
あの会社の建売って、値引きできるの?



メーカーによって値引きの相場が違うと聞いた
会社名で検索して「値引き率」を探す方は多くいます。ただ、その数字が自分の物件に当てはまるかは別の話です。
結論からいうと、建売の値引きは会社名では決まりません。決めるのは、その1棟に売主が下げる理由をいくつ持っているかです。
同じ会社でも、売り出し直後の物件と完成から1年経った物件では、まったく動き方が違います。
ただし会社の事業の型によって、在庫を抱えることの重さは変わります。
ただし、進め方を間違えると
ネットで見た「◯◯は◯%引ける」をそのまま伝えると、交渉が止まります。
売主も組織なので、社内で決裁を通すための理由が必要です。
根拠のない金額は、安く買いたいだけの人からの要求として扱われます。
逆にいえば、会社の型を知ったうえで材料をそろえれば、どの会社でも交渉には入れます。
この記事では、分譲会社を3つの型に分け、それぞれで値引きがどう動くかを解説します。
- 建売の値引きが会社名で決まらない理由
- 分譲会社の3つの型
- パワービルダー系の値引きの動き方
- 大手ハウスメーカーの分譲の値引きの動き方
- 地域デベロッパー・デザイン系の値引きの動き方
- どの会社でも共通して効く4つの材料


シュース 健人
宅地建物取引士(大阪府 第118737号)
株式会社GEEZ/大阪府知事(2)第62068号
関西全域の不動産の購入・売却査定・相続不動産・空き家などの実務に携わっています。本記事は、実務経験に加え、国土交通省・法務省・国税庁などの公的資料を確認して執筆・監修しています。
建売の値引きは会社名では決まらない


まず前提から整理します。
「◯◯なら◯%引ける」という一律の相場は存在しません。
何で決まるのかを説明します。
会社名で検索して、値引きの相場を探す方が多くいます。
ただ、同じ会社でも物件によって結論が変わります。
完成からの期間、分譲地の残り棟数、決算期との距離。
この3つが、会社名より大きく効いてきます。
建売の値引きは、その1棟の事情で決まる
売主にとって、価格を下げることは利益を減らすことです。
それでも下げるのは、下げたほうが得だと判断できる理由があるときだけです。
完成からの経過月数、分譲地に残っている棟数、過去の価格改正の履歴。この3つが答えを決めます。
限界の考え方は建売の値引きの限界の記事で詳しく解説しています。
限界という言葉には、共通の答えがありません。
同じ4,000万円の物件でも、下がる幅は物件ごとに違います。
だから、まず価格の中身から確かめます。
建売の価格は原価と粗利の足し算でできている
建売の事業者は、まず土地を買います。
古家を解体し、造成して、複数の区画に分けます。
この仕入れ値は、買った時点で確定しています。
あとから下げることはできません
建築費も、契約済みの工事費として決まっています。
動かせるのは、粗利の部分だけです。
建売住宅値引き限界という言葉に、共通の答えはない
建売住宅値引き限界という言葉で調べられることもありますが、限界の額は物件ごとに違います。
同じ分譲地の隣り合った2棟でも、完成した時期が違えば答えは変わります。
会社ごとの平均値を探すより、その1棟の履歴を調べるほうが早く答えにたどり着きます。
土地の相場が高い時期に仕入れた物件は、価格も高くなります。
木材や設備の価格も、近年は上昇が続いています。
売主が削れる部分は、実際には多くありません。
粗利は1棟あたり15〜20%が目安
4,300万円の物件なら、650万〜860万円にあたります。
ここから広告費、人件費、金利、保証の費用が引かれます。
手元に残るのは、その半分以下になります。
値引きは、この残った分から出す金額です。
会社の型によって、この幅の使い方が変わります。
同じ4,000万円台の建売でも、売主の会社によって余地が違います。
仕入れ方、供給棟数、在庫を持てる期間が違うためです。
ここを知っておくと、無理な要求で関係を壊すことも減ります。
それでも会社の型で、値引きの動き方は変わる
会社名で決まらないとはいえ、事業の型によって在庫の重さは変わります。
分譲を本業にしている会社と、注文住宅が本業の会社では、在庫を抱えることの意味が違います。
この記事では、分譲会社を3つの型に分けて整理します。
| 型 | 事業の性格 | 値引きの動き方 |
|---|---|---|
| ① パワービルダー系 | 分譲専業・大量供給 | 在庫の回転が命。自ら価格改正をする |
| ② 大手ハウスメーカーの分譲 | 注文住宅が本業 | ブランド価格を守る。仕様で調整する |
| ③ 地域デベロッパー・デザイン系 | 棟数が限られる | 1棟の利益率を守る。完成在庫になれば動く |
① パワービルダー系の建売の値引き


