
建売を買ったあとに自転車置き場と外構を足したいのですが、できますか。
できます。ただし建蔽率に余りがないと置けません。
関西の販売図面78棟を測ると土地面積の中央値は100.9㎡でした。建蔽率60%なら建築面積の上限は60.54㎡です。
ここが落とし穴です。総2階で延床100.1㎡なら1階は約50㎡なので、残りは約10.5㎡しかありません。
しかもカーポートには1m緩和があるが壁のある物置は全部算入される。この記事では条文と寸法で、何がどこまで置けるのかを出します。
この記事で分かること
関西の建売の土地面積の中央値は100.9㎡(販売図面78棟の実測)
建蔽率60%なら建築面積の上限は60.54㎡で残りは約10.5㎡
カーポートは4要件を満たせば端から1m以内が建築面積に入らない
壁のある物置は緩和の対象外で全部算入される
防火・準防火地域の外なら10㎡以内の増築は確認申請が不要
自転車1台は幅0.6m×長さ1.9mが目安
戸建ての自転車置き場の工夫は5つ


先に置き方です。寸法と建蔽率の余りで決まります。
戸建ての自転車置き場の工夫と必要な寸法
| 工夫 | 置ける台数の目安 | 建築面積への影響 |
|---|---|---|
| サイクルポートを建てる | 2〜3台 | 4要件を満たせば1m緩和 |
| 玄関横の土間に入れる | 1〜2台 | 屋内なので床面積に入る |
| カーポートの奥に寄せる | 1〜2台 | 既存の屋根の下なので増えない |
| 門柱の脇に並べる | 1〜2台 | 屋根なしなら影響なし |
| 駐車場の前面に取る | 2台 | 屋根なしなら影響なし |
4つ目と5つ目は屋根を付けなければ建築面積に影響しません。建蔽率に余りがないときは、土間とサイクルラックで済ませるのが現実的です。
自転車1台は幅0.6mと長さ1.9mで考える
必要な寸法を出します。一般的な26インチのシティサイクルは全長1.8〜1.9m・ハンドル幅0.55〜0.6mです。
| 台数 | 必要な幅 | 必要な奥行 |
|---|---|---|
| 1台 | 0.6m | 1.9m |
| 2台 | 1.2m | 1.9m |
| 3台 | 1.8m | 1.9m |
| 2台+通路 | 1.8m | 1.9m |
出し入れのための通路も必要です。前に0.6m以上の空きがないと、前輪を振れずに出せません。子ども用の自転車なら全長1.5m前後で済みます。
自転車置き場で後悔しない測り方
内見のときに測る場所を決めておきます。
玄関から道路までのアプローチの有効幅
駐車場に車を入れたときに残る幅
勝手口側の通路の幅(0.9m以上あるか)
隣地境界までの距離(0.5m以上あるか)
メーターボックスと給湯器の位置
2つ目が効きます。車を入れてから自転車を通すと、実際の幅は図面より狭くなります。内見では車を停めた状態を想定して測ってください。内見のチェックは建売の内覧チェックポイント|見る順番と持っていくものにまとめています。
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建売の外構はあとからできるが建蔽率で決まる


ここが本題です。あとから付けられるかは建蔽率の余りで決まります。
建蔽率の計算に使う土地は中央値100.9㎡
当社がレインズの販売図面224枚のうち面積が読めた78棟を集計した結果です。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 土地面積の中央値 | 100.9㎡(30.5坪) |
| 最小 | 51.1㎡ |
| 最大 | 206.0㎡ |
| 100㎡未満の棟数 | 39棟(ちょうど半分) |
| 建物面積の中央値(69棟) | 100.1㎡ |
| 90〜110㎡に収まる棟数 | 62棟(89.9%) |
読めたのは全体の3割ほどなので母数は限られますが、土地100㎡前後に建物100㎡前後を建てる形が標準だと分かります。
建蔽率60%なら残りは約10.5㎡
計算します。建築基準法施行令第2条第1項第2号は建築面積を外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積と定めています。
| 条件 | 建築面積の上限 | 総2階の1階(約50㎡)との差 |
|---|---|---|
| 建蔽率50% | 50.45㎡ | ほぼ余らない |
| 建蔽率60% | 60.54㎡ | 約10.5㎡ |
| 建蔽率60%+角地緩和10% | 70.63㎡ | 約20.6㎡ |
| 建蔽率80% | 80.72㎡ | 約30.7㎡ |
建売は建蔽率をほぼ使い切って建てられていることが多いです。だから屋根付きのものを後から足すと上限に当たります。敷地の条件は平屋の建売はやめたほうがいい?デメリットと関西で少ない理由と必要な土地の広さにまとめています。
建売の外構で建蔽率に入るものと入らないもの
| あとから足すもの | 建築面積 | 判断 |
|---|---|---|
| フェンス・門柱・表札 | 入らない | 建蔽率に影響なし |
| 土間コンクリート | 入らない | ほぼ問題なし |
| ウッドデッキ(屋根なし) | 入らない | ほぼ問題なし |
| カーポート | 入る(1m緩和あり) | 余りを確かめる |
| サイクルポート | 入る(1m緩和あり) | 余りを確かめる |
| 物置 | 入る(緩和なし) | 建蔽率に全部算入 |
| サンルーム・テラス囲い | 入る(緩和なし) | 全部算入される |
下の2つが要注意です。壁で囲われているものは緩和がないので、面積がそのまま建築面積に乗ります。
外構以外のオプションの費用は建売のオプション工事ランキング|いつ決めるかと自分でやる場合の費用にまとめています。
カーポートは1m緩和で建蔽率の計算から外れる


