
新築の仲介手数料でトラブルになったという話を聞きました。どこで起きるのですか。
起きる場所は決まっています。5つで、どれも売買契約の前に表に出るものです。
お金の話なので後から取り返すのは大変です。ただ5つはすべて契約前に書面で確かめられます。
先に数字を出します。令和6年度の宅地建物取引業者は132,291業者で、監督処分は147件でした。割合にすると0.11%です。
つまり処分に至るのは0.11%なので、争うより契約前に止めるほうが早い。この記事では5つの場所と、確かめ方を条文つきで並べます。
この記事で分かること
仲介手数料のトラブルが起きる5つの場所
上限を超える請求は宅建業法46条2項違反で100万円以下の罰金
不当に高額な要求は47条2号で拘禁刑もある
案内料や申込料は国土交通省の通達で受領を禁じられている
令和6年度の監督処分は147件で業者数の0.11%
媒介契約の書面には報酬に関する事項を書く義務がある
新築の仲介手数料のトラブルが起きる5つの場所


まず全体です。起きる場所は5つ。
仲介手数料のトラブル5つの型と根拠の条文
| 型 | 中身 | 根拠になる条文 |
|---|---|---|
| 上限を超える | 告示の額より高い請求 | 46条2項 |
| 別名目の費用 | 案内料や申込料を足す | 告示第十一 |
| 無料が有料に | 直前で0円でないと言われる | 34条の2第1項7号 |
| 取引態様が不明 | 売主か媒介かを答えない | 34条2項 |
| 書面がない | 媒介契約書を交付しない | 34条の2第1項 |
5つとも宅地建物取引業法に根拠があります。つまり感情の問題ではなく、守られていない条文があるかどうかで決まります。
どれも売買契約の前に表に出る
共通点が1つあります。5つはすべて売買契約の前に判断できることです。
取引態様は販売図面か口頭で確かめられる
媒介契約の書面は売買契約より前に交付される
見積の全項目は申し込みの前にもらえる
報酬の額は事務所の掲示で確かめられる(46条4項)
0円にできるかは書面で残してもらえる
4つ目は意外に知られていません。宅地建物取引業法第46条第4項は、宅地建物取引業者に事務所ごとに公衆の見やすい場所に報酬の額を掲示する義務を課しています。店頭で見られます。
仲介手数料の上限を超える請求は罰金の対象
1つ目の型です。上限は告示で決まっていて、超えた請求は違法になります。
46条2項違反は100万円以下の罰金
昭和45年建設省告示第1552号は、2024年7月1日施行の改正で料率が消費税を含む表記になりました。
| 物件価格の区分 | 料率(税込) | 3,000万円のとき |
|---|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5.5% | 11万円 |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4.4% | 8万8,000円 |
| 400万円を超える部分 | 3.3% | 85万8,000円 |
| 合計 | 税込3.3%+6.6万円 | 105万6,000円 |
この額を超えた請求は宅地建物取引業法第46条第2項に違反します。違反すると同法82条2号で100万円以下の罰金に加えて、65条で指示や業務停止の対象になります。
不当に高額の要求は47条2号で拘禁刑もある
もう1段重い条文があります。受け取らず要求しただけでも47条2号に該当のが特徴です。
同法第47条第2号は不当に高額の報酬を要求する行為を禁じています。80条では1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金と定められていて、受け取っていなくても要求だけで対象になります。金額の計算方法は仲介手数料の相場はいくら?計算方法と上限3%+6万円と値引きの可否を解説にまとめています。
無料と言われた仲介手数料が有料になるトラブル
相談で多いのはこの型です。広告は0円だったのに契約の直前で有料になるというものです。
媒介契約の書面に仲介手数料が書かれる
確かめる場所は決まっています。宅地建物取引業法第34条の2第1項は、媒介契約を締結したら遅滞なく書面を作成して交付する義務を定めていて、第7号で「報酬に関する事項」が記載項目になっています。
| 段階 | 確かめること | 書面 |
|---|---|---|
| 物件を見る前 | 取引態様 | 販売図面 |
| 申し込みの前 | 0円にできるか | 見積の全項目 |
| 媒介契約のとき | 報酬に関する事項 | 媒介契約書 |
| 重要事項説明 | 物件の条件 | 重要事項説明書 |
| 売買契約 | 代金と引渡し | 売買契約書 |
2行目と3行目が分かれ目です。媒介契約の前に見積の全項目をもらえば名目は増えない。案内料や申込料については宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の告示第十一関係で受領することはできないと明記されています。
仲介手数料は契約が成立しないと払わない
前提の話です。仲介手数料は成功報酬なので契約が成立するまで発生しません。
国土交通省が定める標準媒介契約約款の第8条は、媒介によって売買又は交換の契約が成立したときに報酬を請求できるとしています。第9条では、宅地建物取引業法37条の書面を交付した後でなければ受領できないとされています。申し込みの段階で仲介手数料を求められたら、それ自体がおかしいということです。
住宅ローンが通らなかったときも決まっています。同じ約款の第9条2項は、融資の不成立を理由に契約が解除された場合は受領した報酬の全額を遅滞なく返還しなければならないと定めています。払えないまま進んでしまう心配はありません。住宅ローンの審査は住宅ローンの審査基準10項目|落ちる理由と仮審査から承認までの流れにまとめています。
取引態様を聞けば先に分かる
もっと手前で分かります。同法第34条第2項は、注文を受けたときは遅滞なく取引態様の別を明らかにしなければならないと定めています。取引態様が売主なら仲介手数料は0円。
媒介なら原則かかり、代理なら0円になることが多い形です。払わずに買う道の整理は建売の仲介手数料を払いたくない?払わずに買う3つの道と見分け方にまとめました。
仲介手数料のトラブルで処分に至るのは年147件


