
高台の建売を見に行ったら、下が高い擁壁でした。こういう土地は買わないほうがいいのでしょうか。
避ける必要はありません。ただし擁壁のある土地は確かめる書類が平地より多いのは事実です。
先に判断の軸をお伝えします。擁壁は高さ2メートルを超えるかどうかで扱いが変わります。
建築基準法施行令138条1項5号が、高さ2メートルを超える擁壁を工作物として指定しています。つまり2メートルを超える擁壁は確認申請と完了検査を受けているはずです。だから検査済証が残っています。
もう1つ、現地で誰でもできる確認があります。水抜穴の数を数えれば基準が分かるので、そこを見ます。基準は壁面の面積3平方メートル以内ごとに少なくとも1個です。
高さ2メートル・長さ10メートルの擁壁なら壁面は20平方メートルなので、水抜穴は7個以上ないと基準を満たしません。見た目で判断できる数字です。
この記事では、擁壁の定義と高さ2メートルの境目、盛土規制法の許可が要る規模、使える構造、崖条例の府県差、買ってはいけない条件までを条文で整理します。
この記事で分かること
高さ2メートルを超える擁壁は工作物の確認申請が必要(令138条1項5号)
盛土で高さ1メートル超の崖ができると盛土規制法の許可が要る
擁壁に使える構造は鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・練積み造の3種類だけ
水抜穴は壁面3平方メートル以内ごとに1個・内径7.5センチ以上
崖条例は大阪府と兵庫県と京都府で規制の考え方がまるで違う
擁壁とは崖の土を支える構造物で高さ2メートルが境目


まず言葉と法律の位置を押さえます。擁壁の高さ2メートルは法律上の分かれ目です。
擁壁は高さ2メートルを超えると確認申請が要る
建築基準法88条1項は、煙突や広告塔などの工作物について建築確認などの規定を準用すると定めています。その対象を政令で指定していて、擁壁については施行令138条1項5号が高さが二メートルを超える擁壁と書いています。
| 擁壁の高さ | 確認申請 | 残る書類 | 買主が見るもの |
|---|---|---|---|
| 2メートル超 | 必要 | 確認済証・検査済証 | 検査済証を取り寄せる |
| 2メートル以下 | 不要 | 残らないことがある | 造成時の許可証で追う |
| 盛土で1メートル超の崖 | 盛土規制法の許可 | 許可証・検査済証明書 | 役所に記録がある |
つまり2メートルを超える擁壁なら、適法かどうかを書類で確かめられます。逆に2メートル以下だと確認申請の記録が残っていないことがあります。
擁壁の技術的基準は施行令142条にある
工作物としての擁壁の基準は施行令142条です。読むとこう定めています。
1号 鉄筋コンクリート造、石造その他これらに類する腐食しない材料を用いた構造
2号 石造の擁壁はコンクリートを用いて裏込めし、石と石とを十分に結合する
3号 裏面の排水を良くするため水抜穴を設け、周辺に砂利その他を詰める
5号 国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて安全性を確かめる
ここで効くのが2号です。石を積むだけでコンクリートで結合していない擁壁は基準に合いません。関西の古い分譲地で見かける玉石積みがこれに当たることがあります。
崖崩れのおそれがあれば擁壁の設置義務がある
もう1つ根っこの条文があります。建築基準法19条4項です。建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならないと定めています。
だから崖の下に家を建てるときは、擁壁か、離隔距離か、建物側の構造で対応することになります。この3つのどれで対応しているかを図面で確かめるのが買主側の見方です。
擁壁の工事に許可が要る規模は盛土規制法で決まっている