緩和の中身です。4つの要件を満たすと端から1m以内が建築面積に入りません。
建蔽率が軽くなる高い開放性の4要件
施行令第2条第1項第2号のただし書きは、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造について端から水平距離1メートル以内の部分の水平投影面積は建築面積に算入しないとしています。
その構造は平成5年6月24日建設省告示第1437号(告示1437号)で次の4つと定められています。
- 外壁を有しない部分が連続して4メートル以上であること
- 柱の間隔が2メートル以上であること
- 天井の高さが2.1メートル以上であること
- 地階を除く階数が1であること
4つすべてを満たす必要があります。壁付きのカーポートや2段式のものは外れることがあるので、製品の仕様書で確かめてください。
屋根と柱だけのカーポートは建ぺい率には入りますが、固定資産税はかからないのが原則です。物置やガレージとの違いはカーポートに固定資産税はかかる?建ぺい率と確認申請の要否と物置とガレージの違いを建売向けに解説で解説しています。
建蔽率に入るのは12.5㎡ではなく1.5㎡
数字で見ます。1台用のカーポートを2.5m×5.0mとすると水平投影面積は12.5㎡です。
| 区分 | 緩和なし | 緩和あり(端から1m控除) |
|---|---|---|
| カーポート2.5m×5.0m | 12.5㎡ | 1.5㎡ |
| カーポート2.5m×6.0m | 15.0㎡ | 2.0㎡ |
| サイクルポート2.0m×1.0m | 2.0㎡ | 0㎡ |
| 物置1.8m×1.1m | 1.98㎡ | 緩和なし |
2.5mの幅から両側1mずつを引くと0.5m、5.0mの奥行から1mずつ引くと3.0mです。掛け合わせて1.5㎡になります。建蔽率の余りが10.5㎡あれば1台用のカーポートは置ける。
ただしサイクルポートのように小さいものは柱の間隔が2m以上という要件を満たせないことがあります。満たさなければ緩和はなく、面積がそのまま算入されます。
建売の外構をあとから足すときの確認申請と建蔽率
手続きの話です。防火・準防火地域の外なら10㎡以内は確認申請が不要です。
10㎡以内なら確認申請はいらない
建築基準法第6条第2項は、防火地域及び準防火地域外において増築・改築・移転をする場合で、その部分の床面積の合計が10平方メートル以内であるときは確認申請の規定を適用しないと定めています。
| 場所 | 10㎡以内の増築 | 10㎡超の増築 |
|---|---|---|
| 防火地域・準防火地域の外 | 10㎡以内は不要 | 確認申請が必要 |
| 防火地域・準防火地域の内 | 確認申請が必要 | 確認申請が必要 |
関西の市街地は準防火地域に入っていることが多いです。その場合は10㎡以内のカーポートでも確認申請が必要になります。用途地域と防火地域は重要事項説明書に書かれています。
確認申請が不要でも建蔽率違反にはなる
ここを誤解している方が多いです。確認申請が不要なのは手続きの話で、建蔽率の上限は別に守らなければなりません。
10㎡以内だから大丈夫と考えて物置を置く
建蔽率の上限を超えて違反建築物になる
将来売るときに是正を求められる
住宅ローンの担保評価で問題になることがある
増築部分が登記されず図面と現況が合わなくなる
3つ目と4つ目が実務で効きます。違反建築物は売るときに買主の住宅ローンが通らないことがある。成約価格は国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられますが、違反があると比較の土俵に乗りません。
令和4年の改正で手続きの一部が変わっています。最新の内容は国土交通省の令和4年改正建築基準法のページで確かめてください。