ここが大事なところです。処分は年147件で業者数の0.11%しかありません。
業者132291に対して処分147件
国土交通省の令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査では、宅地建物取引業者は132,291業者で11年連続の増加でした。
| 区分 | 件数 | 業者数に対する割合 |
|---|---|---|
| 免許取消 | 99件 | 0.07% |
| 業務停止 | 16件 | 0.01% |
| 指示 | 32件 | 0.02% |
| 処分の合計 | 147件 | 0.11% |
| 行政指導 | 592件 | 0.45% |
読み方は2つあります。悪質な業者は少ないという読み方と、処分までは滅多に至らないという読み方です。買主としては後者で動くほうが安全です。
相談先は都道府県の担当課と消費生活センター
起きたときの手順です。書面とやりとりの記録が残っていないと動けません。
- 見積・媒介契約書・広告の画面を残す(日付が分かる形で)
- 相手の会社の免許番号を控える
- 都道府県の宅地建物取引業の担当課に相談する
- 消費生活センターに相談する(局番なしの188)
- 金額が大きければ弁護士に相談する
国民生活センターの2025年度の集計では、相談の総件数は1,006,377件でした。30歳代の相談では新築工事が882件で20位。家を買う年代でそれなりの数が出ているということです。



トラブルを避けるには何を見ればよいですか。



取引態様と見積の全項目です。この2つを媒介契約の前にもらえば、5つの型はほぼ防げます。当社は関西の新築建売を仲介手数料0円でお取り扱いしていて、0円にできない物件はその理由と金額を先にお伝えしています。
新築の仲介手数料のトラブルのよくある質問
- 仲介手数料の上限を超えて請求されたらどうなりますか。
-
宅地建物取引業法46条2項の違反で、82条2号により100万円以下の罰金の対象です。さらに65条で指示や業務停止の対象にもなります。400万円を超える物件の上限は税込で価格の3.3%+6.6万円です。
- 事務手数料や案内料という名目なら払わないといけませんか。
-
国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方では、報酬と依頼者の依頼による広告料のほかに案内料や申込料を受領することはできないとされています。例外は特別の依頼による遠隔地の現地調査などの実費で、事前に承諾があるものだけです。
- 広告は仲介手数料無料だったのに契約前に有料と言われました。
-
媒介契約を締結したときは報酬に関する事項を記載した書面を交付する義務があります。34条の2第1項7号です。書面をもらってから判断してください。物件によって0円にできるかは変わるので、申し込みの前に確かめるのが確実です。
- 仲介手数料は事前に確かめられますか。
-
確かめられます。46条4項で、宅地建物取引業者は事務所ごとに公衆の見やすい場所に報酬の額を掲示する義務があります。物件ごとの金額は見積の全項目をもらえば分かります。
- 不当に高い金額を言われただけでも違反ですか。
-
47条2号は不当に高額の報酬を要求する行為を禁じています。受け取っていなくても要求した時点で該当し、80条で1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金の対象です。
- どこに相談すればよいですか。
-
宅地建物取引業者を監督するのは免許を出した都道府県か国土交通大臣です。まず都道府県の担当課に相談してください。消費生活センターは局番なしの188でつながります。請求額が払えないときも、まず書面を揃えてから相談してください。
仲介手数料のトラブルは契約前の書面で防ぐ
最後にまとめます。見るのは2つだけです。
- 取引態様(売主か媒介か代理か)
- 見積の全項目(仲介手数料のほかの名目を含む)
- 媒介契約書(報酬に関する事項が書かれている)
- 0円にできるかを書いたもの
覚えておく数字は2つです。3,000万円の上限は税込105万6,000円、処分は年147件で0.11%。上限を知っていれば超えた請求はその場で分かる。
関西の新築建売は仲介手数料0円でお取り扱いしています。別名目の費用も請求していません。見積を他社と並べたい段階でもご相談ください。
- e-Gov法令検索|宅地建物取引業法(第34条・第34条の2・第46条・第47条・第65条・第80条・第82条)
- 国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(令和6年6月21日改正)
- 国土交通省|宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方
- 国土交通省|令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について
- 国土交通省|令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果(PDF)
- 国土交通省|宅地建物取引業法関係
- 国土交通省|宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款
- 国民生活センター|2025年度 全国の消費生活相談の状況
- 国民生活センター|2025年度 全国の消費生活相談の状況(PDF)
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
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