分譲を本業とし、年間に多くの棟数を供給する会社です。
在庫を抱え続けることに、合理性がありません。
特徴を挙げます。
ここからは、会社の型ごとに動き方を見ていきます。
大きく3つに分けて整理します。
パワービルダー系は土地を仕入れて建てて売る
土地を仕入れ、建てて、売って資金を回すのが事業の形です。
飯田グループの各社をはじめ、ホークワンやファイブイズホームなど、この型にあたる会社があります。
価格を抑えた商品で、供給棟数を確保するモデルです。
その分、1棟あたりの利益は薄く設計されています。
パワービルダー系は、土地の仕入れから販売までを自社で行います。
中間のマージンがないぶん、価格を抑えられます。
そのかわり、在庫を持つ負担も自社で背負います。
年間の供給棟数が多いほど回転を優先する
年間に何千棟も供給する会社があります。
1棟あたりの利益は薄くても、回転で稼ぐ仕組みです。
売れ残りを抱えることを、いちばん嫌います。
在庫を減らすためなら、価格改定の判断が早い会社です。
飯田グループホールディングスの6社が、この型にあたります。
パワービルダー系は自ら価格改正をする



言われる前に下げてくる型です。
完成から時間が経つと、買主から言われる前に価格を下げてきます。
これを価格改正と呼び、広告上の表示価格そのものが変わります。
過去の価格改正の履歴を知らずに交渉すると、無理な要求になっていることがあります。
売り出し当初からいくら下がっているかを、先に確認してください。
完成在庫かどうかは、検査済証の日付で判断できます。
完成から3か月を過ぎると、社内で在庫として扱われます。
金利や管理の費用が、その間もかかり続けるためです。
ここが、交渉の入口になります。
価格改定は買主全員に対して行われる
値引きは、申し込んだ1件について判断されます。
価格改定は、売り出し価格そのものを下げることです。
大きく下がるのは、後者のときです。
改定の履歴は、仲介会社ならレインズで確認できます。
2回目の改定が入っている物件は、売り切りたい段階にあります。
飯田グループホールディングスは、6社で年間およそ4万棟を供給しています。
分譲戸建の市場で、シェアはおよそ3割です。
この規模だからこそ、在庫の解消を優先する判断が出ます。
パワービルダー系の建売は完成在庫かどうかで変わる
完成してから売れ残っている物件を、完成在庫と呼びます。
建物が完成していれば固定資産税もかかり、保有していること自体が負担になります。
完成から1年を超えると、広告で新築と表示できなくなります。
この時期が、価格が動く分かれ目になります。
② 大手ハウスメーカーの分譲の建売の値引き


