
建売のチラシを見たいのですが、どこで手に入りますか。
経路は5つあります。いちばん早いのは仲介会社からの案内です。
チラシになる前の物件は新着の新築一戸建てに先に出ます。
理由は広告の順番です。完成前は宅地建物取引業法33条の確認を受けた後でなければ広告ができません。チラシに載るのはそれ以降なので、どうしても遅くなります。
そしてチラシには守るべき決まりがあります。市街化調整区域の物件は「宅地の造成及び建物の建築はできません」と16ポイント以上の文字で書く義務があります。
つまり書いていないこと自体が手がかりになる。この記事では入手の経路と、規約で決まっている表示を条文で並べます。
この記事で分かること
建売チラシの入手経路は5つで最も早いのは仲介会社
完成前は宅建業法33条の確認後でなければ広告できない
市街化調整区域は16ポイント以上の文字で明示する義務がある
セットバックがおおむね10%以上なら面積まで明示する義務がある
おとり広告は公正競争規約21条で3つの類型が禁止されている
誇大広告は宅建業法32条違反で100万円以下の罰金
見学だけでも問題ない(媒介契約の義務は発生しない)
建売チラシはどこで見るのか


入手の経路から整理します。出る順番が決まっているので、早さが違います。
建売チラシの5つの入手経路
| 経路 | 出る時期 | 載っている物件 |
|---|---|---|
| 仲介会社からの案内 | 販売図面の段階から | 未公開を含む |
| 現地の販売看板 | 販売開始と同時 | その分譲地だけ |
| 新聞折込チラシ | 販売開始から数日後 | 複数物件をまとめて |
| ポスティング | 販売開始から数日後 | 近隣の物件 |
| 店頭での配布 | 随時 | 在庫のある物件 |
仲介会社が早いのは売主から直接情報を受け取るからです。紙のチラシを作る前の段階で販売図面が回ります。先に見たいなら、探している条件を仲介会社に伝えておくのが確実です。
建売チラシに載る前の物件がある理由
時期の制限が法律で決まっています。宅地建物取引業法第33条は、工事の完了前は都市計画法29条の許可や建築基準法6条1項の確認などを受けた後でなければ広告をしてはならないと定めています。
同じ内容が不動産の表示に関する公正競争規約第5条にも置かれています。つまり確認を受ける前の物件はチラシにも載せられません。
さらに実務では売主が出す広告掲載承諾書が必要です。これが出ないとポータルサイトにもチラシにも載せられないので、未公開の物件の大半はこの承諾書待ちです。探し方は建売はどこで探す?広告掲載承諾書と囲い込みで未公開になる仕組みにまとめています。
建売チラシの価格表示には決まりがある
価格の書き方にもルールがあります。規約第4条では最多価格帯を「価格を100万円刻みでみたときに最も物件数が多い価格帯」と定義しています。
| 用語 | 規約上の意味 |
|---|---|
| 最多価格帯 | 価格を100万円刻みでみたときに最も物件数が多い価格帯 |
| 総区画数 | 開発区域内の全ての予定区画数 |
| 総戸数 | 開発区域内に建築される住宅の戸数 |
| 販売戸数 | 販売しようとする新築分譲住宅の戸数 |
| 予告広告 | 価格が確定していないため直ちに取引できない物件の事前告知 |
ここを知っていると読み方が変わります。「2,980万円〜」の表示は最安の1戸だけを指していることがあるので、総戸数と販売戸数と最多価格帯の3つを合わせて見てください。
建売チラシに必ず書かなければならない事項