造成の側の法律も押さえます。2023年5月26日に宅地造成等規制法が盛土規制法に変わりました。
宅地造成等規制法は盛土規制法に変わった
正式な名前は宅地造成及び特定盛土等規制法です。旧法の宅地造成等規制法を改正したもので、規制区域の名前も宅地造成工事規制区域から宅地造成等工事規制区域に変わりました。
検索では「宅地造成等規制法」で調べる人がまだ多いのですが、2023年5月26日から盛土規制法になっています。役所で聞くときはこちらの名前を使ってください。
許可が要るのは施行令3条の5つの規模
どこから許可が必要になるのか。施行令3条が5つ挙げています。
| 号 | 工事の種類 | 規模 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1号 | 盛土 | 高さ1メートルを超える崖を生じる | 盛土のほうが基準が厳しい |
| 2号 | 切土 | 高さ2メートルを超える崖を生じる | 切土は2メートルから |
| 3号 | 盛土と切土を同時 | 高さ2メートルを超える崖を生じる | 1号2号に当たらないもの |
| 4号 | 崖を生じない盛土 | 高さ2メートルを超える | 平らに積んでも高さで効く |
| 5号 | いずれにも当たらない盛土または切土 | 面積500平方メートルを超える | 面積だけで許可が要る |
許可を出すのは都道府県知事です。盛土は1メートル、切土は2メートルという差を覚えておくと、造成の内容から許可の有無を推測できます。
許可を受けた工事なら許可証と工事完了の検査済証明書が役所に残るので、擁壁が適法に作られたかどうかを追えます。
規制区域かどうかは役所とハザードマップで分かる
物件が宅地造成等工事規制区域の中にあるかどうかは、市町村や都道府県の窓口で区域図を見れば分かります。
あわせて急傾斜地崩壊危険区域と土砂災害警戒区域も確認します。こちらは重要事項説明の対象なので契約前には必ず説明されますが、区域は内見の前に調べておく必要があります。



区域に入っていたらやめたほうがいいですか。



区域に入っていること自体は理由になりません。見るのは擁壁が基準どおりに作られているかどうかです。書類で確かめられます。
擁壁と区域は重要事項説明で必ず出てくる
契約の前には説明されます。規制区域は宅建業法35条の説明対象です。
宅地建物取引業法35条は、宅地建物取引業者が契約前に説明すべき事項を挙げています。そのなかに法令に基づく制限が含まれるので、盛土規制法の規制区域や急傾斜地崩壊危険区域は必ず出てきます。
宅地造成等工事規制区域に入っているか
特定盛土等規制区域に入っているか
造成宅地防災区域に入っているか
急傾斜地崩壊危険区域に入っているか
土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に入っているか
ただし重要事項説明は契約の直前です。区域に入っていることを知るのが契約の場だと、判断する時間がありません。
だから当社は内見の前に区域の該当を調べて先に伝えるようにしています。区域に入っていること自体は買わない理由になりませんが、擁壁の書類を先に取り寄せる理由になります。
擁壁に使える構造は3種類だけで空積みは基準外


ここが一番はっきりした判断基準です。盛土規制法が認める擁壁の構造は3種類しかないからです。
鉄筋コンクリート造と無筋コンクリート造と練積み造
施行令8条1項2号はこう定めています。擁壁は鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとする、です。
| 構造 | 中身 | よく見る形 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート造 | 鉄筋を入れたコンクリート | L型・逆T型の新しい擁壁 |
| 無筋コンクリート造 | 鉄筋なしのコンクリート | 低い擁壁で使われる |
| 間知石練積み造 | 石をコンクリートで一体化 | 間知石を斜めに積んだ擁壁 |
| 空積み | 3種類に入らない | モルタルなしで積んだ玉石 |
練積みの「練」はコンクリートを用いて一体の擁壁とするという意味です。施行令10条2号が、石材の控え長さを30センチメートル以上とし、コンクリートを用いて一体の擁壁とし、背面に栗石や砂利で裏込めすると定めています。
練積み造の根入れは高さの15パーセントか20パーセント
練積み造には数字の基準がいくつもあります。使えるものを挙げます。
| 項目 | 第一種・第二種の地盤 | その他の地盤 |
|---|---|---|
| 上端の厚さ | 40センチメートル以上 | 70センチメートル以上 |
| 根入れの深さ | 高さの15%(最低35センチ) | 高さの20%(最低45センチ) |
| 高さ3メートルなら | 0.45メートル | 0.60メートル |
| 控え長さ | 30センチメートル以上 | 30センチメートル以上 |
根入れというのは擁壁の足元が地面に埋まっている深さです。足元が露出していたら根入れ35センチを疑うことになります。現地で見て分かる部分です。
鉄筋コンクリート造は転倒と滑りを計算している
鉄筋コンクリート造と無筋コンクリート造は構造計算が必要です。施行令9条が4つ確かめると定めています。破壊しない、転倒しない、基礎が滑らない、沈下しない。
数字も決まっています。転倒モーメントは安定モーメントの3分の2以下、基礎の滑り出す力は最大摩擦抵抗力の3分の2以下です。
つまり余裕を1.5倍取るという設計思想です。構造計算書があれば、この数字が入っているかを見れば済みます。
水抜穴の数で擁壁の適法性はある程度わかる