注文住宅を本業とする会社が手がける分譲です。
値引きよりも、仕様やオプションで調整される型です。
特徴を挙げます。
大手ハウスメーカーは、分譲の棟数が限られています。
主力は注文住宅で、分譲はその延長にあります。
値引きの判断も、注文住宅の価格との整合で決まります。
大手は分譲でも注文住宅の基準で建てている
構造や断熱の仕様が、注文住宅と同じ基準になっていることがあります。
そのぶん、価格は高くなります。
パワービルダー系と同じ坪単価では比べられません。
設計住宅性能評価書の等級を並べて比べてください
等級が1つ違えば、光熱費も体感も変わります。
大手ハウスメーカーの分譲はブランド価格を守る
大和ハウスやセキスイハイムのように、注文住宅が本業の会社も分譲を手がけています。
ダイワハウスと表記されることもありますが、同じ会社です。
同じ会社の注文住宅を検討している人がいる以上、分譲だけ大幅に値引きすることはできません。
価格を下げると、注文住宅の価格の説明がつかなくなるためです。
大和ハウスの建売については大和ハウスの値引きの記事で解説しています。
大手ハウスメーカーの分譲は、性格がまったく違います。
価格そのものが、ブランドの一部になっています。
ブランド価格を守る理由がある
大手は、注文住宅の顧客も同時に抱えています。
分譲で値引きを重ねると、注文住宅の価格が説明できなくなります。
だから、本体価格は動かしにくい構造です。
そのかわり、オプションや外構で調整されることがあります。
大手ハウスメーカーの分譲は仕様とオプションで調整される
価格そのものが動きにくい代わりに、含まれるものを増やす形で調整されることがあります。
カーテン、照明、網戸、エアコン、外構工事。
総額で見れば、値引きと同じ効果になることがあります。
どこまで含まれているかを、書面で確認してください。
本体価格が動かないぶん、含まれているものは多くなります。
外構や設備が標準に入っていることもあります。
総額で比べると、印象が変わることがあります。
同じ坪数でも仕様の水準が違う
断熱等性能等級、耐震等級、サッシの種類。
これらは、パンフレットではなく書面で確認します。
設計住宅性能評価書に、等級が記載されています。
同じ価格帯でも、等級が1つ違えば意味が変わります
大手ハウスメーカーの分譲は仕様の水準で比べる
価格が動きにくいなら、その価格に見合う仕様かどうかで判断します。
耐震等級、断熱等性能等級、省令準耐火構造の有無、保証年数。
等級で並べれば、他社の建売と横に比較できます。
値引き額だけを見て、仕様の差を見落とさないでください。
③ 地域デベロッパー・デザイン系の建売の値引き


特定の地域で、棟数を絞って分譲する会社です。
1棟ごとの利益率を守る型ですが、完成在庫になれば動きます。
特徴を挙げます。
地域デベロッパーは、その地域に精通していることが強みです。
土地の仕入れも、地元のネットワークで行われます。
棟数は少なくても、立地の良い区画を押さえていることがあります。
デザイン系は同じ間取りを繰り返さない
1棟ごとに設計している会社があります。
設計にかかる費用が、そのまま価格に乗ります。
規格化して量産する会社とは、構造が違います。
値引きの幅も、その分だけ小さくなります
そのかわり、同じ外観の家が並ぶことはありません。
地域デベロッパーは棟数が限られている
ポラスのように、埼玉・千葉・東京を中心に地域密着で展開するグループがあります。
アーレックスは東海3県で分譲住宅を手がけ、年間300棟以上を供給しています。
玉善も名古屋を拠点とする分譲住宅の会社です。
いずれも供給エリアが決まっており、1棟あたりの企画に手をかけています。
地域デベロッパーとデザイン系は、また別の型です。
棟数が少なく、1棟ごとの利益を確保する必要があります。
地域デベロッパーは在庫を長く持てない
棟数が限られているぶん、1棟の重みが大きくなります。
借入で土地を仕入れていれば、金利の負担も続きます。
完成から時間が経つほど、下げる判断が出やすくなります
現地に行って、残りが何棟かを数えてみてください。
デザイン系の建売は1棟ごとの利益率を守る
企画や設計に手をかけている分、1棟あたりの利益率が事業の前提になっています。
大量供給で薄く広く取るモデルとは、考え方が違います。
売り出し直後に大きく動くことは、まずありません。
その代わり、物件そのものの価値は比較しやすくなっています。
棟数が少ない会社ほど、1棟の売れ残りが重くのしかかります。
借入で土地を仕入れていれば、金利の負担も続きます。
完成から時間が経つほど、下げる判断が出やすくなります。
決算期をまたぐと在庫として計上される
完成した家は、会計上は在庫です。
決算をまたぐと、その在庫が財務諸表に残ります。
金融機関からの評価にも影響します。
3月と9月の直前に、大きな価格改定が入ります
この時期を狙って探す方法があります。
地域デベロッパーの建売も完成在庫になれば動く
棟数が限られていても、在庫を抱え続けることに変わりはありません。
完成から時間が経ち、分譲地の他の区画が決まっていけば、残った1棟には理由が生まれます。
決算期が近づくと、価格や条件が動くこともあります。
ただし人気の分譲地では、完成前に完売することもあります。
どの会社の建売でも共通して効く4つの材料


