
建売の資料に「地積測量図あり」と書いてありました。どんな図面で、買う前に何を見ればいいのでしょうか。
聞き慣れない図面の名前が出てくると、何を確かめればいいのか迷いますよね。
先に結論を言います。地積測量図は、作られた年月日を見てから、地番と面積を販売図面と照らし合わせるのが正解です。
見ないまま契約すると、
販売図面の面積と登記の面積が違っていたり、図面の杭と現地の杭が合わず、あとで隣と境界でもめたりすることがあります。
避け方は、契約の前に地積測量図の写しをもらい、4か所だけ照らし合わせることです。
この記事では、地積測量図の見方と取り方、公図との違い、作られた年による信頼度の差、建売で照合する手順を、法令と公的な資料をもとにまとめます。
この記事で分かること
地積測量図とは何か(作られる3つの場面)
公図・確定測量図・現況測量図との違いと公図の見方
地積測量図に書かれている10項目の見方
作られた年で信頼度が変わる理由と取り方・手数料
建売の契約前に地積測量図で照らし合わせる4か所
地積測量図とは土地の面積を測った結果を記録した法務局の図面


地積測量図(ちせきそくりょうず)は、土地1筆の面積を測った結果を表す図面です。不動産登記令2条3号が「一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面」と定めています。
地積(ちせき)は、登記された土地の面積のことです。筆(ひつ)は、登記で数える土地の単位です。
地積測量図が作られるのは3つの登記のとき
地積測量図は、いつでも作られるわけではありません。不動産登記令の別表は、次の登記で添付を求めています。
| 登記 | どんなとき |
|---|---|
| 土地の表題登記 | 登記されていない土地を新しく登記するとき |
| 地積の更正登記 | 登記の面積が実際と違うので直すとき |
| 分筆の登記 | 1つの土地を2つ以上に分けるとき |
建売の分譲地は、広い土地を区画ごとに分ける分筆のときに地積測量図が作られるのがふつうです。
地積測量図は永久に保存されて誰でも写しを取れる
法務局に出された地積測量図は、不動産登記規則28条で永久に保存されます。閉鎖されたものも、閉鎖した日から30年間は残ります。
不動産登記法121条は、誰でも手数料を払えば地積測量図の写しを請求できると定めています。持ち主でなくても、買う前の土地の図面を取れます。



持ち主の許可がなくても、他人の土地の図面を取っていいのですか。



大丈夫です。登記は誰でも見られるように公開されている情報なので、買う前に取り寄せて確かめるのはふつうのことです。
地積測量図と公図と確定測量図と現況測量図の違い


土地の図面には似た名前がいくつもあります。どれも「土地の形を描いた図」ですが、作った目的と信頼度が違います。
| 図面 | 作る人・置き場所 | 分かること |
|---|---|---|
| 地積測量図 | 土地家屋調査士が作り法務局にある | 面積と境界点の位置 |
| 公図(地図に準ずる図面) | 法務局にある古い図 | 土地の並び方と形の目安 |
| 14条地図 | 法務局にある精度の高い地図 | 現地に再現できる区画 |
| 確定測量図 | 土地家屋調査士が作り持ち主が持つ | 隣と合意した境界 |
| 現況測量図 | 土地家屋調査士などが作る | 今の塀や建物の位置 |
確定測量図は隣の持ち主の立会いと署名がそろった図で、境界の根拠がいちばん強いです。現況測量図は今の形を測っただけで、隣と境界を確かめたものではありません。
公図は明治期からの図面が多く形と長さは目安でしかない
公図は、不動産登記法14条4項の「地図に準ずる図面」の呼び名です。精度の高い14条地図ができるまでの代わりとして法務局に置かれています。
財務省の調査によると、全国の登記所の図面のうち、精度の高い14条地図は約59%です。残りの約41%は公図で、明治期から昭和以前に作られた図面が大半とされています。
| 地域 | 14条地図の整備率 |
|---|---|
| 大阪府 | 17% |
| 京都府 | 20% |
| 東京都 | 23% |
| 全国平均 | 59% |
大阪府は14条地図の整備率が17%で、8割を超える範囲が精度の低い公図のままということです。だからこそ関西では、測って作った地積測量図があるかどうかが大事になります。
公図の見方は地番の並びと隣の土地を確かめるだけでよい
公図で見るのは、主に次の3つです。
| 見る場所 | 確かめること |
|---|---|
| 地番 | 買う土地の地番と、隣や道の地番 |
| 形と並び | 道に面しているか、間に別の土地がないか |
| 図面の種類の欄 | 「地図に準ずる図面」か「地図」か |
公図の線の長さや角度は、現地と合わないことがよくあります。公図で長さや面積を測るのはやめるのが基本です。道と土地の間に細い別の地番がはさまっていないかは、公図でよく分かります。道の持ち主の見分け方は私道とは?公道との見分け方と私道負担・持分・トラブル・固定資産税を解説で解説しています。
地積測量図の見方は法律で決まった10項目を順に読む