ここが買主が現地でできる唯一の定量チェックです。水抜穴は壁面3平方メートル以内ごとに1個以上という基準です。
水抜穴の基準は内径7.5センチメートル以上
施行令12条を読みます。擁壁には、その裏面の排水を良くするため、壁面の面積三平方メートル以内ごとに少なくとも一個の内径が七・五センチメートル以上の陶管その他これに類する耐水性の材料を用いた水抜穴を設け、かつ裏面の水抜穴の周辺その他必要な場所には砂利その他の資材を用いて透水層を設けると定めています。
内径7.5センチメートルというのは500ミリリットルのペットボトルが入る太さです。細い塩ビ管が刺してあるだけの穴は基準に足りていない可能性があります。
高さ2メートル長さ10メートルなら水抜穴は7個以上
計算してみます。壁面の面積は高さ×長さです。
| 擁壁の高さ | 長さ | 壁面の面積 | 必要な水抜穴の数 |
|---|---|---|---|
| 1.5メートル | 10メートル | 15平方メートル | 5個以上 |
| 2.0メートル | 10メートル | 20平方メートル | 7個以上 |
| 2.0メートル | 15メートル | 30平方メートル | 10個以上 |
| 3.0メートル | 10メートル | 30平方メートル | 10個以上 |
| 3.0メートル | 20メートル | 60平方メートル | 20個以上 |
端数は切り上げます。20平方メートルを3平方メートルで割ると6.67なので7個以上です。数えて足りなければ基準を満たしていないことになります。
水抜穴から水が出ていない擁壁は排水が詰まっている
数だけでなく状態も見ます。雨の翌日に水が出ていない水抜穴は詰まっている可能性があります。
水抜穴の数が足りない
水抜穴から泥や土が出ている(裏込めの砂利が流出している)
雨のあとでも水がまったく出ない
水抜穴が土やコンクリートでふさがれている
擁壁の上の地面が水たまりになっている
裏側の水が抜けないと土圧が増えて、壁が前にふくらみます。これをはらみ出しと呼びます。はらみ出しが出ている擁壁はやり直しが必要と考えてください。
水抜穴が足りない擁壁は作り直しになる
水抜穴の数が足りない擁壁は、直せるのかという話になります。結論から言うと穴を後から開けるだけでは済まないということです。
施行令12条は水抜穴と同時に、裏面の水抜穴の周辺その他必要な場所には砂利その他の資材を用いて透水層を設けると定めています。つまり表側に穴を開けても、裏側に砂利の層がなければ水は集まってきません。
壁面に穴を開けるだけでは排水の経路ができない
透水層を作るには擁壁の裏を掘る必要がある
裏を掘るには擁壁自体を一度撤去する工事になることが多い
結果として部分補修ではなく作り直しの見積が出てくる
だから水抜穴の数は買う前に数えて価格に反映させる必要があるということです。引渡し後に気づいても、安く直す方法はほとんど残りません。
擁壁の上の地盤の勾配も一緒に見る
水の話は擁壁の上の地面まで続きます。施行令7条2項1号は、崖の上端に続く土地の地盤面には特別の事情がない限り崖の反対方向に地表水が流れるよう勾配を付すると定めています。
つまり雨水は擁壁から離れる方向に流す必要があるということです。擁壁の際に向かって地面が下がっていれば、設計と逆になっています。
現地では擁壁の天端の際に水たまりの跡があるかを見ます。土が流れて溝になっていれば、そこに水が集まっている証拠です。



地面の勾配は目で分かりますか。



雨の翌日なら分かります。水たまりの位置と、土が流れた跡を見てください。当社が同行するときは天端の際まで一緒に確認します。
崖条例は府県で違うので大阪と兵庫と京都を分けて見る