外構はいつ頼むのがよいですか。



引渡しの前に見積をもらい、引渡し後に着工する形が多いです。建蔽率の余りと防火地域の指定を先に確かめておけば、見積のやり直しが起きません。当社は関西の新築建売を仲介手数料0円でお取り扱いしていて、敷地の条件と残る面積を内見のときにお出ししています。
建売の駐車場と自転車置き場は容積率では有利
もう1つ知っておくと得な規定があります。駐車と駐輪の施設は容積率の計算で一部が外れます。
自動車と自転車の駐車施設は延べ面積の5分の1まで不算入
施行令第2条第1項第4号イは、専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の床面積を容積率の延べ面積に算入しないとしています。同条第3項第1号で限度は延べ面積の5分の1です。
| 部分 | 不算入の限度 |
|---|---|
| 自動車車庫等(自転車を含む) | 5分の1 |
| 防災のための備蓄倉庫 | 50分の1 |
| 蓄電池を設ける部分 | 50分の1 |
| 宅配ボックスを設ける部分 | 50分の1 |
ビルトインガレージの建売で容積率が足りて見えるのはこの規定のためです。ただし建蔽率には効きません。容積率で外れても建築面積には入るので、屋根付きは建蔽率で判断します。
宅配ボックスも容積率では外れる
同じ条文の第2条第1項第4号ヘには宅配ボックスを設ける部分も入っています。限度は50分の1です。
後付けの宅配ボックスは屋根も壁もない独立型が多いので、建築面積にも延べ面積にも入らないことがほとんどです。表札やポストと一緒に替える場合は建売の諸費用はいくら?内訳と現金で用意するお金にまとめています。
戸建ての自転車置き場と外構のよくある質問
- 戸建ての自転車置き場は何㎡あればよいですか。
-
自転車1台は幅0.6m×長さ1.9mが目安です。2台なら幅1.2m、3台なら幅1.8mになります。出し入れのために前に0.6m以上の空きも必要です。屋根を付けなければ建築面積には入りません。
- 建売の外構はあとからでもできますか。
-
できます。ただし屋根付きのものは建築面積に入るので、建蔽率の余りが必要です。関西の建売の土地面積の中央値は100.9㎡で、建蔽率60%なら建築面積の上限は60.54㎡です。総2階なら1階が約50㎡なので、残りは約10.5㎡という計算になります。
- カーポートは建蔽率に入りますか。
-
入りますが緩和があります。建築基準法施行令第2条第1項第2号のただし書きで、高い開放性を有すると認められる構造なら端から1m以内の部分は算入しません。2.5m×5.0mなら12.5㎡が1.5㎡に減ります。
- 物置も建蔽率に入りますか。
-
入ります。壁で囲われているので1m緩和の対象になりません。1.8m×1.1mの物置なら1.98㎡がそのまま建築面積に加わります。小さくても建蔽率に余りがなければ違反になります。
- 10㎡以内なら確認申請はいりませんか。
-
防火地域と準防火地域の外であれば不要です。建築基準法第6条第2項の規定です。関西の市街地は準防火地域に入っていることが多く、その場合は10㎡以内でも必要になります。なお確認申請が不要でも建蔽率の上限は守らなければなりません。
- 自転車置き場は容積率に入りますか。
-
専ら自転車の駐車のための施設は、延べ面積の5分の1を限度に容積率の計算から外れます。施行令第2条第1項第4号イと第3項第1号の規定です。ただし建蔽率には効かないので、屋根付きは建築面積で判断します。
外構は建蔽率の余りを先に計算してから決める
最後に手順です。
- 重要事項説明書で用途地域・建蔽率・防火地域を確かめる
- 販売図面の土地面積から建築面積の上限を計算する
- 図面の1階の床面積を引いて残る面積を出す
- 置きたいものが屋根付きか壁付きかを分ける
- 屋根付きなら1m緩和の4要件を満たす製品を選ぶ
- 10㎡超または準防火地域内なら確認申請の費用も見る
覚えておく数字は2つです。土地100.9㎡・建蔽率60%なら上限60.54㎡、総2階なら残りは約10.5㎡。この10.5㎡の中で何を置くかを決めることになります。
関西の新築建売は仲介手数料0円でお取り扱いしています。外構に回せる予算が増えるので、自転車置き場やカーポートを足す前提でお探しの方はご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
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