
建売の内見に行ったら、リビングがダウンライトでした。おしゃれですが、あとで困ることはないのでしょうか。
天井がすっきりして見えるので、ダウンライトの建売は印象がいいですよね。
ただ、付けたあとで動かせない照明なので、気になるのも当然です。
先に結論を言います。ダウンライトのデメリットは、位置を変えられないことと、器具ごとの交換に電気工事が要ることの2つが中心です。
型番を見ずに買うと、
10年ほどで器具ごと替える時期が来て、自分では交換できないと後から知ることがあります。
避け方は、内見で器具の型番を控え、一体型か交換型かとSB形の表示を確かめることです。
この記事では、デメリットの中身と、交換の資格、断熱の天井との関係、電気代を数字で確かめます。
この記事で分かること
ダウンライトの主なデメリット5つ
一体型と交換型の違いと、器具を替える目安の年数
自分で替えてよい範囲と電気工事士が要る範囲
断熱の天井で使う器具の表示
シーリングライトと比べた電気代と、建売での確かめ方
ダウンライトのデメリットは位置と明るさと交換と断熱と電気代の5つ


ダウンライトは、天井に穴を開けて埋め込む照明です。埋め込むからこそ、ほかの照明にはない弱点があります。
| デメリット | 起きること | 確かめる方法 |
|---|---|---|
| 位置を変えにくい | 家具の配置と合わなくなる | 照明の位置を図面で見る |
| 真下しか照らさない | 壁ぎわや部屋の隅が暗い | 内見で夜の明るさを想像する |
| 交換に工事が要る | 一体型は器具ごと替える | 型番で一体型か調べる |
| 断熱が欠けやすい | 表示のない器具は断熱材を離す | SB形の表示を見る |
| 台数が増えやすい | 同じ明るさで電気代が上がる | 部屋ごとの台数を数える |
5つとも、付ける前か買う前に確かめれば避けられるというのが当社の見方です。次の章から1つずつ見ていきます。
ダウンライトの位置を変えるには天井の穴をふさぐ工事が要る
ダウンライトの位置を動かすと、元の穴をふさいで新しい穴を開けることになります。天井のクロスの張り替えまで必要になることがあり、気軽には動かせません。
建売では照明の位置が決まった状態で売られます。だから家具を置く場所と照明の位置が合うかを、契約の前に見ておくのが大切です。
ダウンライトは真下が明るく部屋全体はムラが出やすい
ダウンライトは、光が下に向かって広がる照明です。メーカーの仕様書にある「1/2照度角60°」のような数字は、光が広がる角度を表しています。
角度が狭い器具ほど、真下だけが明るく、壁ぎわや部屋の隅が暗く感じやすいのが特徴です。台数と位置で明るさのムラが決まります。
一体型と交換型の違い|一体型は8〜10年で器具ごと替える


ダウンライトには、光源と器具が一体になった一体型と、電球だけを替えられる交換型があります。
| 種類 | 交換のしかた | 交換する人 |
|---|---|---|
| 一体型(LED一体) | 器具ごと替える | 電気工事士 |
| 交換型(電球を差し込む) | 電球だけ替えられる | 自分で替えられる |
どちらが付いているかは物件ごとに違い、見た目だけでは区別しにくいことがあります。型番で調べると確実に分かります。
40,000時間は光源の目安で器具の寿命ではない
仕様書には「設計寿命40,000時間」のように書かれていることがあります。日本照明工業会は2024年7月の資料で、この数字の扱いを整理しました。
日本照明工業会「照明器具の寿命表記について」(2024年7月26日・要約)
40,000時間は、JIS C 8105-1で電気絶縁材料の性能の限界としている時間。
照明器具は「寿命」という言葉を避け、耐用年限(適正交換時期8〜10年・耐用の限度15年)で表す。
1日6時間つけると、40,000時間は約18.3年です(当社計算)。ところが器具の部品が傷み始める適正交換時期は8〜10年とされています。
つまりLEDが光っていても、器具のほうが先に交換の時期を迎えるということです。工業会は、住宅では急な故障で暮らしに困るため、この時期以降の交換を勧めています。
15年を過ぎた器具は故障がなくても交換する
耐用の限度の15年は、故障の有無に関係なく、安全のために交換が必要な年数です。
照明メーカーも、設置から10年たつと外観に異常がなくても中の劣化が進むと案内しています。この前提は、周囲の温度30℃・1日10時間点灯です。



建売を買ったら、10年後にダウンライトを全部替えることになるのですか。



一度に全部とは限りませんが、10年前後から順に替えていくと考えておくと安心です。台数が多い家ほど、交換の費用もかさみます。
ダウンライトの交換は電球なら自分で器具なら電気工事士の工事