地積測量図に書くことは、不動産登記規則77条で決まっています。どの法務局の図面でも、新しいものなら同じ項目が並んでいます。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 地番区域の名称 | 市区町村と町名 |
| 方位 | 北の向き(道や隣の位置関係を読む) |
| 縮尺 | 原則250分の1 |
| 地番(隣の地番も) | 買う土地と隣の土地を特定する |
| 地積と求積方法 | 面積と、その計算のしかた |
| 筆界点間の距離 | 辺の長さ(現地でメジャーで測れる) |
| 平面直角座標系の番号 | 座標の基準(兵庫はV系、大阪・京都などはVI系) |
| 筆界点の座標値 | 杭が抜けても位置を戻せる数字 |
| 境界標の表示 | 杭の種類(コンクリート杭・金属標など) |
| 測量の年月日 | いつ測ったか |
いちばん先に見るのは、右下などにある測量の年月日です。日付で、ほかの数字をどこまで信じてよいかが決まります。
地積測量図を読む順番
1. 測量の年月日で、2005年3月より後か前かを見る
2. 地番と隣の地番で、買う土地の図かを確かめる
3. 地積と辺の長さを、販売図面の数字と比べる
4. 座標値の表と境界標の表示があるかを見る
座標求積は数字で面積を出すので三斜求積より正確
求積方法(きゅうせきほうほう)の欄には、面積の計算のしかたが書かれています。
| 求積方法 | やり方 | 多い年代 |
|---|---|---|
| 座標求積法 | 各境界点の座標の数字から面積を計算する | 2005年3月以降 |
| 三斜求積法 | 土地を三角形に分け、底辺×高さ÷2を足す | それより前 |
三斜求積は図上で長さを読むので、どうしても誤差が出ます。座標の表が付いている地積測量図なら、現地で杭の位置を数字から復元できるのが大きな違いです。
宅地の面積は0.01㎡まで書いて端数は切り捨て
不動産登記規則100条は、地積を水平投影面積で測り、宅地は1㎡の100分の1まで書くと定めています。それより細かい端数は切り捨てです。
坂の土地でも、上から見た面積で測ります。斜面の長さで測った面積よりも小さくなるので、傾いた土地では覚えておきたい点です。



販売図面の土地面積が、地積測量図と0.01㎡だけ違っていました。問題ですか。



端数の丸め方の違いなら心配いりません。ただ、1㎡以上違うときは、どちらが正しいのかを売主に確かめてもらいましょう。
地積測量図は作られた年で信頼度が変わる


同じ「地積測量図」でも、作られた年によって中身が大きく違います。書く項目のルールが、だんだん厳しくなってきたからです。
| 作られた時期 | 特徴 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 1960年より前 | 地積測量図そのものがない | — |
| 1960年〜2005年3月 | 境界標や座標の記載がない図もある | 現地との照合が必要 |
| 2005年3月7日以降 | 座標値と境界標の表示が必須 | 高い |
地積測量図は、1960年の不動産登記法の改正で、土地台帳と登記がひとつにまとまったときから作られるようになりました。
いまの不動産登記規則は2005年3月7日に施行されました。この日から、基本三角点などを基準にした筆界点の座標値を書くことが必須になりました。
古い地積測量図は現地の杭と合うかを確かめてから使う
古い図には、座標がなく辺の長さだけのものや、杭の種類が書かれていないものがあります。当時は現地を十分に測らずに作られた図もあるとされています。