ここからは、会社を問わず共通する部分です。
材料をそろえれば、どの型でも交渉には入れます。
4つ挙げます。
ここからは、どの型の会社でも共通して効く材料です。
4つに絞って挙げます。
① 近隣の建売の成約価格を数字で示す
国土交通省は、実際に成約した不動産の取引価格を公開しています。
同じエリア・同程度の面積の成約価格帯を示せば、提示価格の位置が客観的に分かります。
「相場より高い」ではなく「この帯で成約している」と示すのが効きます。
成約価格は、不動産情報ライブラリで誰でも検索できます。
同じ地域、同じ面積帯の取引が分かります。
相場より高い価格で出ていれば、それが交渉の根拠になります。
完成年月は検査済証で確認できる
建物が完成した日は、検査済証に記載されています。
この日付から1年で、新築と表示できなくなります。
残り何か月かが、そのまま交渉の材料になります。
完成から10か月を過ぎた物件は、動きが出ます
周辺の成約価格は、無料で調べられます。
国土交通省の不動産情報ライブラリで検索してください。
売り出し価格ではなく、実際に売れた金額で比べます。
② 建売の完成からの経過月数と分譲地の在庫を押さえる
物件資料の完成年月から、経過月数が分かります。
現地の販売看板や資料で、総区画数と販売中の区画数を確認できます。
この2つは、売主が下げる理由をどれだけ抱えているかの指標になります。
どの型の会社でも、ここが最も効きます。
分譲地であれば、現地に行けば残り棟数が分かります。
カーテンが付いている棟と、付いていない棟を数えます。
残り1〜2棟なら、価格改定が近いと考えられます。
完成年月は、検査済証のほか建築確認済証でも確認できます。
契約前であれば、担当者に写しを求めてください。
見せられないという会社であれば、その時点で判断材料になります。
掲載期間はポータルサイトで分かる
物件ページの下部に、情報公開日が載っています。
この日付が半年前なら、それだけ売れ残っています。
ただし、いったん掲載を止めて出し直す会社もあります。
日付が新しくても、売れ残りでないとは限りません
③ 建売の申込前に住宅ローンの事前審査を通しておく



