、道路法28条にもとづいて市や府が作る、公道の名前と幅と区域の台帳です。誰でも閲覧でき、関西の大きな市ならインターネットでも見られます。
ただし、道路台帳だけを見て安心すると、
前の道が建築基準法では幅4m未満の道として扱われ、敷地の一部を道路に差し出すセットバックが必要だったということが起こります。
道路台帳は道路法の台帳で、家を建てられる道かどうかは建築基準法の別の台帳で決まるからです。
避け方は、道路台帳と指定道路図と販売図面の3つの幅を、契約前にそろえて比べることです。
この記事では、法令の条文と大阪市・京都市・神戸市・堺市の公式の案内、当社の物件データを使って、道路台帳の見方と取り方をまとめます。
この記事で分かること
道路台帳とは何か(道路法28条と記載事項)
道路台帳に載る道と載らない道
道路台帳と建築基準法の道路(指定道路図)の違い
道路台帳の図面の見方と、認定幅員と現況の幅の違い
大阪市・京都市・神戸市・堺市の道路台帳の取り方と手数料
前の道が4m未満の建売で契約前に確かめること
道路台帳とは道路法28条で道路管理者が作る道路の台帳


道路台帳は、道路法28条で作ることが決められている台帳です。作るのは道路管理者で、市道なら市、府道なら府、国道なら国や府です。
道路法28条(道路台帳)
道路管理者は、その管理する道路の台帳を調製し、これを保管しなければならない。
道路管理者は、道路台帳の閲覧を求められた場合においては、これを拒むことができない。
つまり、道路台帳は誰でも見ることができ、道路管理者は閲覧を断れないということです。
道路台帳は調書と図面の2つでできている
中身は、道路法施行規則4条の2が決めています。道路台帳は調書と図面の2つで、路線ごとに作るものです。
| 種類 | 主な記載事項 |
|---|---|
| 調書 | 道路の種類・路線名・認定の年月日・起点と終点・延長・道路の敷地の面積・最小車道幅員 |
| 図面 | 道路の区域の境界線・車道の幅員・路面の種類・道路の敷地が国有か公有か民有かの別と民有地の地番・作った年月日 |
図面は縮尺1,000分の1以上の平面図で作ります。車道の幅が0.5m以上変わるところごとに、その幅を書くことになっています。
道路台帳は変更があるたびに直される
同じ規則は、記載事項が変わったら速やかに訂正するよう求めています。堺市は、昭和49年に作り始め、新しい認定や道路工事のたびに台帳を直していると説明しています。
ただし、直るまでには時間がかかります。台帳の図面と現地が食い違うことはあると考えておくのが安全です。
道路台帳に載るのは国道と府県道と市町村道の認定道路だけ


道路法の道路は、高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道の4種類です(道路法3条)。市町村道は、市町村長が議会の議決を経て路線を認定した道です(8条)。
道路台帳に載るのは、この4種類のうち認定を受けた道路だけです。認定された道路は「認定道路」と呼ばれ、いわゆる公道にあたります。
私道や位置指定道路の幅は道路台帳では分からない
個人や会社が持っている私道は、道路法の道路ではありません。京都市は、私有道路など認定路線以外の道路の幅員は確認できないと案内しています。
分譲地の中の道は、建売の売主がつくった位置指定道路のことがよくあります。この場合は道路台帳ではなく、建築基準法の指定道路図で調べます。私道の見分け方は私道とは?公道との見分け方と私道負担・持分・トラブル・固定資産税を解説で解説しています。
認定道路かどうかは認定路線網図で先に見る
いきなり道路台帳の図面を探すより、先に認定路線網図を見るのが早道です。大阪市の認定路線網図には、路線の起点と終点と名称と一般幅員の4つが書かれています。
神戸市も、名称と概ねの幅員は認定路線網図、幅と区域は道路台帳平面図で確かめるよう案内しています。網図で「公道かどうか」を見て、台帳の図面で「幅と区域」を見る、という順番です。



分譲地の中の道が公道か私道か、見た目では分からないのですが。



舗装や側溝があっても私道のことがあります。認定路線網図に線が引かれていなければ、道路台帳には載っていません。その道は建築基準法の窓口で調べる、と覚えておくと迷いません。
道路台帳と建築基準法の道路は別物