ここが他のサイトではまとまっていない部分です。崖の規制は条例なので府県ごとに考え方が違うからです。
大阪府は距離ではなく災害危険区域で規制する
大阪府建築基準法施行条例は、3条で災害危険区域を定めています。急傾斜地崩壊危険区域と、知事が指定する危険の著しい区域です。
規制の中身は4条です。第一種地区内では住居の用に供する建築物を建築してはならない。知事が被害を受けるおそれがないと認めて許可した場合だけ例外になります。
第二種地区では住居の主要構造部を鉄筋コンクリート造その他規則で定めるこれと同程度以上の耐力を有する構造にしなければなりません。大阪府は距離ではなく2つの地区で規制するという組み立てです。
兵庫県はがけの高さの1.5倍を離す
兵庫県建築基準条例は2条で距離を定めています。まず「がけ」の定義が明確です。地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地です。
そのうえで、がけ地に建築する場合はがけの表面の中心線から、がけ上及びがけ下の建築物までの水平距離をそれぞれのがけの高さの1.5倍以上としなければなりません。
例外もあります。がけの高さが2メートル以下、または地質により安全上支障がない場合は1倍です。さらに、がけが岩盤もしくは擁壁等で構成されていて安全上支障がない場合は適用されません。



兵庫県条例は神戸市に適用されません。神戸市内の物件は市の条例で確認してください。
京都府は崖の高さの2倍を離す
京都府建築基準法施行条例は6条です。高さ2メートルを超える崖に近接して建築物を建築するときは、崖の上にあっては崖の下端から、崖の下にあっては崖の上端から、崖の高さの2倍以上の水平距離を保たなければならないと定めています。
| 府県 | 規制の考え方 | 数字 | 基準になる点 |
|---|---|---|---|
| 大阪府 | 災害危険区域の指定 | 第一種は住宅禁止・第二種はRC造等 | 区域の指定 |
| 兵庫県 | 距離 | がけの高さの1.5倍(2m以下は1倍) | がけの表面の中心線 |
| 京都府 | 距離 | 崖の高さの2倍 | 崖の上端または下端 |
注意点は兵庫県と京都府で基準になる点が違うことです。兵庫はがけ表面の中心線から、京都は崖の上端または下端からです。数字だけを比べても意味がないので、物件のある府県の条文で確かめてください。
京都府の条文には例外も並んでいます。崖面が宅造令の技術的基準に適合する擁壁で保護されている場合、崖の上に建てる建築物の基礎を崖の下端から30度の角度をなす面の下方まで設けた場合などです。
奈良と滋賀と和歌山と市の条例は個別に確かめる
大阪と兵庫と京都以外はどうなるのか。条例は府県と市で別に置かれているのが答えです。
建築基準法40条と19条4項が根拠になっているので、各府県が同じ枠組みの中で別の数字を決めています。奈良県、滋賀県、和歌山県にもそれぞれ条例があります。
条例の名前は「建築基準法施行条例」または「建築基準条例」
窓口は都道府県または市の建築指導課
政令市と中核市は市の条例が優先することがある
神戸市は兵庫県条例の適用外で市の条例による
同じ府県内でも市によって上乗せがある場合がある
関西で擁壁のある分譲地が多いのは神戸市・宝塚市・生駒市・箕面市・高槻市など丘陵部です。このうち神戸市は県条例の適用外なので、兵庫県の1.5倍をそのまま当てはめてはいけない点に注意してください。
当社は物件が決まった時点で、その市町村の条例と規制区域を役所で確認します。条例の数字は物件ごとに違うので、記事の数字をそのまま当てはめずに確かめるのが前提です。
買ってはいけない擁壁の土地の5条件