交換に資格が要るかは、電気工事士法で決まっています。
電気工事士法(要約)
2条3項:電気工事とは、一般用電気工作物等を設置し又は変更する工事。政令で定める軽微な工事は除く。
3条2項:電気工事士でなければ、一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事してはならない。
14条:3条に違反した者は、3月以下の拘禁刑又は3万円以下の罰金。
同法の施行令1条は、ソケットやローゼットにコードをつなぐ工事を「軽微な工事」としています。ただ、天井の配線を器具につなぎ直す一体型の交換は、電気工事士の工事です。
交換型のダウンライトは電球を替えるだけなら工事にあたらない
交換型のダウンライトで、差し込まれた電球を替えるだけなら工事ではありません。自分で替えられるのが交換型の大きな利点です。
ただし、断熱材をかぶせる器具には「断熱材施工器具対応」と書かれた電球を選びます。合わない電球を使うと、熱がこもって早く傷む原因になります。
引掛シーリングの照明とは資格の扱いが違う
天井に丸い差し込み口(引掛シーリング)がある部屋なら、照明は自分で付けられます。この違いは建売に付いていないもの一覧|カーテンレールと網戸と照明とTVアンテナを入居前に手配する手順で詳しく書いています。
ダウンライト交換の費用は、器具代と工事費の合計です。公的な統計はないので、台数を伝えて電気工事の業者から見積もりを取るのが確実です。
断熱施工の天井ではSB形の表示があるダウンライトを使う


天井の上には、冬の寒さや夏の暑さを防ぐ断熱材が敷かれています。ダウンライトは、その断熱材を突き抜けるように付く照明です。
| 器具の表示 | 断熱材との関係 | 出どころ |
|---|---|---|
| SB形 | ブローイング工法・マット敷き工法の天井に使える | 照明メーカーの仕様書 |
| 表示なし(一般形) | 断熱材から10cm以上離して付ける | 照明メーカーの取扱説明書 |
SB形は、日本照明工業会の断熱施工用の基準に合う器具の表示です。表示のない器具は「住宅の断熱施工天井には使えない」と取扱説明書に書かれているものがあります。
断熱材を離した分だけ天井の断熱が欠ける
断熱材を10cm以上離して付けると、その周りには断熱材がありません。ダウンライトの数だけ、天井に断熱の欠けができることになります。
メーカーの資料では、断熱施工の天井には断熱施工用の表示がある器具を使うよう求めています。だから、型番でSB形かどうかを確かめておくと、寒さの心配を1つ消せるので見ておきましょう。
天井と窓の断熱の考え方は断熱等級6のUA値と暖かさは?等級5や4が寒いと言われる理由と光熱費の差を関西の建売で解説と建売は寒い?冬に寒くなる原因と内見での確かめ方と寒さ対策を解説にまとめています。



天井の断熱材をめくってダウンライトの周りを確かめるのは、天井裏に入る作業です。内見では型番を控えるだけにして、詳しいことは売主に聞いてください。
ダウンライトの電気代は同じ明るさにすると台数分高くなる


LEDのダウンライトは1台の消費電力が小さい照明です。ただ、部屋全体を明るくするには台数が要ります。
当社で、12畳の部屋をシーリングライト1台にした場合と、ダウンライトでそろえた場合を比べました。
| 照明 | 光の量 | 消費電力 | 1年の電気代 |
|---|---|---|---|
| 12畳用シーリングライト1台 | 5,499lm | 35.2W | 約2,390円 |
| ダウンライト14台(1台400lm) | 5,600lm | 77W | 約5,230円 |
同じ光の量にそろえると、ダウンライトは年に約2,840円高い計算です。12畳用シーリングの5,499lmを1台400lmで割ると13.7で、14台になります。
12畳の明るさの目安は、日本照明工業会の表示基準で5,000lmとされています。ただし、実際の台数は部屋の使い方で決まり、14台まで付けるとは限らないので、試算は上限の目安です。
ダウンライトの電気代は1台の大きさより台数で決まる
6台なら33Wで、電気代はシーリングライトとほぼ同じです。その代わり、光の量は2,400lmで半分以下になります。
電気代の差は、部屋の明るさをどこまで求めるかで決まると考えてください。暗いと感じたら、フロアスタンドを足す方法もあります。
ダウンライトの配置で後悔しやすい3つの場所


配置の後悔は、家具を置いてから気づくものがほとんどです。
| 後悔 | 原因 | 避け方 |
|---|---|---|
| まぶしい | ベッドやソファの真上にある | 寝る位置・座る位置を外す |
| 暗い | 壁ぎわや収納の前に照明がない | 壁の近くにも1つ置く |
| 影が出る | キッチンや机の後ろに照明がある | 作業する手元の真上か前に置く |
寝転ぶ場所と座る場所の真上は避けるのが基本です。見上げたときに光源が直接目に入るからです。
建売では家具の置き場所から照明を逆算する
建売は照明の位置が先に決まっています。だからソファとベッドとダイニングテーブルの置き場所を、照明の位置に合わせて考えることになります。
- ベッドとソファの真上に照明がないか
- 壁ぎわと収納の前が暗くならないか
- キッチンと机の手元に影が出ないか
天井が高い部屋ほど、光が床に届くまでに広がります。天井の高さと照明の関係は天井高2400は低い?2500や2600との違いと2階の天井が下がる理由と内見での測り方を建売で解説で解説しています。
【当社集計】関西の建売の設備欄でダウンライトの記載は529件