ここが一番大事なところです。道路台帳は道路法の台帳で、家を建てられるかを決める建築基準法の道路とは法律が違います。
| 道路台帳 | 指定道路図 | |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 道路法28条 | 建築基準法施行規則10条の2 |
| 作る人 | 道路管理者(市・府・国) | 特定行政庁(建築の窓口) |
| 載る道 | 認定道路(公道) | 位置指定道路など建築基準法の指定道路 |
| 図面の縮尺 | 1,000分の1以上 | 2,500分の1以上 |
| 分かること | 公道か・路線名・幅・区域 | 家を建てられる道か・道路の種類 |
建築基準法の道路は幅4m以上が原則
建築基準法43条は、家の敷地は建築基準法の道路に2m以上接していなければならないと決めています。
その道路の定義が42条です。原則は幅4m以上で、道路法の道路(1号)や位置指定道路(5号)などが当たります。
道路台帳の市道でも幅4m未満なら42条2項道路として扱われることが多い
問題は幅4m未満の公道です。大阪市の道路種別の案内でも、市道などで認定幅員4m未満の道路は「幅員4m未満のもの」の区分に入っています。幅4m未満の道は、特定行政庁の指定を受けた42条2項道路として扱われるのが一般的です。
2項道路では、道の中心線から2mの線が道路の境界線とみなされるので、建て替えのときに敷地が下がります。セットバックの幅の計算はセットバックとは?42条2項道路と位置指定道路の違いとセットバック幅の計算を解説で解説しています。



道路台帳に市道として載っていても、幅4m未満なら敷地の一部が道路として扱われることがあります。「公道に面しているから安心」とは言い切れません。
建築基準法の道路は指定道路図で確かめる
建築基準法の道路は、特定行政庁が作る指定道路図と指定道路調書で調べます。指定道路図も閲覧できる書類として、施行規則11条の3に挙げられています。
京都市は、道路種別・指定道路図・位置指定道路・2項道路の問い合わせは建築指導課と案内しています。道路台帳の窓口とは課が違うので、2つの窓口を回るつもりで行きます。
道路台帳の見方は幅員と区域線と民有地の別の3つ


道路台帳の図面には多くのことが書かれています。建売の買主が見るのは、幅員・区域線・民有地の別の3つで足ります。
道路台帳の図面で見る3か所
幅員:車道の幅が0.5m以上変わるところごとに書かれる
区域線:道路法上の道路の範囲で、土地の境界ではない
民有地の別:道路の敷地に個人の土地が残っていないか
認定幅員と現況の幅は同じとは限らない
幅員には、路線を認定したときの「認定幅員」と、いま現地にある「現況の幅」があります。大阪市は、マップナビおおさかの道路台帳現況平面図は認定幅員を示したものではないと注意しています。
京都市の道路台帳平面図も、航空写真を図にしたものです。京都市は「幅員に関しては現地実測と多少の誤差があり、道路中心線や建築後退線を決定する資料にはなりません」と書いています。
大阪市は、道路法上の道路の幅と現況の幅が一致しない場合は道路判定が必要になることがあると案内しています。数字が食い違ったら、自分で判断せず窓口に持ち込みます。
区域線は土地の境界ではない
図面の区域線は、道路法上の道路の範囲を示す線です。国土交通省の事務所は、道路の区域線は土地の境界や権利関係を表すものではないと注意書きをしています。
土地の境界は、地積測量図や境界杭で確かめます。見方は地積測量図とは?見方と取り方と公図との違いと作られた年で変わる信頼度を建売の買主向けに解説と境界杭とは?見方と種類とない場合の境界確定費用とブロック塀の境界を建売の買主向けに解説で解説しています。
縮尺1,000分の1なら図上の1mmが現地の1m
図面に幅の数字が書かれていない場所もあります。神戸市は、縮尺1,000分の1で印刷すれば図上の1mmが現地で1mになるので、図上で測るよう案内しています。
民有地の別の欄には、道路の敷地が国有か公有か民有かと、民有地の地番が書かれます。公道の下に個人の土地が残っていることもあるので、地番が書かれていたら登記も見ておきます。
関西の市の道路台帳の取り方と手数料


関西の大きな市は、道路台帳の図面をインターネットで公開しています。まずネットで見て、必要なら窓口で写しを取る、という順番が早いです。
| 市 | ネットで見る | 窓口・写し |
|---|---|---|
| 大阪市 | マップナビおおさか(指定道路図・道路台帳道路現況平面図) | 建設局総務部管財課・認定幅員は測量明示課 |
| 京都市 | 京都市道路情報等提供システム | 道路明示課・写し1枚350円・閲覧無料・郵送可 |
| 神戸市 | 神戸市情報マップ(道路台帳平面図・認定路線網図) | 指定道路図の写しは公文書公開請求(手数料等が必要) |
| 堺市 | 堺市e-地図帳(認定路線・道路種別) | 路政課で現況平面図を閲覧し本人がコインコピー |
どの市も電話では道路台帳の幅を答えていない
大阪市・京都市・堺市は、電話やFAXでは道路の幅や道路種別に答えていないと明記しています。堺市は「重要事項説明書等の重要書類に記載する内容となり、錯誤が生じた場合の影響が大きいため」と理由を書いています。
京都市は道路台帳の写しが1枚350円で郵送でも取れる
京都市は令和4年4月1日から、道路台帳平面図の写しの交付を始めました。どなたでも申請でき、原則は即日交付で1枚350円です。
国が直接管理する国道(1号・9号・24号・171号・478号)の幅は京都市では分からず、京都国道事務所に問い合わせます。国道に面した建売なら、窓口が違う点に気をつけます。
ネットの図面の注意点
各市とも、利用条件に同意してから見る仕組みになっている
大阪市は、マップナビの地図は各種申請や証明の資料には使えないとしている
新しくできた位置指定道路は、図面への反映が遅れることがある
関西の建売の前の道は1割が幅4m未満