ここまでの話を判断できる形にします。5つのどれかに当たるならやり直し費用が自分に回ることになります。
5つの条件のどれかに当たったら価格を見直す
- 石を積んだだけでコンクリートで結合していない(空積み)
- 水抜穴の数が壁面3平方メートルあたり1個に届いていない
- はらみ出しや大きなひび割れ、目地のずれが出ている
- 高さ2メートルを超えるのに工作物の検査済証が出てこない
- 擁壁が隣地の所有物で、自分の判断では直せない
共通しているのは将来やり直す費用が買主に回ってくるという点です。だから避けるのではなく、やり直し費用ぶんだけ価格が下がっているかで判断します。
擁壁の所有者を先に確かめる
5つ目は見落としやすい点です。擁壁が自分の土地の中にあるとは限りません。
| 擁壁の位置 | 所有者 | 直すときの扱い |
|---|---|---|
| 自分の敷地内 | 自分 | 自分の判断で直せる |
| 境界線上 | 共有または不明 | 隣地の同意が要る |
| 隣地の中 | 隣地の所有者|同意が必要 | 自分では直せない |
| 道路内 | 道路管理者 | 役所の管理 |
確かめるのは登記事項証明書と地積測量図、そして現地の境界標です。境界標と擁壁の位置関係を見れば、どちらの土地にあるかが分かります。



擁壁が隣地の所有物だと何が困りますか。



崩れそうになっても自分では直せません。隣地の所有者に費用を負担してもらう交渉が必要になります。買う前に位置を確かめてください。
買ってはいけない土地と言われる擁壁の実際
「買ってはいけない土地」という言い方で擁壁が挙げられることがあります。問題になるのは既存不適格の擁壁に限るというのが実際です。
既存不適格というのは、作られた当時は合法だったが、いまの基準には合っていない状態です。違法建築とは意味が違います。使い続けることはできますが、作り直すときは現行の基準に合わせる必要があります。
| 状態 | 呼び方 | 使い続けられるか | 作り直すとき |
|---|---|---|---|
| 現行基準に適合 | 適法 | 問題なし | 同じ構造で更新 |
| 当時は合法・いまは不適合 | 既存不適格|作り直しは現行基準 | 使い続けられる | 現行基準に合わせる |
| 当時から基準違反 | 違法 | 是正指導の対象 | 現行基準に合わせる |
| 許可なしの造成 | 無許可 | 是正命令の対象 | 許可を取り直す |
関西の古い分譲地では玉石積みや大谷石の擁壁が既存不適格で残ることがあります。新築の建売でも、造成し直さずに既存の擁壁を残している区画があります。
確かめ方は1つです。この擁壁はいつ誰が作ったものかを売主に聞くことです。今回の造成で作ったものなら許可証と検査済証明書があります。前からあるものなら、そう答えが返ってきます。
擁壁の検査済証と寿命はどう確かめるか


書類の話に移ります。擁壁の適法性は3つの書類で追えるようになっています。
工作物の検査済証と造成の許可証を取り寄せる
| 書類 | どこにあるか | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 工作物の確認済証・検査済証 | 所有者または特定行政庁 | 高さ2メートル超の擁壁が適法に作られたか |
| 宅地造成等の許可証 | 都道府県または市 | 造成そのものが許可を受けたか |
| 工事完了の検査済証明書 | 都道府県または市 | 許可の内容どおりに完成したか |
| 擁壁の構造計算書 | 売主または施工者 | 転倒と滑りの検証結果 |
| 地積測量図 | 法務局 | 擁壁がどちらの土地にあるか |
新築の建売なら売主に請求すれば出てくる書類です。出てこない場合はその理由を聞くところまでが確認です。
擁壁の寿命は構造ではなく排水で決まる
「擁壁 寿命」で調べる方が多いのですが、年数で区切れるものではありません。
壊れる原因のほとんどは裏側の水が抜けなくなって土圧が増えることです。だから水抜穴と透水層が機能しているかが寿命を決めます。
水抜穴から雨のあとに水が出ている
水抜穴から泥が出ていない(裏込め材が流れていない)
壁面にはらみ出しやひび割れがない
目地がずれていない
擁壁の上の地盤が擁壁の反対方向に勾配を取っている
最後の1つは施行令7条2項1号が根拠です。崖の上端に続く地盤面には崖の反対方向に雨水その他の地表水が流れるよう勾配を付すると定めています。擁壁側に水が流れている地盤は設計と違うということになります。
検査済証が出てこないときの進め方
書類が出てこないことは実際にあります。出てこない理由は3つに分かれるので、そこを聞きます。
| 理由 | 中身 | 買主の対応 |
|---|---|---|
| 高さ2メートル以下 | 確認申請が不要だった | 造成の許可証で追う |
| 既存不適格 | 基準ができる前に作られた | 作り直し費用ぶん価格が下がるべき |
| 紛失 | 書類が引き継がれていない | 特定行政庁に台帳記載事項証明を申請 |
3つ目は救いがあります。特定行政庁には建築計画概要書と台帳が残っているので、台帳記載事項証明書を取れば確認や検査の記録を追えます。紛失と既存不適格は意味がまったく違うので、そこを分けて確かめてください。
まず売主に工作物の検査済証があるかを聞く
無ければ造成の許可証と工事完了の検査済証明書を役所で確認する
それも無ければ台帳記載事項証明書を申請する
すべて無ければ既存不適格として価格を見直す
当社はこの順番で調べます。2番目と3番目は買主が自分で窓口に行くこともできますが、売主への確認と役所への申請を同時に進めたほうが早いです。
建売で擁壁を確かめる6か所と仲介手数料