ここがこの記事の核です。チラシには法律上書かなければならない事項があります。
特定事項の明示義務は6つ
規約第13条と同施行規則第7条は、一般消費者が通常予期できない事項や著しく不利な取引条件について、見やすい場所に見やすい大きさで明瞭に表示しなければならないと定めています。
| 項目 | 書かなければならない内容 |
|---|---|
| 建築条件付土地 | 土地である旨と条件の内容と成就しなかったときの措置 |
| セットバック | その旨。おおむね10%以上なら面積も |
| 都市計画施設の区域 | その旨を明示 |
| 接道2m未満 | 「再建築不可」または「建築不可」と明示 |
| 条例の敷地制限に不適合 | 同じく「再建築不可」「建築不可」 |
| 市街化調整区域 | 16ポイント以上の文字で明示 |
6行目の文字の大きさまで決められています。「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」という文言を、新聞折込チラシ等では16ポイント以上で書く決まりです。
書いていないチラシは規約違反の可能性がある
逆から読むと使えます。該当するのに書いていないチラシは規約違反の可能性があります。
接道が2m未満なのに「再建築不可」と書かれていない
セットバックがあるのに表示がない
市街化調整区域なのに小さい文字で書かれている
建築条件付土地なのに「土地」と分かるように書かれていない
都市計画道路の区域なのに触れられていない
気になったらその場で販売図面と重要事項説明書を見せてもらってください。チラシに書いていない事項は、書面では必ず出てきます。セットバックの考え方はセットバックとは?42条2項道路と位置指定道路の違いとセットバック幅の計算を解説にまとめています。
二重価格表示にも5つの要件がある
値下げの表示も自由ではありません。規約第20条と施行規則第12条は、過去の販売価格を比較対照価格にする場合の要件を5つ定めています。
- 過去の販売価格の公表日と値下げした日を明示すること
- 比較対照価格は値下げ直前の価格で、値下げ前2か月以上実際に公表していた価格であること
- 値下げの日から6か月以内に表示するものであること
- 公表日から二重価格表示を実施する日まで物件の価値に同一性が認められること
- 土地または建物について行う表示であること
2つ目と3つ目が効きます。値下げから6か月を過ぎた価格を「以前はこの価格」と書くことはできません。価格改定の実際は建売の値引きで1000万円は可能?売れ残り物件の価格改定の実際にまとめました。
1年経過した物件の実際の価格差は新築の建売が1年経過で築後未入居になる理由|新築プレミアムと売れ残りにまとめました。
建売チラシの必要な表示事項は物件の種別で変わる
書く項目そのものも規約で決まっています。規約第8条は、表示媒体ごと物件の種別ごとに必要な表示事項を定め、別表で一覧にしています。
| 別表 | 対象の物件 |
|---|---|
| 別表4 | 新築分譲住宅(販売戸数が1戸のものを除く) |
| 別表5 | 新築住宅・中古住宅・新築分譲住宅で販売戸数が1戸のもの |
| 別表1 | 分譲宅地(販売区画数が1区画のものを除く) |
| 別表3 | 売地・貸地・分譲宅地で販売区画数が1区画のもの |
同じ新築の戸建てでも、複数戸の分譲なら別表4、1戸だけなら別表5と使い分けられています。書く項目が違うので、1戸だけの物件のチラシは記載が少なく見えることがあります。
表示媒体も施行規則第2条で区分されていて、新聞折込チラシ等は独立した媒体として定義されています。インターネット広告と新聞記事下広告と新聞折込チラシ等で、求められる記載の量が変わります。
建売チラシのおとり広告の見分け方


チラシで最も困るのがこれです。おとり広告は規約21条で3つの類型が禁止されています。
おとり広告の3つの類型
規約第21条は、次の広告表示をしてはならないとしています。
| 号 | 禁止される表示 | 実際に起きること |
|---|---|---|
| 1号 | 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件 | 架空の物件 |
| 2号 | 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件 | 他社で契約済みの物件 |
| 3号 | 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件 | 案内目的の掲載 |
2号と3号が実務で多い形です。「その物件は売れました。似た物件があります」と言われたら、2号か3号に当たる可能性があります。
誇大広告は宅建業法32条違反で罰則がある
法律の側にも規定があります。宅地建物取引業法第32条は誇大広告等を禁じていて、違反すると同法第81条第1号で6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科もあり)です。65条の指示処分の対象にもなります。
ただし国土交通省の令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査では、宅地建物取引業者132,291業者に対して監督処分は147件、行政指導は592件でした。処分に至るのは業者数の0.11%なので、自分で見分けるほうが早いです。
おとり広告を見分ける3つの質問
チラシを見て連絡するときに聞くことを決めておきます。
- この物件はまだ契約できますか(在庫の確認)
- 取引態様は売主ですか媒介ですか代理ですか
- この物件の販売図面をメールで送ってもらえますか
3つ目が決定的です。販売図面を送れない物件は、扱えない物件である可能性が高いです。取引態様は同法第34条第2項で、注文を受けたときは遅滞なく明らかにする義務があります。違反事例は不動産公正取引協議会が公表しています。
建売は見学だけでも大丈夫なのか
よく聞かれます。見学だけでまったく問題ありません。
見学だけで費用や義務は発生しない
建売の内見で費用が発生することはありません。見学した時点で媒介契約や売買契約の義務が生じることもありません。
| 段階 | 発生する義務 | 費用 |
|---|---|---|
| チラシを見る | なし | 0円 |
| 電話で問い合わせる | なし | 0円 |
| 現地を見学する | 義務は生じない | 0円 |
| 買付証明書を出す | 法的な拘束力は原則なし | 0円 |
| 売買契約を結ぶ | 契約の義務が生じる | 手付金が必要 |
4行目で迷う方が多いところです。買付証明書に原則として法的な拘束力はない。ただし出した後に断ると信頼を失うので、金額と条件が固まってから出してください。
見学だけのときに見ておくと得なこと
せっかく行くなら測るものを決めておきます。
駐車場に車を停めたときに残る通路の幅
自転車を置ける場所の有効幅
前面道路の幅と交通量
隣家の窓の位置と視線
電柱とメーターボックスの位置
どれも図面では分かりません。測った数字が外構を足せるかの判断材料になる。外構の可否は戸建ての自転車置き場の工夫と建売の外構はあとからできるか|建蔽率の計算にまとめました。