当社の物件データで、関西の新築建売の前の道の幅を数えました。販売図面の接道欄から幅を読めた670件の集計です。
| 前の道の幅(いちばん広い接道) | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4m未満 | 69件 | 10.3% |
| 4m以上5m未満 | 215件 | 32.1% |
| 5m以上6m未満 | 100件 | 14.9% |
| 6m以上 | 286件 | 42.7% |
前の道が4m未満の建売は670件中69件で約1割でした。幅の中央値は5.5mです。
府県で見ると、大阪府は192件のうち4m以上5m未満が104件(54.2%)で、ほかの府県より狭い道が多くなっています。古い市街地の中の小さな区画に建つ建売が多いためと考えられます。
接道面の数で見ると、公道が704面、私道が105面でした。特記事項にセットバックの記載がある建売は68件ありました。



この接道欄は販売図面の記載で、認定幅員か現況か実測かは書かれていません。当社のデータは飯田グループの物件が中心なので、関西の建売全体の割合とは違う可能性があります。
前の道が4m未満の建売で契約前に確かめる4つのこと


前の道が4m前後なら、契約の前に次の4つを確かめます。どれも書類と現地で答えが出ます。
重要事項説明書の道路種別の欄を見る
重要事項説明書には、前の道が建築基準法42条の何号の道路かが書かれます。「42条2項道路」と書かれていればセットバックの対象です。
「1項1号」なら幅4m以上の公道、「1項5号」なら位置指定道路です。空欄やあいまいな書き方なら、根拠の書類を見せてもらいます。
セットバック後の敷地面積で価格を見る
2項道路なら、販売図面の敷地面積がセットバックの前か後かを確かめます。セットバック部分は敷地面積に入らないので、建ぺい率や容積率もその面積で計算されます。
旗竿地の通路の扱いとは逆なので注意します。違いは旗竿地とは?デメリットと恥ずかしいと言われる理由と後悔しない条件を解説でも触れています。
道路台帳と指定道路図の写しを取り寄せる
最後は、道路台帳の写しと指定道路図を取り寄せて、販売図面の幅と現地の幅と並べます。3つの幅がそろっていれば、道路のことで後から困ることはまずありません。
現地では、側溝が道路の内か外か、ブロック塀の位置が後退しているかを見ます。内見で見る場所は建売の内覧チェックポイント|見る順番と持っていくものにまとめています。
- 重要事項説明書の道路種別(42条の何号か)
- 現地でセットバックの線と側溝・塀の位置
- 販売図面の敷地面積がセットバックの後か
- 道路台帳と指定道路図の写しの幅
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道路台帳に関するよくある質問


- 道路台帳は誰でも見られますか。
-
見られます。道路法28条3項で、道路管理者は閲覧を求められたら拒めないと決められています。関西の大きな市はインターネットでも図面を公開しています。
- 道路台帳の閲覧や写しに費用はかかりますか。
-
閲覧は無料のところが多いです。写しは市によって違い、京都市の道路台帳平面図は1枚350円です。
- 道路台帳で私道の幅は分かりますか。
-
分かりません。道路台帳に載るのは認定道路(公道)だけです。私道や位置指定道路は、建築基準法の指定道路図で調べます。
- 道路台帳に載っていれば家を建てられますか。
-
幅4m以上の認定道路なら建築基準法42条1項1号の道路になります。幅4m未満なら42条2項道路などとして扱われ、セットバックが必要になることがあります。
- 道路台帳の区域線は土地の境界ですか。
-
境界ではありません。区域線は道路法上の道路の範囲を示す線で、土地の境界や権利関係を表すものではありません。
- 電話で道路の幅を教えてもらえますか。
-
大阪市・京都市・堺市は、電話やFAXでは道路の幅や道路種別に答えていません。窓口かインターネットで確かめます。
道路台帳は指定道路図と現地とそろえて見る|押さえる6つのこと


最後にまとめます。道路台帳は道路法28条の公道の台帳で、家を建てられる道かは指定道路図で確かめるというのが結論です。
- 道路台帳は道路法28条で道路管理者が作り、誰でも閲覧できる
- 載るのは国道・府県道・市町村道の認定道路だけで、私道は載らない
- 家を建てられるかは建築基準法の指定道路図で決まる
- 認定幅員と現況の幅は同じとは限らない
- 区域線は土地の境界を証明するものではない
- 関西の大きな市はインターネットで図面を見られる
前の道の幅は、内見の印象だけでは決められません。道路台帳と指定道路図と販売図面の幅を並べておけば、セットバックや再建築の心配を契約前に消せます。
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新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
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