古い地積測量図の面積は、実際の面積と違うことがあります。面積で価格が決まる土地では、測り直してから契約するかを売主と相談します。
作られた年が古い図しかないなら、土地家屋調査士に現地と合うか見てもらうのが安全です。境界を確定し直す費用の目安は境界杭とは?見方と種類とない場合の境界確定費用とブロック塀の境界を建売の買主向けに解説で紹介しています。
地積測量図の取り方は法務局の窓口かインターネット


地積測量図は、どこの法務局でも全国の土地の分を請求できます。インターネットでも取れます。
| 取り方 | 手数料 | 証明書になるか |
|---|---|---|
| 法務局の窓口で書面請求 | 500円 | なる |
| オンラインで請求して郵送 | 470円 | なる |
| オンラインで請求して窓口で受け取り | 440円 | なる |
| 登記情報提供サービスで見る | 360円 | ならない(閲覧と同じ) |
地積測量図などの図面の証明書は、1筆ごとではなく1事件(1回の登記)ごとに1通500円で数えます。分筆で何区画も描かれた図でも、まとめて1通です。
自分で確かめるだけなら、登記情報提供サービスの360円で十分です。ただし地図と図面の情報は、平日の8時30分から21時までしか取れません。
証明書が要るときのオンライン請求は、登記・供託オンライン申請システムの「かんたん証明書請求」から申し込みます。窓口で受け取るなら、近くの法務局を管轄の一覧で探しておきます。
地積測量図の請求で間違えやすい3つのこと
住所(住居表示)のまま請求して見つからない
分筆前の古い地番で請求して別の図が出てくる
閲覧サービスの印刷を証明書のつもりで出してしまう
地積測量図は住所ではなく地番で請求する
請求には、住所(住居表示)ではなく地番が必要です。住居表示が実施されている地域では、住所と地番が違うのがふつうです。
| 地番の調べ方 | メモ |
|---|---|
| 売主・仲介会社に聞く | 建売ならいちばん早い |
| 重要事項説明書や登記事項証明書を見る | 「所在・地番」の欄 |
| 法務局に電話で聞く | 住所から地番を教えてもらえる |
建売なら、「地積測量図と公図の写しをください」と売主か仲介会社に頼むのがいちばん早い方法です。登記にかかる費用の全体は新築建売の登記費用はいくら?保存登記と表題登記と抵当権の登録免許税を試算で解説しています。
地積測量図がない土地は古い登記のまま分けていない土地


法務局で探しても、地積測量図が見つからないことがあります。それ自体は欠陥ではありません。
| ない理由 | 中身 |
|---|---|
| 1960年より前の登記のまま | 地積測量図の制度ができる前に登記された |
| 分筆も地積の更正もしていない | 地積測量図を作る機会がなかった |
| 古い図が残っていない | 移管や閉鎖で見つからないこともある |
地積測量図がない土地では、登記簿の地積と公図だけが手がかりです。面積と境界をはっきりさせたいなら、確定測量をしてもらうかを売主と相談することになります。
道路との境が問題になる土地では、セットバックの有無もあわせて確かめます。考え方はセットバックとは?42条2項道路と位置指定道路の違いとセットバック幅の計算を解説にまとめています。
建売は分筆の新しい地積測量図で4か所を照らし合わせる