ラクチン不動産は新築一戸建て・建売の仲介手数料0円で対応しています。3,000万円の物件なら、本来かかる105万6,000円(税込)が0円です。
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- しつこい営業のお電話はしません
現地で見る場所をまとめます。擁壁は6か所を見れば状態が判断できるようになります。
現地では擁壁の6か所を順番に見ていく
| 見る場所 | 見るもの | 要注意の状態 |
|---|---|---|
| 水抜穴 | 数と詰まり | 数が足りない・水が出ない |
| 壁面 | はらみ出し | 前にふくらんでいる |
| 目地 | ずれとひび割れ | 段差になっている |
| 天端 | 柵の有無と傾き | 柵が外側に傾いている |
| 足元 | 根入れの露出 | コンクリートが見えている |
| 上の地盤 | 沈下と勾配 | 擁壁側に水が流れている|令7条と逆 |
この6つは専門家でなくても見て分かる部分です。メジャーと5メートルのコンベックスがあれば高さも測れます。
擁壁がある建売でも仲介手数料は0円


当社は関西の新築建売を仲介手数料0円でお取り扱いしています。擁壁のある物件でも平地の物件でも扱いは同じです。
取り寄せるのは工作物の検査済証、造成の許可証と検査済証明書、擁壁の構造計算書、登記事項証明書と地積測量図です。書類の取り寄せに追加の費用は0円です。
あわせて崖条例の適用があるか、宅地造成等工事規制区域や急傾斜地崩壊危険区域に入っていないかも役所で確認します。確かめる書類が多い物件こそ、手数料0円の差が効きます。
取引態様の確認も同時に行います。仕組みは建売はどこで探す?広告掲載承諾書と囲い込みで未公開になる仕組みにまとめています。土地の形の話は旗竿地とは?デメリットと恥ずかしいと言われる理由と後悔しない条件とセットバックとは?42条2項道路と位置指定道路の違いとセットバック幅の計算にあります。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
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ラクチン不動産では、住宅ローンの相談(審査や無理のない計画)や物件探し・検討中の物件に関するセカンドオピニオンをLINEで対応しています。買主の味方に立って一緒にマイホーム実現をサポートします。
新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています。
お電話の受付は10:00〜19:00(水曜・日曜は定休)。時間外のご相談はLINEかメールをご利用ください。翌営業日にお返事します。
擁壁に関するよくある質問