金額と同じくらい効く材料です。
売主が最も避けたいのは、契約後にローンが通らず白紙に戻ることです。
事前審査が通っていれば、すぐ決済できる買主だと示せます。
同じ金額でも、確実性のある買主のほうが通りやすくなります。
審査には1週間ほどかかります。
物件を探し始める段階で、先に通しておいてください。
借入可能額が分かれば、探す範囲も決まります。
事前審査の承認書を添えて申し込む
売主が最も嫌うのは、契約後にローンが通らないことです。
その間、他の買主を断ることになります。
事前審査の承認が出ていれば、その不安が消えます。
承認書のコピーを添えて申込を出します
これだけで、扱いが変わります。
事前審査は、複数の金融機関で通しておくこともできます。
条件の良いところを選べるようになります。
ただし、短期間に何件も申し込むのは避けてください。
④ 建売の引き渡し時期を売主に合わせられると伝える
売主には、期末までに引き渡しを終えたいといった事情があります。
こちらが時期を合わせられるなら、それは価格と交換できる材料になります。
賃貸の解約時期を調整できるかを、先に確認しておいてください。
引渡しの時期を売主に合わせられることも、材料になります。
賃貸の解約時期などがあれば、先に整理しておきます。
いつでも応じられると伝えられると、扱いが変わります。
端数を切る形で提案する
4,380万円のような価格が付いていることがあります。
この80万円を切って4,300万円にする、という提案です。
売主から見て、判断しやすい形になります。
根拠のない100万円より、端数のほうが通ります
金額の作り方ひとつで、結論が変わります。
購入申込書に記載する項目
購入希望価格
手付金の額(価格の5〜10%が目安)
契約の希望日と、引渡しの希望日
住宅ローンの借入予定額と金融機関名
自己資金の額
有効期限(1週間程度)
引渡しの時期は、売主にとって重要な条件です。
決算期に間に合わせたい、来月中に処理したいなどの事情があります。
こちらが合わせられるなら、それは交渉材料になります。
建売の値引きは購入申込書を出すときに伝える
内見のその場で金額だけを聞くと、検討の熱量が伝わりません。
購入申込書には、希望価格に加えて引き渡し希望日とローンの利用の有無を書きます。
売主はこれを見て、価格だけでなく確実性も判断します。
一度出した希望額をあとから下げ直すと、信用がなくなって話が戻りません。
ラクチン不動産は新築一戸建て・建売の仲介手数料0円で対応しています。3,000万円の物件なら、本来かかる105万6,000円(税込)が0円です。
値引きでもキャンペーンでもありません。売主が不動産会社である新築の建売は、売主から報酬を受け取れるため、買主からいただく必要がないという仕組みです。
- 対象:売主が不動産会社の新築一戸建て・建売
- 対象外:中古住宅、個人が売主の物件、売主から報酬が出ない物件
- 他社のチラシやポータルサイトで見つけた物件でも、多くの場合ご案内できます
- 0円の対象かどうかは、物件名と所在地だけで無料判定します
気になっている物件があれば、契約前にセカンドオピニオンを。販売図面のURLか写真をLINEで送っていただければ、その物件の弱い部分と、価格が妥当かどうかをお伝えします。
- 物件のURLか写真を送るだけ。入力フォームはありません
- 売主側では言いにくい弱点も、買主の立場でお伝えします
- 新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています
- しつこい営業のお電話はしません
建売は、誰を通して買うかで条件が変わります


分譲住宅には、売主から直接買うルートと、仲介会社を通すルートがあります。
同じ物件でも、間に入る担当者がどちらを向いているかで着地点は変わります。
差が出る部分を挙げます。
売主直販の場合、間に入る仲介会社がいません。
売主の担当者は、売主の利益を守る立場にあります。
買主側の材料を作る人がいない、という状態になります。
購入申込書には、有効期限を入れておくと判断が早まります。
1週間程度に設定するのが一般的です。
売主が社内で検討するための、期限にもなります。
値引き以外にも交渉できるものがある
本体価格が動かないときの、次の手です。
網戸、カーテンレール、照明、TVアンテナ。
自分で手配すると、合計30万〜50万円かかります。
売主にとっては、原価で対応できる範囲です。
外構やカーポートも、まとめて頼むほうが安く済みます。
価格の話は、買う意思が固まってから出します。
内見の段階で言うと、冷やかしだと受け取られます。
購入申込書に金額を書いて伝えるのが基本です。
売主直販だと、値引きの材料が出てこない



聞かなければ出てきません。
売主の販売担当は、自社の物件を売る立場にあります。
完成からの経過月数や、過去に何回価格改正をしたかを、こちらから聞く必要があります。
他社の同価格帯の建売と並べて比較することもしません。
同じ物件でも、間に入る仲介会社の担当者がどちらを向いているかで着地点は変わります。
会社の型を越えて比べられるのは、買主側に立つ担当者だけです。
パワービルダーと大手を、同じ基準で並べられます。
会社の型ごとの値引きの動き方
パワービルダー系:価格改定が早い。完成後3か月・10か月が節目
大手ハウスメーカーの分譲:本体価格は動きにくい。オプションで調整
地域デベロッパー・デザイン系:棟数が少なく、完成在庫になれば動く
どの型でも、完成からの期間と決算期が最大の材料になります。
仲介手数料が下がることもある
4,300万円の物件なら、仲介手数料の上限は約145万円です。
売主から手数料を受け取れる物件では、買主分が無料になることがあります。
値引き100万円より大きい金額です。
物件によって扱いが違うため、事前に確認してください。
売主から預かっている会社は、売主の希望価格で売ることが仕事です。
買主に有利な材料を、進んで出す動機がありません。
完成年月も掲載期間も、聞かなければ出てこないことがあります。
買主の側に立つと、会社の型を越えて比べられる