分譲地の建売は、売主が広い土地を区画に分けて売っています。不動産登記規則78条は、分筆の地積測量図に分筆前の土地と分筆線と分けた後の各区画を描くよう定めています。
つまり分譲地の建売なら、全区画が描かれた新しい地積測量図があることがほとんどです。日付の新しい図なら、座標も境界標も書かれています。
契約前に地積測量図と販売図面を照らし合わせる4か所
| 照らし合わせる所 | 比べる相手 | ずれていたら |
|---|---|---|
| 地番 | 重要事項説明書・登記事項証明書 | 違う区画の図かもしれない |
| 地積 | 販売図面の土地面積 | どちらが正しいか売主に確認 |
| 測量の年月日 | 分譲地を分筆した時期 | 古ければ測り直しの有無を聞く |
| 境界標の表示 | 現地の杭の種類と本数 | 引渡しまでに入れてもらう |
現地の杭の見つけ方と刻印の読み方は、境界杭とは?見方と種類とない場合の境界確定費用とブロック塀の境界を建売の買主向けに解説で詳しく書いています。この記事の図面の読み方と組み合わせて使ってください。
建売の担当者に頼む書類
地積測量図(分筆のときのもの)
公図(地図に準ずる図面)
筆界確認書の写し
登記事項証明書(土地と道の分)
私道や通路の持分も同じ地積測量図に描かれている
分譲地の中の道は、区画と一緒に分筆されて、地積測量図に描かれていることがあります。道の地番と持分が、自分の区画と同じ契約書に書かれているかを見ておきます。
旗竿地の通路の幅も、地積測量図の辺の長さで確かめられます。通路の幅の数え方は旗竿地とは?デメリットと恥ずかしいと言われる理由と後悔しない条件を解説、他人の土地を通る権利は地役権とは?通行地役権の登記の見方と承役地と要役地と消滅時効を建売の買主向けに解説で解説しています。
建売は登記の面積で売る公簿売買が多い
建売の売買は、登記簿の面積で価格を決める公簿売買(こうぼばいばい)が多いです。あとで測って面積が違っても、代金を精算しない約束になっていることがよくあります。
新しい地積測量図がある分譲地なら、公簿売買でも登記と実際の面積の差は小さいことが多いです。土地と建物の価格の内訳は建売のうわもの価格はいくら?土地と建物の内訳を消費税から逆算する方法と新築の相場で紹介しています。
地積測量図に関するよくある質問


- 地積測量図は誰でも取れますか。
-
取れます。不動産登記法121条で、誰でも手数料を払えば写しを請求できると定められています。持ち主の許可は要りません。
- 地積測量図はインターネットで取れますか。
-
取れます。証明書が要るならオンライン請求で470円(郵送)か440円(窓口受取)、見るだけなら登記情報提供サービスで360円です。
- 地積測量図と公図の違いは何ですか。
-
地積測量図は土地を測って面積と境界点を記録した図です。公図は明治期からの図面が多く、土地の並びと形の目安しか分かりません。
- 地積測量図がない土地は買わないほうがいいですか。
-
欠陥ではありません。1960年より前の登記のまま分筆していない土地にはないのがふつうです。面積や境界が気になるなら、確定測量をするかを売主と相談します。
- 地積測量図の面積と実際の面積が違うことはありますか。
-
あります。特に2005年3月より前の図は、現地と合わないことがあります。測量の年月日と座標の有無を先に見てください。
- 地積測量図の手数料はいくらですか。
-
法務局の窓口で500円、オンライン請求で470円か440円です。証明書の手数料は1筆ごとではなく1回の登記ごとに数えます。
- 建売の地積測量図はどこでもらえますか。
-
売主か仲介会社に頼むのが早いです。分譲地を分筆したときの図があるので、写しをもらえることがほとんどです。
地積測量図は契約前にもらう|押さえる6つのこと


最後にまとめます。地積測量図は契約前に写しをもらい、日付と地番と面積を確かめるのがいちばんの使い方です。
- 地積測量図は土地1筆の面積を測った図で、表題登記・地積更正・分筆のときに作られる
- 誰でも法務局で取れて、窓口500円・オンライン470円か440円・閲覧360円
- 公図は明治期からの図が多く、大阪府の14条地図の整備率は17%だけ
- 2005年3月7日以降の図は座標値が必須で、杭が抜けても位置を戻せる
- 分譲地の建売には分筆のときの新しい地積測量図がある
- 地番・地積・測量の日・境界標の4か所を販売図面と現地で照らし合わせる
図面の確認は、契約から引渡しまでの段取りに組み込んでおくと忘れません。引渡しまでの流れは建売住宅の引渡しまでの流れ|契約から鍵を受け取るまでの期間にまとめています。
当社は新築の建売を仲介手数料0円でご案内しています。物件の良いところも気になるところも、買主の側に立ってそのままお伝えします。ご希望があれば、地積測量図や公図の取り寄せと、販売図面との照らし合わせもお手伝いします。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
- しつこい営業のお電話はしません


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