当社が集めている関西の建売の物件データ1,347件で、設備欄を数えました。
| 設備欄の記載 | 件数 | 割合 | 主な売主 |
|---|---|---|---|
| ダウンライト | 529件 | 39.3% | 一建設479件・橋本不動産40件 |
| 照明器具 | 488件 | 36.2% | 一建設479件 |
| 人感センサー | 982件 | 72.9% | 一建設・アーネストワン・アイディホーム |
ダウンライトの記載529件のうち479件は同じ1社の物件でした。その売主の物件は、479件すべてに記載があります。
設備欄は決められた項目から選ぶ形式です。記載がない物件にダウンライトが付いていないとは限らないので、実物で確かめてください。
販売図面にダウンライトと書かれているのは224枚中4枚だけ
当社が集めた販売図面224枚では、ダウンライトの記載は4枚(1.8%)でした。そのうち3枚は同じ書式の図面です。
図面だけでは照明の種類はほとんど分からないということです。内見で天井を見上げて確かめるのが近道です。
なお、当社の物件データは95%前後が飯田グループ6社の物件です。関西の建売全体ではなく、飯田グループを中心とした数字として読んでください。
建売の内見でダウンライトを確かめる3つのこと


内見では、天井を見上げて次の3つを確かめます。
| 確かめること | やり方 | 分かること |
|---|---|---|
| 型番 | 器具の縁や本体のラベルを写真に撮る | 一体型か交換型か・SB形か |
| 位置 | 家具を置く場所の真上かを見る | まぶしさと暗さ |
| 数 | 部屋ごとに数を数える | 明るさと将来の交換の台数 |
型番が分かれば、一体型か交換型か、SB形かをメーカーのサイトで調べられるので、写真に撮っておきます。型番が見えないときは、売主に器具の仕様を聞きます。
完成前の建売は電気の図面で照明の位置と数を見る
建築中の建売では、天井を見上げることができません。電気配線図(電気設備図)で照明の位置と数を確かめることになります。
内見のほかの確かめ方は建売の内覧チェックポイント|見る順番と持っていくものに、引渡し前の確認は内覧会とは?新築の引渡し前に見るチェックリストと指摘の伝え方を解説にまとめています。照明を足したいときは、引渡し前のオプションとして頼めるかも聞いておきます(建売のオプション費用はいくら?引渡し前にやるべき工事と外構の相場)。



照明の不具合は、保証で直してもらえますか。



設備の保証の期間は売主ごとに違います。照明が対象か、何年までかを保証書で確かめておきましょう。保証の考え方は建売の保証期間は何年?新築の瑕疵担保責任10年とアフターサービスと最長60年保証の条件で解説しています。
当社は新築の建売を仲介手数料0円でご案内しています。内見の前に、照明の型番や設備の仕様を売主に確かめることもできます。ご希望があれば、オプションの見積もりの見方も一緒に確かめます。
ダウンライトのデメリットに関するよくある質問


- ダウンライトは自分で交換できますか。
-
電球を差し込む交換型なら、電球を替えるのは自分でできます。器具ごと替える一体型は、天井の配線をつなぐ電気工事なので電気工事士に頼みます。
- ダウンライトは何年で交換しますか。
-
日本照明工業会は、照明器具の適正交換時期を8〜10年、耐用の限度を15年としています。LEDの40,000時間は器具の寿命ではありません。
- ダウンライトは電気代が高いですか。
-
1台の消費電力は小さいですが、同じ明るさにすると台数が増えます。当社試算では12畳で年に約2,840円高くなります。
- 断熱の天井にダウンライトを付けても大丈夫ですか。
-
SB形の表示がある器具なら、断熱材をかぶせて使えます。表示のない器具は断熱材から離す必要があり、断熱が欠けます。
- ダウンライトの位置は後から変えられますか。
-
変えられますが、元の穴をふさぎ天井を直す工事が要ります。建売では家具の配置を照明に合わせて考えるのが現実的です。
- ダウンライトの交換費用はいくらですか。
-
公的な統計はありません。器具代と工事費がかかるので、台数を伝えて電気工事の業者に見積もりを取ってください。
ダウンライトのデメリットは型番と表示と位置を見れば避けられる


最後にまとめます。
- デメリットは位置・明るさ・交換・断熱・電気代の5つ
- 一体型は8〜10年を目安に器具ごと替える
- 器具の交換は電気工事士の工事、電球の交換は自分でできる
- 断熱の天井ではSB形の表示がある器具を使う
- 同じ明るさにすると台数が増えて電気代が上がる
- 内見で型番を写真に撮り、位置と数を確かめる
ダウンライトは悪い照明ではなく、型番と位置を確かめずに買うと後悔する照明というのが結論です。建売では、付いている器具の型番を売主に聞くところから始めてください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
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