会社ごとの性格を知っていれば、当たり方も変わります。
ラクチン不動産は、買主の側に立って売主と条件を詰めます。
買主の味方として動くと、こうなります
- 完成年月と価格改正の履歴を調べ、いつから売れ残っているかを特定する
- 近隣の成約価格を示して、希望額の根拠を作る
- 耐震等級・断熱等級・省令準耐火の有無を、他社と並べて比較する
- 価格が動かない場合に、含めてもらえるものを提案する
- 住宅ローンの事前審査を先に通し、確実性を示す
交渉が通るかどうかは運ではなく、売主に「この人に売りたい」と思わせる材料をどれだけ用意できるかで決まります。
完成年月、掲載期間、価格改定の履歴、周辺の成約事例。
これらを把握している担当者と、そうでない担当者がいます。
材料がなければ、頼み込むしかなくなります。
交渉に入る前に確認しておくこと
検査済証の日付(完成からの経過期間)
ポータルサイトの情報公開日(掲載期間)
価格改定の履歴(仲介会社がレインズで確認)
分譲地の残り棟数(現地で数える)
周辺の成約事例(不動産情報ライブラリ)
住宅ローンの事前審査の承認
ラクチン不動産は、買主の側に立って条件を詰めます
ラクチン不動産は購入・売却の仲介を専門にしています。
他社で断られた物件でも、まずは状態をうかがったうえで進め方を整理します。
特定の分譲会社を売る立場ではないため、会社を越えて横並びで比較できます。
大阪・兵庫・京都を中心にお手伝いしていますので、分譲地ごとの相場もあわせてご案内できます。
買取を検討する場合も、売主の立場で複数の買取業者に査定を出して比較します。
建売の値引き額を成約データで確かめる


会社の型の話に、金額の目安を足しておきます。
大阪・兵庫の築2年以内の戸建ては、成約中央値4,300万円でした。
率で見ていきます。
築2年以内の戸建ては3,628件が成約している



売り出し価格ではなく、実際に売れた価格です。
国土交通省が公開している成約価格を集計しました。
大阪・兵庫の木造戸建てのうち、築2年以内は3,628件です。
成約価格の中央値は4,300万円でした。
下位25%が3,700万円、上位25%が5,300万円です。
100万円は、中央値に対して2.3%にあたります。
100万円は仲介手数料の約7割にあたる
比べる対象があると、重みが分かりやすくなります。
4,300万円の物件の仲介手数料は、上限で約145万円です。
100万円は、その7割ほどにあたります。
売主にとっては、1棟の利益から削る金額です。
詳しくは建売の値引き100万円の記事で解説しています。
1,000万円は価格の23.3%にあたる



この水準は、交渉では動きません。
4,300万円に対して1,000万円は23.3%です。
売主の粗利をすべて失う水準になります。
ただし、価格改定としてなら起こります。
買主が求めるのが値引き、売主が下げるのが価格改定です。
詳しくは建売の値引き1000万円の記事にまとめています。
築3〜5年になると中央値は4,000万円まで下がる
同じ集計で、築3〜5年の木造戸建ても見てみました。
6,615件の成約があり、中央値は4,000万円です。
築2年以内の4,300万円と比べると、300万円低い水準でした。
売れ残るほど、価格は市場に合わせて下がっていきます。
交渉で動く金額より、時間で動く金額のほうが大きいこともあります。
価格帯によって100万円の重みが変わる
3,000万円の物件なら、100万円は3.3%です。
5,000万円なら2.0%になります。
売主から見れば、同じ100万円でも意味が違います。
低い価格帯の物件ほど、値引きは通りにくくなります。
もともとの利益が薄いためです。
| 成約価格 | 値引き額 | 価格に対する割合 |
|---|---|---|
| 3,000万円 | 100万円 | 3.3% |
| 3,700万円(下位25%) | 100万円 | 2.7% |
| 4,300万円(中央値) | 100万円 | 2.3% |
| 5,300万円(上位25%) | 100万円 | 1.9% |
| 4,300万円(中央値) | 1,000万円 | 23.3% |
市区によって価格帯そのものが違う
エリアごとの中央値も出しました。
吹田市が5,900万円、西宮市が5,400万円、豊中市が5,050万円です。
一方、東大阪市・八尾市・堺市堺区は3,800万円でした。
大阪市大正区と堺市中区は3,400万円です。
同じ100万円でも、エリアによって割合が変わります。
この見出しでお伝えしたこと
大阪・兵庫の築2年以内の戸建ては3,628件が成約、中央値は4,300万円。
100万円は2.3%、1,000万円は23.3%にあたる。
1,000万円は交渉ではなく、売主の判断による価格改定として起きる。
築3〜5年になると中央値は4,000万円。時間で300万円下がっている。
建売の値引き交渉でやってはいけないこと