- 擁壁の高さはどこから測るのですか。
-
擁壁の前面の下端から天端までの高さです。高さが2メートルを超えると建築基準法施行令138条1項5号で工作物の確認申請が必要になるため、この2メートルが書類の残り方を分ける境目になります。
- 擁壁がある土地は買ってはいけないのですか。
-
そうではありません。空積みである、水抜穴が足りない、はらみ出しがある、検査済証が出てこない、擁壁が隣地の所有物である、のどれかに当たるときだけ注意が必要です。どれにも当たらなければ、眺望と日当たりのよい土地を安く買える選択肢です。
- 水抜穴は何個あればいいのですか。
-
宅地造成及び特定盛土等規制法施行令12条で、壁面の面積3平方メートル以内ごとに少なくとも1個、内径7.5センチメートル以上と決まっています。高さ2メートル長さ10メートルなら壁面20平方メートルなので7個以上です。
- 宅地造成等規制法と盛土規制法はどう違うのですか。
-
同じ法律です。宅地造成等規制法を改正して宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)になりました。規制区域の名前も宅地造成工事規制区域から宅地造成等工事規制区域に変わっています。
- どのくらいの造成から許可が必要になりますか。
-
施行令3条で5つ定められています。盛土で高さ1メートルを超える崖を生じるもの、切土で高さ2メートルを超える崖を生じるもの、盛土と切土を同時にして2メートルを超える崖を生じるもの、崖を生じない盛土で高さ2メートルを超えるもの、面積500平方メートルを超えるものです。
- 石を積んだだけの擁壁は違法ですか。
-
現行の基準には適合しません。施行令8条1項2号が擁壁を鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・間知石練積み造その他の練積み造に限っているためです。ただし基準ができる前に作られたものは既存不適格という扱いになります。
- 崖条例は全国同じですか。
-
違います。条例なので府県ごとに内容が変わります。大阪府は災害危険区域を指定して第一種地区では住宅の建築を禁止し、兵庫県はがけの高さの1.5倍(2メートル以下は1倍)の距離を求め、京都府は崖の高さの2倍の距離を求めています。
- 擁壁の寿命は何年ですか。
-
年数で区切れるものではありません。壊れる原因のほとんどは裏側の水が抜けなくなって土圧が増えることなので、水抜穴と透水層が機能しているかで判断します。雨のあとに水抜穴から水が出ているかを見てください。
擁壁は書類と水抜穴で判断できる


最後に手順だけ残します。擁壁があるから危ないのではない、というのが結論です。
- 擁壁の高さを測る(2メートルを超えるかどうかで書類が変わる)
- 水抜穴の数を数える(壁面3平方メートルあたり1個以上あるか)
- 壁面のはらみ出しと目地のずれを見る
- 工作物の検査済証と造成の許可証を取り寄せる
- 地積測量図と境界標で擁壁がどちらの土地にあるかを確かめる
- 崖条例と規制区域の適用を役所で確認する
数字はこの2つを覚えておけば足ります。高さ2メートル超で確認申請、水抜穴は壁面3平方メートルに1個です。高さ2メートル長さ10メートルなら水抜穴は7個以上です。
関西は坂の多い地形なので、擁壁のある分譲地は珍しくありません。書類が揃っていて水抜穴が基準どおりなら、眺望と日当たりの条件がよい土地を安く買えます。
関西の新築建売は仲介手数料0円でお取り扱いしています。擁壁の高さと検査済証の有無だけでも先に調べますので、気になる物件があればお知らせください。
新築一戸建て・建売を買うとき、仲介手数料は0円になります。物件価格が上がるほど、差は大きくなります。
| 物件価格 | 通常の仲介手数料(税込) | ラクチン不動産 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 89万1,000円 | 0円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 | 0円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 | 0円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 | 0円 |
なぜ0円にできるのか
仲介会社は、売主と買主の両方から報酬を受け取ることができます。新築の建売は売主が不動産会社なので、売主から報酬が支払われます。そのぶん、買主からいただかなくても取引が成り立ちます。
ただし、すべての物件が0円になるわけではありません。売主が個人の中古住宅や、売主から報酬が出ない物件は対象外です。売主が不動産会社でも、報酬が半分しか出ない物件があります。
だからこそ、物件名と所在地をお知らせいただければ、0円になるかどうかをその場で無料判定します。判定に必要なのは物件が特定できる情報だけで、お客様の個人情報は要りません。
- 他社のチラシ、ポータルサイト、売主の公式サイトで見つけた物件でも構いません
- すでに内覧した物件でも、申込手続きに入っていなければご案内できます
- 0円にするために、住宅ローンや火災保険の指定はしません
- しつこい営業のお電話はしません


ラクチン不動産では、住宅ローンの相談(審査や無理のない計画)や物件探し・検討中の物件に関するセカンドオピニオンをLINEで対応しています。買主の味方に立って一緒にマイホーム実現をサポートします。
新築の建売は、仲介手数料0円で対応しています。
お電話の受付は10:00〜19:00(水曜・日曜は定休)。時間外のご相談はLINEかメールをご利用ください。翌営業日にお返事します。