チラシの物件を見たいのですが、その会社に連絡しないといけませんか。



いいえ。同じ物件は別の仲介会社からも見学できます。売主が宅地建物取引業者の新築建売なら、当社でも同じ物件をご案内できます。当社は関西の新築建売を仲介手数料0円でお取り扱いしていますので、チラシの物件名と所在だけお知らせください。
建売チラシに関するよくある質問
- 建売チラシはどこで見られますか。
-
新聞折込、ポスティング、現地の販売看板、店頭での配布、仲介会社からの案内の5つです。いちばん早いのは仲介会社からの案内で、紙のチラシになる前の販売図面が回ります。
- チラシに載っていない物件はありますか。
-
あります。工事の完了前は宅地建物取引業法33条の確認等を受けた後でなければ広告できません。さらに売主が出す広告掲載承諾書がないと掲載できないため、未公開の物件が生まれます。
- 市街化調整区域と小さく書かれているチラシは問題ありませんか。
-
不動産の表示に関する公正競争規約の施行規則第7条では、新聞折込チラシ等の場合は16ポイント以上の大きさの文字で明示することと定められています。文言も「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と決まっています。
- おとり広告かどうかはどう見分けますか。
-
販売図面をメールで送ってもらえるかで分かります。送れない物件は扱えない物件の可能性が高いです。規約21条は、存在しない物件、取引の対象となり得ない物件、取引する意思がない物件の3つの類型を禁止しています。
- 建売は見学だけでも大丈夫ですか。
-
問題ありません。見学した時点で媒介契約や売買契約の義務は生じず、費用もかかりません。買付証明書も原則として法的な拘束力はありませんが、出した後に断ると信頼を失うので条件が固まってから出してください。
- チラシの会社以外からでも同じ物件を買えますか。
-
売主が宅地建物取引業者の新築建売なら、別の仲介会社からでも購入できます。取引態様が媒介であれば、どの会社を通しても売主と物件は同じです。仲介手数料は会社によって変わるので、総額で比べてください。
建売チラシは書いていないことを探して読む
最後にまとめます。
- 総戸数・販売戸数・最多価格帯の3つを合わせて見る
- セットバックと接道の表示があるかを確かめる
- 市街化調整区域の表示が16ポイント以上かを見る
- 取引態様が売主・媒介・代理のどれかを確かめる
- 販売図面をメールでもらえるかを聞く
- 値下げの表示があれば公表日と値下げ日を確かめる
覚えておくのは2つです。チラシは完成の確認を受けた後しか作れない、不利な条件は書く義務がある。だから書いていないことがあれば、そこを聞けばよいことになります。
関西の新築建売は仲介手数料0円でお取り扱いしています。チラシに載る前の物件もお知らせできますし、成約価格は国土交通省の不動産情報ライブラリと並べてお出しします。気になるチラシがあれば物件名だけでご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
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