通らないだけでなく、買えなくなることがあります。
やり方を間違えると、物件そのものを失います。
具体的に挙げていきます。
売主が値引きに応じる理由を作る
値引きは、お願いでは動きません。
売主が社内で説明できる理由が必要になります。
引渡しを決算期に間に合わせられる、という理由もその一つです。
契約から決済までを早められることも、材料になります
手付金をすぐに用意できることも伝えてください。
手付金は、価格の5%から10%が目安です。
複数の仲介会社から同じ物件に申し込む



これがいちばん多い失敗です。
同じ物件を、A社とB社の両方から問い合わせる方があります。
売主には、同じ名前の申込が2件届きます。
信用できない買主だと判断され、両方断られることがあります。
仲介会社は1社に絞ってください。
比べたいなら、担当者を先に比べます。
指摘できる弱点を事実として整理する
前面道路が狭い、北向きの居室が多い、隣地との距離が近い。
内見で気づいた点を、具体的に伝えます。
感情ではなく、事実で理由を作ります
この整理は、仲介会社の担当者と一緒に行ってください。
売主に伝わる形にまとめられるかどうかで、結果が変わります。
根拠を示さずに金額だけ伝える
とにかく安くしてほしい、という伝え方です。
売主から見ると、判断の材料がありません。
下げても買ってくれるか分からない相手には、動きません。
いくらなら買うのかを、はっきり伝えます。
その金額なら即決すると添えると、話が変わります。
回答は数日から1週間で返ってくる
売主が社内で検討し、回答します。
決裁の会議が週1回という会社もあります。
その場合、回答まで1週間かかります。
いつ回答が来るかを、担当者に確認しておきます
待っている間に、他の申込が入ることもあります。
交渉が長引くほど不利になる理由
人気の物件では、同じ週に複数の申込が入ります
売主は、条件の良い買主を選びます
値引きを求めた側は、その時点で不利になります
反響の状況を、仲介会社に確認してから判断してください
問い合わせが多い物件かどうかは、担当者なら把握しています。
値引きが通った後にさらに追加で求める
100万円が通った後で、オプションも付けてほしいと言う。
この進め方は、信頼を失います。
売主は、話が終わらない相手だと感じます。
求めることは、最初に全部まとめて出してください。
小出しにすると、通るものも通らなくなります。
契約直前に金額を蒸し返すと白紙になる
契約日が決まってから、もう少し下がらないかと言う。
売主は、他の買主を断ったあとです。
信義に反すると受け取られ、白紙になることがあります。
金額の話は、申込の時点で終わらせます。
売主の事情を無視して条件を主張する
値引きを求めながら、引渡しは半年後がいいと言う。
売主にとっては、何のメリットもありません。
値引きを求めるなら、こちらも譲る部分を作ります。
交渉は、条件の組み合わせで決まります。
値引きを求めたら断られました。もう買えませんか
買えます。断られただけで、話が終わったわけではありません。
定価で申し込み直すことはできます。
ただし、その間に他の買主が決まってしまう可能性はあります。
どちらを優先するかを、先に決めておいてください。
建売の値引きとハウスメーカーに関するよくある質問


- 建売の値引きはハウスメーカーによって違いますか?
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会社名で決まるわけではありません。決めるのは、その1棟に売主が下げる理由をいくつ持っているかで、完成からの経過月数・分譲地に残っている棟数・過去の価格改正の履歴が答えを決めます。ただし事業の型によって在庫の重さは変わり、分譲専業のパワービルダー系、注文住宅が本業の大手ハウスメーカー、棟数を絞る地域デベロッパーでは動き方が違います。
- パワービルダー系の建売は値引きしやすいですか?
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在庫の回転が事業の前提なので、完成から時間が経つほど動く理由は積み上がります。ただしこの型の会社は、買主から言われる前に自ら価格改正をしてくることが多く、表示価格がすでに下がっていることがあります。過去の履歴を知らずに交渉すると、実質的に無理な要求になっていることがあるため、売り出し当初からいくら下がっているかを先に確認してください。
- 大手ハウスメーカーの分譲は値引きできませんか?
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価格そのものは動きにくい型です。同じ会社の注文住宅を検討している人がいる以上、分譲だけ大幅に値引きすると価格の説明がつかなくなるためです。その代わり、カーテン・照明・網戸・エアコン・外構工事といった含まれるものを増やす形で調整されることがあります。総額で見れば、値引きと同じ効果になることがあります。
- 地域の分譲会社の建売は値引きできますか?
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棟数を絞って企画に手をかけている会社は、1棟あたりの利益率が事業の前提になっているため、売り出し直後に大きく動くことはまずありません。ただし在庫を抱え続けることに変わりはないため、完成から時間が経ち、分譲地の他の区画が決まっていけば、残った1棟には理由が生まれます。決算期が近づくと条件が動くこともあります。
- 建売の値引き交渉で最も効く材料は何ですか?
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完成からの経過月数と、分譲地に残っている在庫の棟数です。この2つは、売主が下げる理由をどれだけ抱えているかを示す指標で、どの型の会社でも共通して効きます。加えて、近隣の成約価格を数字で示すこと、住宅ローンの事前審査を先に通しておくこと、引き渡し時期を売主に合わせられると伝えることが材料になります。
- 値引きはいつ伝えればよいですか?
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購入申込書を出すときです。内見のその場で金額だけを聞くと、検討の熱量が伝わらず、売主側からは「まだ買うと決めていない人からの値下げ要求」に見えます。購入申込書には希望価格に加えて引き渡し希望日とローンの利用の有無を書くため、売主は確実性も含めて判断できます。一度出した希望額をあとから下げ直すのは避けてください。
まとめ|建売の値引きは、会社名ではなくその1棟で決まる


会社名で値引き率を探しても、答えは出てきません。
見るべきは、その1棟の完成年月と在庫の状況です。
この記事のまとめ
- 建売の値引きは会社名では決まらない
- 決めるのは、完成からの経過月数・在庫棟数・価格改正の履歴
- 分譲会社は、パワービルダー系・大手ハウスメーカー・地域デベロッパーの3つの型
- パワービルダー系は自ら価格改正をする。履歴を先に確認する
- 完成から1年を超えると、広告で新築と表示できなくなる
- 大手ハウスメーカーの分譲は、価格より仕様やオプションで調整される
- 地域デベロッパーは1棟の利益率を守るが、完成在庫になれば動く
- 共通して効くのは、成約価格・経過月数と在庫・事前審査・引き渡し時期
- 価格が動かないなら、含まれるものを増やしてもらう
- 伝えるのは購入申込書を出すとき。一度出した額は下げ直さない
この記事の位置づけ
各社の値引きの幅は公表されているものではなく、物件と時期によって変わります。
この記事は事業の型による違いを整理したものです。個別の判断はご相談ください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
- しつこい営業のお電話はしません


ラクチン不動産では、住宅ローンの相談(審査や無理のない計画)や物件探し・検討中の物件に関するセカンドオピニオンをLINEで対応しています。買主の味方に立って一緒にマイホーム実現をサポートします。
新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています。
お電話の受付は10:00〜19:00(水曜・日曜は定休)。時間外のご相談はLINEかメールをご利用ください。翌営業日にお返事します。
この記事の情報は 2026年8月 時点のものです。制度・基準は改正されることがあるため、実際のお手続きの際は各機関の最新情報をご確認ください。














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